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ウーロン茶の効能でお口スッキリ!肥満や虫歯を予防する効果も!

日本においても、今ではすっかり当たり前に飲まれるようになったウーロン茶。どんなお店にも大抵あるし、ふだんの食事のお共にウーロン茶を選ぶ人も多いですよね。

濃い目の色と強めの苦みが特徴のウーロン茶ですが、他のお茶とどう違うのでしょうか?何となく身体に良さそうというイメージはありますが、実際のところどうなんでしょうか?

ここでは、そんなウーロン茶にまつわる豆知識から意外な健康効果までを、幅広くお伝えしていきます。それを知ったら、これからは、ちょっと違った気持ちでウーロン茶を飲めるかもしれません!

知ってるようで意外と知らない!?ウーロン茶ってどんなお茶?

若い世代にとっては、生まれたときから存在しているウーロン茶ですが、日本で普通に飲まれるようになったのは、意外と最近のことです。まずは、その歴史や栄養など、ウーロン茶のいろはを復習してみましょう。

ウーロン茶の歴史

ウーロン茶の原産は、ご存じのように中国です。中国茶自体は、非常に古くから薬や飲用に使われてきましたが、その中でウーロン茶がどのように誕生したのかは、詳しくは不明です。

しかし、明から清の時代に生まれたとする説が有力で、広東省東部で作られていた「鳳凰単叢」というお茶がルーツになっているのではないかと言われています。

現在のようなスタイルのウーロン茶が日本で知られるようになったのは、1980年代に入ってからのこと。

伊藤園が世界初の缶入りウーロン茶を発売し、サントリーも後に続いたことから、一気に世間に広まりました。

その後、ペットボトル入りやウーロンハイなど日本独自の発展を遂げ、現在に至ります。本場では熱いお湯で淹れて飲む方法しかなかったのですが、近年、ペットボトル入りウーロン茶が中国や台湾に逆輸入され、受け入れられているようです。

ウーロン茶の特徴

中国茶は、茶葉の発酵の程度や製法などによって、大きく以下の7種類に分けられます。

  • 緑茶
  • 白茶
  • 黄茶
  • 黒茶
  • 青茶
  • 紅茶
  • 花茶

ウーロン茶は、この中の「青茶」に分類されます。

青茶の特徴は、「半発酵茶」とも呼ばれるように、ある程度発酵させてから加熱処理をほどこすこと。

茶葉が青っぽい色なので青茶と呼ぶわけですが、中国語の「青」は、日本の青のイメージよりももっと暗い色味です。ウーロン茶の「烏龍(ウーロン)」は、烏(カラス)の羽のように黒くて龍のようにねじれた茶葉が由来になっているとも言われています。

ちなみに、日本で昔から親しまれてきた麦茶にもいろんな効能がありますが、麦茶は大麦の種を煎じて淹れたお茶で、上記の茶葉からできるお茶とは本質的に異なります。

ウーロン茶の種類

ウーロン茶は、中国茶の中の青茶に分類されることをお話しましたが、さらにウーロン茶の中にもたくさんの種類や銘柄があります。代表的なものは、以下の通りです。

種類 産地 特徴
凍頂烏龍茶 台湾中部 台湾で広く愛飲されている
爽やかな風味
東方美人茶 台湾東北部 虫が葉を喰うことで独特な風味がつく
武夷岩茶 中国福建省 ウーロン茶の代表的銘柄
紅茶の原型になった
鉄観音 中国福建省 茶葉の表面に鉄のような光沢がある
お茶の色は明るめで、味に甘みがある
水仙 中国広東省・福建省 香港で広く飲まれている

一口にウーロン茶と言っても、それぞれ色や風味に微妙な違いがあるのですね。

私たちになじみ深いものとしては、伊藤園のウーロン茶には水仙が、サントリーのウーロン茶には武夷岩茶がメインに使われ、他にもいくつかの茶葉がブレンドされています。

ウーロン茶の栄養

ウーロン茶はお茶ですから、食品のような栄養素がたくさん含まれているわけではありません。茶葉をお湯で淹れた、いわゆる「お茶」としての状態では、

  • ビタミンB2
  • ビタミンB
  • 葉酸
  • カルシウム
  • マグネシウム
  • リン
  • カリウム

などの栄養素が、少量ではありますが、含まれています。

しかし、その他の成分として、カフェインやタンニン、カテキン、ポリフェノールなどが豊富に含まれているのが、ウーロン茶の魅力。そのおかげで得られる効果を、以下にどんどんご紹介していきます。

