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急に原因不明の下痢が…それって油ものの食べ過ぎかも!?

誰しも多かれ少なかれ下痢になって苦しんだ経験はあると思います。

そんな時、体調不良や食べ物など、下痢の原因が明確にわかっていれば問題はありません。体調がよくなり、原因となったものをすべて出し切ってしまえば治るだろうと判断することができます。

しかし時にはなぜ下痢になったのかわからないということもあるかもしれません。原因がわからないと、それが放っておいてよい下痢なのか、いつまで続くのかもわからず不安になりますよね。

もしかしたら、その下痢の原因は油かもしれません。最近、揚げ物や焼き肉などの油っこい食事をとった覚えはありませんか?実は意外と知られていないのですが、油ものが下痢を引き起こすきっかけとなることがあります。

ここではそんな下痢と油の関係について、詳しく解説していきましょう。

なぜ急に下痢になる?下痢のメカニズムと主な原因

そもそも、なぜ下痢という症状は起こるのでしょうか?少し前まで通常の便が出ていたのに、急にゆるい下痢状態になって驚かされることも珍しくありませんよね。

腸に到達する段階では、便はまだかなり水っぽい下痢状態です。それを健康的なちょうどよい硬さの便に調節するのが腸の大切な役目の1つなのです。

便が下痢状態のまま出てきてしまうのは、この腸の働きが以下のような異常をきたしてしまった場合です。

  • ぜん動運動が過剰に活発になる
  • 腸からの水分吸収が不十分になる
  • 腸から過剰な水分分泌がある

便を先へと送っていくぜん動運動が活発になりすぎると、便が進むスピードが速くなりすぎて、十分に水分が吸収されないまま出てきてしまいます。

また、腸での水分吸収がうまくいかない場合や、逆に腸から過剰に水分が分泌されて便に混ざってしまう場合にも、便の水分量が多い下痢状態になってしまうのです。

食べすぎから病気まで…下痢を引き起こす原因とは

下痢のメカニズムがわかったところで気になるのは、腸の異常を引き起こすものは何なのか?ということですよね。

下痢の主な原因とその具体例を表にまとめてみましょう。

原因 具体例
消化不良 食べ過ぎ、脂肪分・糖分過多、香辛料など
食あたり・水あたり 生魚(腸炎ビブリオ)、卵(サルモネラ)、非加熱の食材(O-157)など
ストレス 身体の冷え、精神的プレッシャーなど
抗生物質の長期間服用など
病気 風邪、クローン病、過敏性腸症候群など

このように、下痢は様々な原因で起こるものです。

今回の話の焦点である油ものによる下痢は、脂肪分を取りすぎたことによる消化不良に分類することができます。

腸の働きが異常になり、便の水分量の調節がきちんとできないことことによって下痢が起こります。
下痢につながる腸の異常を引き起こす主な原因としては、消化不良や食あたり、病気などがあり、油ものによる下痢は消化不良に分類されます。

消化されない油が下痢を引き起こす!?下痢と油の関係

油っこい食事がもたれやすく、消化に良くないことはご存知の方も多いことと思います。

油が消化不良を起こしやすいのには、主に2つの理由があります。

  • 消化の始まりが遅い
  • 吸収に時間がかかる

口の中の唾液や胃など、消化器官の中でも比較的上の方で消化することができるタンパク質や糖質などに対して、脂肪は胃を通り越して、小腸の一部である十二指腸でやっと消化・分解をスタートすることができます。

しかも分解された成分が腸を通して体内に吸収されていくのにも、他の栄養素より長い時間がかかってしまうのです。

そのため、油の多い食事は消化しにくく身体への負担も大きくなってしまうというわけです。

それでも無事に消化しきることができれば問題ないのですが、油ものを取りすぎてしまうと消化が追い付かず、脂肪分が正しく分解されないまま腸まで流れて行ってしまうことがあります。

その消化しきれなかった脂肪分が、腸を刺激してぜん動運動を活発化させ、下痢を引き起こすということになるのです。

特に日本人の身体はもともと欧米人に比べて油ものを食べる機会が少なかったため、脂肪の消化機能が強いとは言えません。したがって、油ものの取りすぎが原因の下痢になりやすい傾向があるのです。

また、普段は問題なくても、体調が悪かったりして消化機能が落ちていると、油ものを上手に消化できなくなってしまいます。

外食×油は最悪!下痢だけじゃない酸化した油の危険性とは

飲食店やファーストフードでは、どうしても揚げ物などの油っこい食事をとる機会が多くなりがちですよね。

この外食と油の組み合わせは、さらに下痢を引き起こすリスクを高めるかもしれません。

飲食店では、揚げ物などをつくるのに使う油を1日中、あるいは数日間使いまわし続けることも珍しくありません。揚げ物をつくるたびに大量の揚げ油を交換するコストや手間を考えれば、それはある意味では仕方のないことと言えるでしょう。

しかし、消化への負担という点では、使いまわして時間のたった油は非常によろしくありません。

油は開封から時間がたったり、加熱することによって急速に酸化していきます。この場合の酸化は、劣化とほぼイコールととらえて構いません。

酸化した状態の脂肪分は、正常な状態の脂肪(中性脂肪)よりもさらに消化・分解に時間と負担がかかるようになり、分解しきれなかったものが腸の壁を傷つけることもあります。そのため、中性脂肪よりも少量で消化不良による下痢を起こしやすいのです。

