看護師さんの病院以外の就職先

看護師が活躍できる老人ホームでの仕事内容と気になる年収

看護師が活躍できる老人ホームでの仕事内容と気になる年収

若いうちは残業だろうが、夜勤だろうががんばって働けたものの、そろそろ病院での慌ただしい仕事が苦になってきた看護師の方はいませんか?

もう夜勤は働きたくないし、できれば残業も少なめの仕事がいいと転職を考えているのなら是非紹介したい職場があります。看護師資格を活かせる仕事として今後需要が大きくなると予想されているのが老人ホームなのです。

みなさんも知ってのとおり、日本は少子高齢化が進んでいますよね。この先、高齢者はどんどん増え続けて2030年には3人に1人は高齢者になると言われています。高齢者の割合が増えれば老人ホームや介護施設も増えていくのは簡単に予想できます。

看護師の活躍の場が増えるのは良いことですが、老人ホームでの仕事っていったいどんな感じなのでしょうか?そこで、今回は老人ホームへ転職を検討している看護師の方へ、老人ホームでの働き方や待遇など、気になる部分について紹介したいと思います。

ここで紹介する情報を参考に、老人ホームへの転職も選択肢の1つに加えてみてください。

老人ホームと病院の大きな違いは医師が常駐していないこと

病院で働いている看護師からすると、老人ホームでの仕事はなかなか想像できないかもしれません。そこで例として、まずは現在老人ホームで働いている看護師の1日のタイムスケジュールから紹介しましょう。

老人ホームで働く看護師の1日のスケジュール

時間 仕事内容
8:45 出勤
9:00 朝礼、夜勤者から連絡事項確認
9:30 巡視、バイタルチェック
11:00 受診同行、服薬など
12:00 休憩
13:00 巡視
14:00 バイタルチェック
15:00 受診同行、歯科診療など
16:00 データ入力、報告書作成
17:00 巡視、上長への業務報告
18:00 退社

有料老人ホームで働く看護師Aさんのタイムスケジュール

病院から老人ホームへ転職した看護師のAさんですが、仕事内容の違いはそれほど気にならなかったそうです。バイタルチェック、食事や薬の管理など、病院と同じような仕事内容ですが、高齢者ばかりを相手にするので、病院のときに比べて介助の割合が大きくなる程度でしょうか。

仕事のペースも病院のときよりゆったりと感じ、残業が少なかったり夜勤がないのは生活にゆとりも出て転職してよかった点だと言えます。

老人ホームに転職して大きく感じたのが責任感と判断力

老人ホームと病院の違いはそれだけではありません。

転職して一番大きく変わったと実感したのは、責任感と判断力でした。

病院ではすぐ相談できる距離に医師や先輩看護師がいますが、老人ホームでは医師も常駐していないし、看護師の数も病院に比べてとても少ないのです。

施設の利用者に何かトラブルがあった場合は、薬を飲ませたり病院に連れて行ったりと自分で判断するケースが多々あります。相手は高齢者ばかりなので、正しい判断をしないと命に関わることも十分にあり、細心の注意が必要です。

老人ホームには医師が常駐していないこと、これが一番大きな違いです。

そのため、老人ホームへ転職する場合は、その前に病院で十分なキャリアを積んでおくほうがよいでしょう。

何かあった場合の緊急時は、連携の取れる病院や医師が施設ごとに決まっているので、仕事を始める前に確認しておきましょう。

老人ホームは大きく分けて3種類!施設の目的の違いについて

看護師が活躍できる老人ホームは大きく分けて3つあります。それぞれの施設で利用者に対してどんな役割を担うかが違うため、職場を選ぶ前にまず違いについて理解しておきましょう。

  • 特別養護老人ホーム
  • 有料老人ホーム
  • 介護老人保険施設

利用者がどんな健康状態で、何を目的に施設を利用しているのか、夜勤はあるかないかなどの各施設の特徴について説明しますので、転職する際の参考にしてください。

特別養護老人ホーム

運営母体 社会福祉法人や地方公共団体
入所対象 要介護認定を受け、在宅介護が困難な65歳以上の高齢者
施設の目的 介護の必要な高齢者が生活する場所で、介護サービスを提供する
看護師と利用者の割合 看護師1人につき約33人の利用者
勤務の特徴 ・健康管理
・日勤のみ(オンコールあり)

