全国のユニークな病院をご紹介

新潟県のユニークな病院!全国初の仏教系ホスピス・ドクターカー導入

新潟県のユニークな病院!全国初の仏教系ホスピス・ドクターカー導入

日本のほぼ中央に位置する新潟県には、ユニークな病院があります。

キリスト教を背景にするホスピスはよく聞きますが、仏教を背景にするホスピスがあることもご存知ですか?全国で初めてとなる仏教系のホスピスは、新潟県の長岡西病院にあるんですよ。

また、日本海側でいち早くドクターカーを導入したのも新潟県。新潟市民病院と新潟市消防局の連携によって、ドクターカーは運用されています。

この記事では、長岡西病院と新潟市民病院の取り組みや特徴について紹介します。

全国初の仏教系ホスピス開設!長岡西病院

長岡西病院は全国で初となる、仏教の知恵を取り入れたホスピス※(緩和ケア施設)を開設。

ホスピスとは

悪性腫瘍や後天性免疫不全症候群緩和などの痛みを緩和することを目的とした施設。緩和ケアを行うことを主な目的とする。

ホスピス自体の設立も早く、全国に約200以上あるホスピスのなかでも9番目に厚生省から認可を受けました。

長岡西病院の特徴を確認してみましょう。

長岡西病院の特徴
  • 「長岡医療と福祉の里」基幹病院
  • 全国初の仏教系ホスピス

長岡西病院の属する崇徳会では「長岡医療と福祉の里」という取り組みを実施。各施設の連携によって診察から入院、退院後のサポートまでを行います。長岡西病院は、その取り組みの基幹病院として各施設のサポートを行っているんですよ。

仏教を背景にする全国初のホスピス「ビハーラ病棟」

ビハーラ※病棟の開設は1992年、全国で初めての仏教を背景にしたホスピスです。

ビハーラとは

サンスクリット語で、「休息の場・寺院・身心の安らぎ」といった意味を表す。仏教を背景にする終末期医療の場を指す呼称として、社会福祉学者の田宮仁氏が提唱。

キリスト教を背景にするホスピスは多いですが、仏教を背景とする施設は片手で数えられるほど。

仏教を背景としたホスピスですが、特定の宗教を布教することはありません。そのため仏教徒ではない患者も多いです。あくまでも「その人らしい人生の締めくくり」ができるようなケアを行うことを目的としています。

長岡西病院のビハーラ病棟では次のような取り組みを行っています。

ビハーラ病棟の取り組み
  • ビハーラ僧の配置
  • 勤行(ごんぎょう)※の実施
  • 仏教行事の実施
※お経を読む、手を合わせるなど

ビハーラ病棟では医師や看護師などの医療スタッフ、そしてビハーラ僧が在勤。そのため、患者はビハーラ僧に相談をしたり勤行への参加などをすることができます。もちろん、勤行や仏教行事などへの参加、不参加は自由です。

新たな形で終末期医療に取り組む、長岡西病院の今後の活躍にも注目ですね。

長岡西病院の基本情報
住所 新潟県長岡市三ツ郷屋町371-1
最寄り駅
(所要時間)
JR長岡駅
(車で10分)
看護部HP 長岡西病院 看護部
勤務体制 3交替制
病床数 約240床

緩和ケアを行うホスピス看護師について知りたい方は「ホスピス看護師とは!患者としっかり向き合いたい人にぴったりの仕事」を参考にしてください。

日本海側初のドクターカーを運用!新潟市民病院

新潟市民病院内「新潟市救急ステーション」は、日本海側で初めてドクターカーを導入しました。

新潟市民病院は、地域がん診療連携拠点病院や地域医療支援病院に指定されていて、WHOとUNICEFからは「赤ちゃんにやさしい病院」という国際認定も受けているんですよ。

幅広いフィールドで活躍している新潟市民病院の特徴はこちら。

新潟市民病院の特徴
  • 地域がん診療連携拠点病院
  • 地域医療支援病院
  • 赤ちゃんにやさしい病院認定
  • 日本海側初のドクターカー導入

地域がん診療連携拠点病院に指定されている新潟市民病院は、手術支援ロボット「ダヴィンチ」※も導入しています。

手術支援ロボット「ダヴィンチ(ダヴィンチサージカルシステム)」とは

アメリカ軍が戦地で負傷した兵士を遠隔治療するため、メーカーに依頼し開発したロボット。医師は患部の立体画像を確認しながら、遠隔操作でアームを操り手術を行う。傷口が小さいため術後の疼痛が少なく、回復が早いなどのメリットがある。

次は日本海側で初めて導入された「ドクターカー」について見ていきましょう。

ドクターカーで現場へ出動!救命率向上を目指す

新潟市民病院内には、新潟市消防局によって「新潟市救急ステーション」が開設されています。救急ステーションの機能は次の4つです。

新潟市救急ステーション4つの機能
  • 病院前救護の質の向上を図る
  • 救急隊員の教育
  • 感染症患者を速やかに搬送する
  • 応急手当などの普及活動を行う

病院前救護の質の向上のために導入されたのが「ドクターカーシステム」です。新潟市消防局と新潟市民病院が連携して、24時間体制で運用。

ドクターカーの目的は医師や看護師が迅速に現場に出動し、いち早く診療・治療を開始することですが、新潟市救急ステーションのドクターカーにはもうひとつの目的があります。

ドクターカーで医師が現場に向かうことで、速やかな判断、他院への的確な病状の伝達を行うことが可能に。医師の適切な判断により、新潟市民病院以外の現場に近い医療機関、かかりつけの病院に患者を搬送することもできるようになりました。

新潟市救急ステーションのドクターカーは、約4回のうち1回は他院への搬送を行っています。

「早期の治療開始」「搬送先の選択肢選定」ドクターカーは、重要な役割を担っていることがわかりますね。

新潟市民病院の基本情報
住所 新潟県新潟市中央区鐘木463-7
最寄り駅
(所要時間)
新潟駅南口
(車で15分)
看護部HP 新潟市民病院 看護部
勤務体制 3交替制
病床数 約700床

新潟市民病院は地域医療支援病院として、入院支援や退院支援にも力を入れているんですよ。退院調整を行う退院看護師について詳しく知りたい人は、「患者の退院を支える退院調整看護師!気になる支援や調整の流れを紹介」をチェックしてください。

新潟の先駆的な取り組みを行う病院に注目!

新潟には先駆的な取り組みを行う病院がありましたね。

全国で初めて仏教を背景にするホスピスを開設した長岡西病院は、終末期医療の新たな形に挑戦しています。

また、長岡西病院の属する崇徳会が行う「長岡医療と福祉の里」という取り組みのなかでも基幹病院として活躍中です。

新潟市民病院は新潟市消防局と連携してドクターカーを運用。災害医療にも力を入れており、東日本大震災や中越沖地震などが起こった際は、DMATの派遣も行いました。

終末期医療から救急医療まで、新潟には「いざという時」に頼りになる病院がありますね。新潟県の病院のこれからの取り組みにも注目です。