また、酸化した脂肪の成分が必要以上に体内に吸収されてしまうと、身体を酸化させて老化や病気の原因となる可能性もあります。

消化不良の悪循環!?油もののすい臓・胆のうへの影響

油っこい食事を日常的に過剰に取り続けていると、腸以外の胆のうやすい臓と言った重要な消化器官にも悪影響を及ぼすことがあります。

胆のうとすい臓は、それぞれ胆汁とすい液という消化液を分泌する役割を担っています。この2つの消化液は、いずれも脂肪の分解に不可欠なものです。

消化不良からの下痢を起こすほど脂肪分を摂取すれば、当然、それを分解する消化液を出す胆のうとすい臓にも大きな負担がかかります。

それでも油ものを大量に食べ続けていると、負担が蓄積して、胆のうやすい臓が十分に機能しなくなってしまうことがあるのです。

そうなると余計に脂肪分が消化・分解しにくくなり、結果として消化不良を起こすという悪循環のような状態に陥ってしまうでしょう。

また、胆のうやすい臓の負担が限界を超えれば、胆石症やすい炎などの病気になってしまうこともあるので、そういう意味でも注意が必要です。

脂肪分は他の栄養素に比べて消化しにくいため、油ものをとりすぎると消化不良を起こして下痢の原因となります。
特に外食の油には、より消化しにくい酸化した脂肪が多く含まれているので、少量でも消化不良からの下痢につながりやすいのです。
油ものを下痢になるほどとる食生活を続けていると、腸だけでなく胆のうやすい臓など他の消化器官にも負担をかけて、さらに消化不良を起こしやすくなってしまうのも問題です。

はやく治したい…油が原因の下痢になったらどうすべき?

基本的には、油ものを取りすぎなければ油が原因の下痢になることはありません。油で下痢になりやすい人は特に、油ものを過剰に摂取することを避けましょう。また外食の際には、家庭での食事以上に油ものの摂取量に慎重になったほうが良いでしょう。

油の消化能力の高さは人によって異なるので、一概に油ものはどれくらいなら食べてよいという目安を提示することは難しいものです。また、体調によっても油もので消化不良を起こすかどうかは変わってきます。

油ものによる下痢を避けるためには、自分自身の身体の状態をよく観察して、油ものの摂取量を適度に調節することが大切です。

それでも油ものが原因と思われる下痢になってしまうことはあるかもしれません。その際には、できるだけ早く回復するために、以下の3つのことに気を付けて生活するようにしてください。

  • 消化の良い食事を心がける
  • 身体を冷やさない
  • 水分を多めにとる

油もので下痢になった場合に、最も早期回復のために重要なのは消化の良い食事を心がけることです。

油や糖分の多い食べ物は極力避け、タンパク質や炭水化物を中心にした消化しやすい食事をとるようにしましょう。また、食べすぎもまた下痢のもとになるので、体調が落ち着くまでは腹八分目以下程度の少な目の食事の方が負担が少ないでしょう。

身体の冷えも下痢を引き起こす原因になるので、寒い場所に長時間いたり、気温に対して薄着で過ごすことはできるだけ避けた方が賢明です。冷たいものを飲み食いするのもよくありません。

また、下痢になると水分が本来の状態より過剰に排出されるため、脱水状態になりやすくなります。

水分はいつもよりも多めにとるようにしてください。ただし冷えたものは避け、常温かそれ以上の温かいものを飲むようにしましょう。

いつまでも治らない下痢、油もののせいじゃないかも!?

上記のような対策をとっていても下痢が改善しなかったり、他の症状を伴う場合は、油ものが原因の下痢ではなく何らかの病気の可能性が出てきます。

いわゆる食あたり以外で下痢を引き起こす原因となる病気としては主に以下のようなものがあります。

病名 下痢以外の症状 原因
クローン病 下血・腹痛など 原因不明の腸の潰瘍や炎症
潰瘍性大腸炎 下血・腹痛など 原因不明の腸の潰瘍や炎症
過敏性腸症候群 おなかの張り、残便感など ストレス

クローン病と潰瘍性大腸炎はよく似通った症状が出る病気で、根本的な原因がわからず、治療法も確立されていないので、いずれも国の指定難病となっています。下痢だけでなく便に血が混じるようなことがあれば、これらの病気の可能性が出てきます。

過敏性腸症候群は主にストレスが原因となって下痢やおなかの違和感が頻繁に起こる病気です。

食事療法や運動療法などの生活改善や、投薬治療などで改善を見込むことができますが、もともとの体質による部分が大きいので、完治は難しいのが現状です。

これらの病気は自己判断が難しく、放っておくと悪化していく一方なので、たかが下痢だから…と我慢せずにはやめに受診することをおすすめします。

油ものが原因の下痢を避けるためには、油ものの過剰摂取を避けるのが一番です。
それでも油もののせいと思われる下痢になってしまったら、消化の良い食事と身体を冷やさないこと、そして多めの水分摂取を心がけて、早めの回復を目指しましょう。
食事などの対策をしても下痢が治らなかったり、他の症状がみられる場合は、クローン病や過敏性腸症候群などの病気の可能性もあるので、早めに受診してください。

油ものでも下痢になる!過剰摂取に要注意

油ものをとりすぎると消化不良になりやすく、下痢の原因となることがお分かりいただけたでしょうか?

油っこい食事はおいしく感じるものですが、健康を損なってしまっては意味がありません。油もので下痢になりやすい人はその自覚を持ち、特に外食時には意識して油ものの量を抑えるようにしましょう。

また、下痢をむやみに油もののせいと決めつけてしまうのも危険です。治りにくい、繰り返す下痢は、何らかの病気が原因のこともあるのです。

下痢は誰にでも起こる症状で、軽視されてしまいがちですが、その陰には腸の異常が隠れていることを忘れてはいけません。あまり甘く見ず、食事の改善や受診など適切な対応を取るように心がけましょう。