抗酸化作用が高いウーロン茶

ウーロン茶にたくさん入っているポリフェノールですが、抗酸化作用があることで有名ですよね。抗酸化作用とは、老化や様々な病気の原因にもなる活性酸素を除去する作用のことで、簡単に言えば心身を若々しく保ってくれる効果です。

女性にとって特にうれしいのは、やっぱり美肌効果ですよね。ウーロン茶にも、もちろんその効果がばっちり期待できます。

保水効果や美白効果もあるため、ウーロン茶エキスが含まれている化粧水もあるんです。

もちろん、ウーロン茶を飲むことでも、身体の中からキレイなお肌を作っていくことができるんですね。

ウーロン茶には、こんなにもたくさんの効果があったのですね。カテキンやポリフェノールなど、話題の有効成分がたっぷり入っていて頼もしいです。

特に、美肌効果や抗酸化作用は女性にはうれしいですね。ただし、鉄分の吸収を阻害することがあるため、妊娠中の女性は避けた方が無難かもしれません。

ポリフェノールが脂肪の吸収を抑える!ウーロン茶で肥満予防!

既にお話したように、ウーロン茶は元々、古くから中国で飲まれてきました。中華料理は油をたくさん使うけれど、肥満体の中国人ってあまりいないイメージですよね。

ウーロン茶が中華料理とともに飲まれてきたことを考えれば、その秘密がなんとなく見えてきそうな気がしませんか?ここでは、そんなウーロン茶と肥満との関係を見ていきましょう。

ウーロン茶が脂肪を排出!

まずは、ひとつの実験をご紹介します。この実験は、参加者にポテトチップを食べてもらい、ウーロン茶を飲んだ時と、ウーロン茶以外のものを飲んだ時とで、排出される脂肪量の変化を測定したものです。

RESULTS:Lipid excretion into feces was significantly higher in the polyphenol-enriched oolong tea period (19.3+/-12.9 g/3 day) than in the placebo period (9.4+/-7.3 g/3 day) (P < 0.01). Cholesterol excretion tended to increase in polyphenol-enriched oolong tea period (1.8+/-1.2 g/3 day) compared with that of placebo (1.2+/-0.6 g/3 day) (P = 0.056). CONCLUSIONS:The results of this study indicated that polyphenol-enriched oolong tea could increase lipid excretion into feces when subjects took high-lipid diet. 【翻訳】 結果:排泄物への脂質排出はポリフェノール豊富なウーロン茶期間(19.3+/-12.9 g/3 day)で、プラセボ期間(9.4+/-7.3 g/3 day) (P < 0.01)よりも顕著に高かった。コレステロール排出はプラセボ期間(1.2+/-0.6 g/3 day) (P = 0.056)と比較してポリフェノール豊富なウーロン茶期間(1.8+/-1.2 g/3 day)中に増加する傾向にあった。 まとめ:この調査の結果は、被験者が高脂質な食事をした時に、ポリフェノール豊富なウーロン茶が排泄物への脂質排出を増やすことを示した。 出典:International Public Health Nutrition, Graduate School of Health Biosciences, The University of Tokushima, Tokushima(翻訳:徳島大学 ヘルスバイオサイエンス研究科)

油っこい食べ物代表としてポテトチップを使った実験ですが、ウーロン茶と一緒に食べれば、身体に脂質が吸収されるのを防ぎ、体外に排出してくれるという結果となりました。

「ポテトチップ大好きだけど、太るから控えなきゃ…」という方々には、ぜひウーロン茶とともに食べることをオススメします。そうすれば、少しは脂肪も罪悪感も減るかもしれませんね。