通称「特養」と呼ばれる公共の老人ホームで、民間の老人ホームより低料金で利用できるため人気が高く、場所によっては数百人以上の待機者がいる施設もあります。

入居資格として要介護3~5の認定が必要で、重度の要介護状態の利用者が多いのが特徴です。

入居後に要介護1~2に下がった場合は、退去する必要があります。

要介護認定とは

介護保険制度で、被保険者が介護を必要とする状態であることを、保険者が認定するものです。介護の必要度によって軽度の「1」~重度の「5」にランク付けされます。

特別養護老人ホームには寝たきりなど体が不自由な利用者も多いため、力仕事が得意な男性看護師の需要が高まりつつあります

老人ホームによっては看護師が力仕事を極力行わないようケアスタッフとの役割を明確に分けている施設もありますので、事前に仕事内容について確認しておきましょう。

有料老人ホーム

運営母体 民間企業
入所対象 介護が必要な方から自立した方まで、施設によって異なる
施設の目的 高齢者の食事や介護など、日常生活をサポートする
看護師と利用者の割合 看護師1人につき30人の利用者
勤務の特徴 ・健康管理
・日勤のみ(オンコールあり)

全国に7,000以上の施設があり、22万人以上の高齢者が利用しています。

移動や食事に介助の必要な利用者もいますが、特別養護老人ホームと違って健康体の方も多いのが特徴的です。

看護師の仕事は利用者の健康管理や介助が主で、特に内服管理と食事管理は重要な仕事となります。毎日同じ時間に決められた内容で食事や薬が出されているかチェックし、病状の悪化や薬の誤飲を防ぎます。

残業や夜勤がなく病院と比較すると業務量は少な目ですが、民間企業が運営しているため、働き方や給料は施設によってバラバラです。

老人ホームというと、施設に入所してそこを生活の場として過ごすのがイメージしやすいですが、現在は1ヶ月以内に限定して宿泊するショートステイや、自宅まで送迎が来て昼の間だけ利用するデイサービスという利用形態もあります。

介護老人保険施設

運営母体 都道府県
入所対象 要介護の認定を受け、在宅介護が困難な65歳以上の高齢者
施設の目的 リハビリを中心とした医療ケアや介護が中心で、在宅復帰をサポートする
看護師と利用者の割合 看護師1人につき約11人の利用者
勤務の特徴 ・医療処置
・健康管理
・医師が常駐
・夜勤あり(24時間)

老人ホームの中でも医師が常駐し、医療行為を行っているのが介護老人保険施設です。通称「老健」と呼ばれ、入居には原則65歳以上で、要介護1以上の介護認定が必要となります。

施設内には医師、看護師のほか、リハビリを目的とした理学療法士や管理栄養士などの専門スタッフが利用者の自宅復帰を目標にサポートしています。

基本的にリハビリを必要とする人が利用する施設なので、看護師は医療に接する場面も多いでしょう。利用者の入所期間は長くても1年未満であるため、特別養護老人ホームや有料老人ホームなどと比べると職場環境的には病院に近い施設と言えます。

夜勤もあるため、夜勤を理由に病院からの転職を考えている人は、介護老人保険施設は転職先としておすすめできません。

細かい違いを含めると、施設の種類はもっと細分化することができます。

自分に合った働き方ができる職場はきっと見付かりますので、規模や勤務時間、仕事内容など求人広告から情報を読み取りましょう。

老人ホームで働く場合の年収は平均380万円!

老人ホームで働く場合の年収は、看護師の平均年収である470万円より下回ります。

夜勤が多かったり、高級老人ホームなどの特別な理由がない限り、病院で働いた場合の年収を超えることはありません。

老人ホームを運営する企業や勤務体系によって年収はバラバラで、300万円以下の施設もあれば500万円以上の場合もありますが、基本的には夜勤や残業がほとんどないため、平均380万円ぐらいです。

残業や夜勤のある職場なら給料もそれなりにもらえますが、そのような施設ではお風呂やおむつの交換など、利用者の介護も必要になるため楽に稼げるとはいかないようです。

老人ホームで働く看護師の全国平均は約27万円ですが、地域差もあるため金額の幅で見るとだいたい25~30万円ぐらい、東京都の求人だと30万円を超える有料老人ホームもあります。

