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突発性難聴の症状や原因、治療法を解説!できるだけ早く治療しよう

この記事で解説するのは「突発性難聴」という耳の病気です。

ある日突然「耳が聞こえない」「耳が聞こえにくい」などの症状が出たら要注意。突発性難聴を発症しているかもしれません。

突発性難聴の原因は分かっていませんが、発症後すぐに内服薬や点滴の治療を開始することで治すことができます。

それでは突発性難聴の症状や原因、診断・検査の方法、治療方法について見ていきましょう。

突発性難聴の主な症状は難聴!耳鳴りやめまいがすることも

突発性難聴とは突然耳が聞こえなくなったり、聞こえづらくなったりする病気です。

突発性難聴の最大の特徴は、患者さん自身が「いつから耳の調子が悪くなったのか、はっきりとわかる」こと。

症状は次のとおりです。

突発性難聴の症状
  • 片方の耳が聞こえない
  • 耳が聞こえづらい
  • 耳が詰まったような感じがする
  • 耳鳴りがする
  • めまいがする
  • 吐き気がする
突発性難聴の症状で、耳以外の神経症状が出ることはほとんどありません。主な症状は耳が聞こえない、聞こえづらいなどの難聴。難聴の発症と合わせて、耳鳴りやめまいなどの症状が出ることもあります。

片方の耳だけに発症することが多いとされていますが、まれに両耳に症状が見られる場合もあるんですよ。

突発性難聴を発症しても、すべての症状が現れるわけではありません。

症状には個人差もあるので、耳の異常を感じたらできるだけ早急に病院で診察を受けるようにしましょう。突発性難聴は早期に治療を開始することで、完治する確率が高くなります。

詳しくは「突発性難聴の主な治療法は2つ!早期治療が大切です」の章で説明していますので、参考にしてください。

突発性難聴の発症は、一般的に40歳代~50歳代に多いと言われています。ただし最近では若い人の発症も多く、患者数も増えていることから、現代病の1つとして注目されているのです。

突発性難聴の原因は分からない?ストレスや疲労の可能性も

突発性難聴は原因不明の感音性難聴※と言われており、その原因は解明されていません。

感音性難聴とは

聴力に関係する神経が弱くなることで発症する難聴のこと。

ただし、発症の原因として考えられているものもあるんですよ。突発性難聴の原因として推測されるものは次の4つです。

突発性難聴の原因として考えられていること
  • 聴覚神経への血流障害
  • ウイルス感染
  • ストレス
  • 疲労

血管拡張作用のある薬で突発性難聴の改善がみられることや、発症する前に風邪のような症状を訴える人が多いことから、上記のような原因が考えられています。

また過度なストレスや疲労は、さまざまな病気を引き起こす原因の1つ。

血流障害や感染、ストレス、疲労などがなぜ難聴を引き起こすのか、具体的にはまだ解明されていないのです。

難聴となった原因がはっきりしている場合は、突発性難聴ではなく他の疾患である可能性があります。メニエール病や聴神経腫瘍など、突発性難聴と似たような症状が出る疾患もあるため、病院で検査を受けることが大切ですよ。

聴力検査で突発性難聴を診断!薬や点滴で治療を行います

突発性難聴の診断では、まず問診で症状を確認。その後、鼓膜の診察や検査を行います。その後の主な治療法は薬の内服。症状が重い場合は点滴で治療するんですよ。

また聴力改善のためには、発症後48時間以内に治療を開始することが重要です。

まずは突発性難聴の診断方法から見ていきましょう。

突発性難聴を診断する手順は?問診から精密検査までを紹介

突発性難聴を診断するための流れは次のとおりです。

「突発性難聴」診断の流れ(一例)
  1. 問診
  2. 外耳・鼓膜の診察
  3. 純音聴力検査・語音聴力検査
  4. 精密検査

それぞれ詳しく見ていきましょう。

問診

患者さんは医師と対面し、具体的な症状を説明します。耳が詰まる、めまいがするなどの気になる症状は、この時点で医師に伝えておくといいでしょう。

外耳・鼓膜の診察

患者さんの外耳・鼓膜に難聴の原因となる疾患がないか、医師が確認。検査の前に耳垢栓塞※を発症していることが確認された場合は、この時点で耳垢を吸引するなどの処置を行います。

耳垢栓塞(じこうせんそく)とは

耳垢が耳の穴に詰まり、耳が聞こえにくい状態のこと。音が聞こえづらい症状が現れることもありますが、全く自覚症状のない場合もあります。

純音聴力検査・語音聴力検査

聞こえる音の範囲・正確さを検査。それぞれの検査の詳細は次のとおりです。

純音聴力検査

聞こえの程度を調べる一般的な検査。患者さんはヘッドホンを耳につけて、音が聞こえたら手元にあるボタンを押します。125ヘルツ(低音)から8,000ヘルツ(高音)までの範囲で、患者さんが聞こえた最も小さい音の数値を調べることが可能です。

語音聴力検査

言葉がどの程度聞き取れているか検査します。患者さんはヘッドホンを耳につけ、聞こえてきた言葉や数字などを用紙に記入。どの程度の音がどれだけ正確に聞き取れているかを、調べることが可能です。
精密検査

純音聴力検査・語音聴力検査の結果によって、さらに精密検査が必要となる場合もあります。実施する精密検査は次のとおりです。

精密検査(一例)