ウーロン茶独自のポリフェノール

上記の実験によれば、ウーロン茶と他の飲み物では、脂質を排出する量にはかなり大幅な違いがあります(P < 0.01、P = 0.056)。ウーロン茶の脂肪分解効果は相当高いということです。 そのワケは、ウーロン茶ポリフェノールにあると考えられます。ポリフェノールは緑茶や紅茶、ワインなど他の飲み物にも入っていますが、ウーロン茶のポリフェノールはちょっと違うんです。

ウーロン茶は「半発酵茶」とも呼ばれていることはすでにお話しましたが、半分発酵させることでカテキンがたくさん結合し、結合前のカテキンにはなかったパワーを発揮するのです。

ウーロン茶重合ポリフェノールでダイエット!

この複雑に結合したカテキンの中でも、特に脂肪吸収を抑える効果が高いポリフェノールを、「ウーロン茶重合ポリフェノール」と呼び、高いダイエット効果が期待できる成分として注目されています。

通常、脂肪分が身体に摂りこまれると、リパーゼという酵素によって分解吸収されます。ウーロン茶重合ポリフェノールは、このリパーゼの働きを阻害してくれるため、中性脂肪の吸収が抑えられるというメカニズムです。

さらに、ウーロン茶重合ポリフェノールには脂肪の排出がおよそ2倍にも増加する効果があることも分かっています。しかも、ウーロン茶のカロリーはゼロ!

体脂肪が気になる方、健康診断でメタボ気味であることを指摘された方は、飲み物をウーロン茶に替えてみると良いでしょう。

ポリフェノールは1種類しかないわけではなく、ウーロン茶にはウーロン茶重合ポリフェノールという独自のものがあるということですね。

ウーロン茶重合ポリフェノールのおかげで、効率的に脂肪を分解して排出できるため、ダイエットだけでなく高脂血症などの生活習慣病予防にも最適です。

歯周病菌を撃退!あったかいウーロン茶でうがいもオススメ!

最後に、ウーロン茶のお口の衛生に関する効果を、もうひとつご紹介します。今度は、ウーロン茶に含まれるカフェインのパワーです。

ホットウーロン茶で菌を減少

口腔衛生学会にて発表された研究を、ご紹介します。

先行研究で、温かいカフェイン飲料が、誤嚥性肺炎などの元となる口腔内の細菌を減らすことが、試験管による実験で分かりました。

これは冷たいカフェイン飲料では効果的とはいえず、ホットウーロン茶にして飲むことで歯周病予防が期待できるとのことでした。

口内細菌は万病の元!?

実は、歯周病菌が悪さをするのは、お口の中だけではありません。

上記の実験の引用文中にもある「細菌叢」とは、細菌の一群のことです。歯周病菌を含む口の中の細菌叢が、全身の健康に悪影響を及ぼすことが分かってきています。

歯周病によって歯茎などから出血すると、そこから歯周病菌が血管を通って全身に回ってしまうことがあり、それが早産、心筋梗塞、糖尿病、肺炎などの原因になることもあると言われています。

ですから、ホットウーロン茶でお口をゆすぐことが、歯周病予防だけではなく全身の健康のためにも効果的と言えそうですね。
歯周病菌って、全身の健康にも影響する怖いものなのですね。ぜひ、ウーロン茶でお口の中を衛生的にしておきましょう。

ウーロン茶の味が苦手で飲めないという人でも、温かいウーロン茶でお口をゆすぐだけなら、すぐ実行できそうですね。

細菌も脂肪も洗い流す!ウーロン茶ポリフェノールはすごかった!

ウーロン茶が身体に良いことは広く知られていますが、今回は、より具体的にその効能をお話してきました。

ウーロン茶に含まれるポリフェノールが、他のポリフェノールとは違う構造で、より効果的であることは覚えておきたい情報ですね。そのおかげで、肥満予防や虫歯予防、歯周病菌などを撃退する効果まで期待できるとは、そのパワーはかなりのものです。

ウーロン茶ひとつでお肌やお口の中から全身まできれいになれるなんて、すごく手軽でうれしいですよね。セットドリンクや寝る前に、意識的にウーロン茶を取り入れてみてはいかがでしょう?

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