老人ホームの職場内でも介護スタッフと看護師では年収が違い、看護師は優遇されているので、病院勤務よりは下がっても他の職種と比べればまだまだ稼げる職場です。

老人ホームで働くメリットは、1人1人に合った看護を行えること

老人ホームで働くメリットは、施設の利用者と時間をかけてじっくり向き合えるという点です。病院では治療が終わって退院するまでの短い期間しか患者さんと向き合える時間がありません。

そのため、その患者さんが何に対してサポートが必要かということを理解した頃にはもう退院というケースも少なくないですよね。

しかし、老人ホームの場合は入居開始から看取りまでの長期間看護することになるので、相手のことをよく理解し、自分に何ができるか1人1人に合った看護をすることができます。

また残業が少なく、定時で帰れる点も魅力的です。病院と比べると老人ホームはセカセカと時間に追われるような職場でもないので、生活にゆとりを持つことができるでしょう。

病院では慌ただしく仕事をして患者さんもコロコロ変わるから、1人1人にかける時間って短いようにも思えるけど、老人ホームは全く違います。

じっくり時間をかけて向き合えるから、まるで家族のような繋がりが持てるんです。

老人ホームで働くデメリットは医療現場から離れてしまうこと

しかし、老人ホームでの仕事はメリットだけではありません。学生時代から勉強してきた医療に関する技術は病院ほど使う機会がなくなってしまうため、当然のように鈍ってしまいます。

医療技術の点から見れば老人ホームで働く場合、なかなか進歩はできずに衰えてしまうケースが多いと言えます。

老人ホームでの仕事が慣れてから病院へ戻るようなことがある場合、医療技術の進歩や仕事のスピードについていけなくなってしまうデメリットがあるでしょう。

また、仕事内容に関してはルーティン作業が多く、利用者の入れ替わりも少ないため、もし転職した先の老人ホームが自分に合わないと感じた場合、その状況が病院より長く続くと心得ておいたほうがよいですね。

老人ホームでのお仕事は利用者もなかなか変わることはないし、毎日同じことの繰り返しが多く退屈しそう。

でもそれがいいという人には、逆にメリットになり得ますよね。

仕事もプライベートも充実させたい人におすすめの老人ホーム

老人ホームで働くメリット・デメリットについてまとめてみました。

【老人ホームで働くメリット】

  • 夜勤、土日出勤が少ない
  • 残業が少なく、定時で帰れる
  • 病院ほど忙しくなく、ゆったりしている
  • 利用者1人1人とじっくり向き合える
  • ブランクがあっても大丈夫

【老人ホームで働くデメリット】

  • 収入が少なくなる
  • 医師が常駐していないので、判断に困る
  • 看護師が少ないので周りに頼れない
  • 力仕事など、看護以外の仕事もある
  • 医療技術の進歩についていけなくなる

老人ホームは病院ほど忙しさはないため、仕事もプライベートも充実させたいと考えている看護師にはおすすめの転職先です。

老人ホームは落ち着いた時間を過ごせる分、利用者1人1人との時間も十分にとれ、高齢者の介護分野にまでキャリアを広げることができるやりがいのある職場です。

民間企業が運営している有料老人ホームは、現在も増加傾向にあるため、看護師の求人もこれから増えていくことが予想されます。

老人ホームの推移

少子高齢化で高齢者が施設を利用する需要は年々増えています。

収入が減るなどのデメリットはありますが、将来的に見て老人ホームでのお仕事は長期で働けるし、安定した収入を得る良い職場と言えるでしょう。

自分の条件に合った老人ホームの探し方

勤務体系や給料などの待遇は施設によってバラバラなので、求人広告を1つ1つ見ていくのは大変ですが、看護師の転職をサポートしてくれる転職エージェントというサービスもあるので、老人ホームの求人を探すのが面倒という方は、一度転職エージェントに相談してみてください。

看護師の転職サイトに登録すると転職エージェントのサービスを受けることができます。自分が働きたい条件を相談しておけば、マッチする求人を定期的に連絡してもらえるので、転職活動も全く苦になりません。

老人ホームでの仕事に興味が出てきたら、通勤できる範囲で求人を行っている老人ホームの仕事内容や待遇について転職エージェントに質問してみましょう。