検査 概要
耳音響放射検査 聴こえに関する感覚細胞の反応を調べる
聴性脳幹反応検査 聴神経や脳幹の聴覚伝導路の機能を調べる
耳鳴検査 耳鳴りの強さ・高さを調べる
画像検査 CTやMRIなどで耳・脳の断面を詳しく調べる
採血 難聴に関連した疾患を調べる

突発性難聴の主な治療法は2つ!早期治療が大切です

突発性難聴の主な治療法は、次の2つがあります。

突発性難聴の治療法
  • 内服治療
  • 点滴

内服治療

突発性難聴の治療は飲み薬が中心で、患者さんは主に「副腎皮質ホルモン薬」を内服。ステロイドとも呼ばれる「副腎皮質ホルモン薬」は、急な神経麻痺を改善し、聴力の回復に最も有効と言われています。

またホルモン薬のほかに、血管拡張薬やビタミンB12製剤などを一緒に内服することも。内耳循環を改善し、聴力回復の効果が期待できます。

点滴

重症の場合や、発症してから時間が経過している場合は、点滴で「副腎皮質ホルモン薬」を投与。その後、点滴から飲み薬に切り替えて少しずつ投与量を減らしていきます。

突発性難聴の症状改善のためには、症状を自覚してから2日以内の受診が最適です。

突発性難聴は発症から約48時間以内に治療を行うことで、多くの人に改善傾向が見られるんですよ。

また発症から1週間過ぎると症状の改善率が低下し、2週間を過ぎるとさらに改善率は低くなります。発症から1カ月を過ぎると聴力が固定され、その後の聴力改善は極めて困難になってしまうのです。

耳の異常を感じたらできるだけ2日以内に、遅くとも2週間以内には病院を受診するようにしましょう。

突発性難聴が治るかどうかは、症状の重さや発症から治療までの期間によってさまざまです。「治る人」「治らない人」「改善はするが症状は残る人」で、それぞれ3分の1程度の割合。突発性難聴は、早期発見・早期治療が重要なのです。

早期治療が完治に繋がる!実際に突発性難聴になった人の例を紹介

突発性難聴を治すためには、早期治療が大切であることを説明しました。

では実際に「突発性難聴」になった人たちは、いつ治療を開始してどの程度改善したのでしょうか?

ここでは、突発性難聴を治療した人の一例を紹介します。

突発性難聴の症例(Aさんの場合)
【発症時期】
2014年5月

【症状】
・片耳が詰まる
・片耳がぼーっとして聞こえづらい
・耳鳴り

【治療のタイミング】
発症から1週間後

【治療内容と経過】
1週間以上、毎日点滴を続け、点滴をするごとに症状が改善されていくのが分かりました。

【現在の経過】
突発性難聴を発症後1年は、ときどき耳の詰まる感じがしたことを覚えています。発症から3年経った現在は、全く問題ありません。

Aさんは突発性難聴を発症してから、およそ1週間で治療を開始。発症後1年の間は「耳が詰まる」などの症状が出ていますが、現在はほぼ問題なく生活できる状態です。

突発性難聴の発症から1周間で治療を受けたことが、完治に繋がったのだと考えられます。

ではもう1人の「突発性難聴の症例」を見てみましょう。

突発性難聴の症例(Bさんの場合)
【発症時期】
2017年3月頃

【症状】
・片耳が聞こえづらい
・普段より響いているように感じることも
・めまい
・耳鳴り
・吐き気

【治療のタイミング】
「耳が聞こえづらい」という自覚はあったが受診せず過ごしていたところ、ある日症状が悪化。意識が遠くなりそのまま救急車で運ばれて、その日中に治療を受けました。

【治療内容と経過】
入院を勧められましたが、仕事があったため点滴での治療を希望。治療開始から10日で仕事に復帰しましたが、しばらくは大きな音や音楽を聞くことが苦痛でした。

【現在の経過】
発症から5カ月後には、音楽ライブで生演奏などの大きな音を聞けるようになりました。ただし現在も耳が聞こえづらく、耳鳴りは日常茶飯事です。

Bさんは突発性難聴の症状が出てからすぐには治療せず、病院にも行きませんでした。症状が悪化してから治療を開始したため、現在でも「耳が聞こえづらい」などの症状が残っています。

発症後すぐに治療をしなかったことが、後遺症を残してしまった一因だと考えられますね。

今回紹介した例では、早期の治療が突発性難聴の完治に繋がりました。ただし治療開始の時期だけが、症状改善の程度を左右するわけではありません。症状の重さや体質によっては、完治することが難しい場合もあるんですよ。

耳の異常を感じたらすぐに病院へ!早期治療が症状改善への近道

この記事では突発性難聴の症状や原因、治療法などを解説しました。

突発性難聴の主な症状は、耳が聞こえない・聞こえづらいなどの難聴。原因は分かっていません。病院で聴力検査を受け「突発性難聴」の診断を受けた後は、内服薬や点滴での治療を行います。

突発性難聴による症状を改善するため、最も重要なことは「できるだけ早く治療する」こと。

症状が出てから2日以内、遅くとも2週間以内に治療を受けることが症状改善に繋がります。

もし耳が聞こえないなどの異変を感じたら、すぐに病院で診察を受けるようにしましょう。