科別の看護師さんの仕事をご紹介

子ども好きの就職希望者殺到!?看護師が小児科で働くには?

子ども好きの就職希望者殺到!?看護師が小児科で働くには?

子どもは好き、触れ合いたいと思いますか?看護師の仕事の中でも、毎日子どもと触れ合うことができるのが、小児科です。

子ども好きにはたまらないという、小児科での勤務。子どもが苦手な人には敬遠される科ではありますが、好きな人だと妊娠出産などの人生の転機を迎えても、ずっと小児科で働き続けるという人も多いくらい、離職率の低い科でもあります。

でも好きってだけじゃ、やっていけないのがお仕事というもの。

今回は、この小児科について、どうしたら勤務できるのか、どんな特徴があるのか、メリット、デメリットについてまとめてみました。

経験者じゃないと採用不可!?小児科で働くには?給料は?

まずは気になるのが、お給料や、就職するのにどんな条件が必要になるのかですよね。

さっそく、採用条件などを確認していきましょう!

経験者でないと採用は難しい!小児科の狭き門

小児科に就職するには、何と言っても子どもが好きであることが第一条件になります。しかし、それは置いておくとして、実際の採用では経験が物を言います。

具体的な条件として、次の2つが挙げられます。

小児科採用の条件
  • 小児科経験者優先
  • 小児科の経験豊富ならなおよし

経験者でなければ絶対に採用されない、という訳ではありませんが、人気の高い科なので、経験者が優遇して採用されることがとても多いです。

特に個人病院や小児医療専門病院、クリニックなどではその傾向が強いです。

もしも未経験での小児科勤務を希望するのであれば、総合病院で小児科異動の希望を出して、経験を積むのが確実ですね。

離職率が低く求人倍率も高い!人気の訳は「正社員」!?

小児科は子ども好きにはたまらない職場なので、離職率がかなり低いのが特徴です。そのため、逆に言えば求人数はとても少ないので、求人倍率がとても高くなってしまいます。特に個人病院などの小さなクリニックではスタッフの入れ替えが少ないので、余計に小児科勤務のハードルは高いと言えるでしょう。

その点で言えば、入れ替えの少ないクリニックや小児医療専門病院よりも、総合病院の方が後で配属変更できるという点で、小児科に入りやすいという特徴があります。

離職率が低い理由の訳には、子どもが好きだからという他に、他の科に比べて正社員採用が多いからということもあります。

クリニックなどの小規模病院では、看護師はパートで雇う場合が多いですが、小児科に限っては正社員での採用がとても多いため、離職率が低く、人気が高まるんですね。

総合病院では単科配属は難しい!?

小児科のみの単科配属で働きたい場合、大きな総合病院ではそれが叶わないことが多いです。というのも、小児科は季節によって患者数の増減が激しく、患者数の少ない時期は仕事の少ない看護師が増えてしまいます。

これを解消するため、内科などの季節を問わず忙しい科と複合配属されることが多いため、小児科だけに意識を集中することができません。

もしも、小児科単体で配属を希望する場合には、狭き門にはなりますが、小児科単体で行っている個人病院か、大学病院の専門科や、小児医療専門病院に入る他ありません。

小児病棟だけで働きたい、という場合には、総合病院は叶わない場合が多い、というのを覚えておいてくださいね。

病院以外でも活躍できる!?保育園の看護師って?

病院の小児病棟で働く、という以外にも、子どもと触れ合いながら看護資格を活かして働くことのできる職場があります。それが、保育園の看護師勤務です。

保育園での勤務は、通常の病棟勤務と異なり、仕事の内容や条件が少し特殊です。

保育園勤務の特徴
  • 土日休みが多い
  • 給料は20万以下と少し低め
  • 業務はほぼ熱とケガの手当、服薬の管理のみ
  • 保育士の補助も行う
  • 新人看護師でも可能

病棟勤務に比べて、処置の範囲が熱やケガ、服薬管理に限られるので看護師の仕事としては、かなり楽な方に入りますが、その代わりに、一般の病棟で勤務するよりもかなり給料が低い、というデメリットがあります。

また、通常の小児科の求人は他の科に比べて少ないのが特徴ですが、保育園の看護師募集は、それに輪をかけて求人数が少ないことも特徴の一つです。

また、この保育園勤務の看護師は、保育士の補助をすることもあるため、看護師資格だけでなく、保育士の資格も持っていると、就職に有利になる場合もあります。

仕事量が少なめなので、久々に看護師として復帰する方にも人気の職ですが、求人数も少なく、応募者も多いので見かけたらすぐに応募しないと就職できない幻の職ですね。

給料は平均的!でも夜勤で稼ぎたい放題!?

小児科の看護師の給料は、特に手当がつくわけではないので、一般的な他の科の給料と変わりありません。

平均的な給料の額
勤務様態 平均的な給料
日勤のみ 20~25万円
夜勤あり 25~30万円

ただし、これよりももっと稼ぎたい、という場合には、夜勤で稼ぐ方法がない訳ではありません。

NICU(新生児集中治療室)やGCU(継続保育室、回復治療室)がある病院であれば、夜勤の72時間ルールが除外されるので、夜勤をガンガン入れればそれだけ給料を稼ぐことができます。

非公開求人が多い!?転職サイトに登録した方が有利!

転職を希望する人は、転職サイトを閲覧する人も多いでしょうが、小児科の場合、転職サイトにはきちんと登録した方が有利になります。

実は、転職サイトの求人のうち、小児科の公開求人は全体の2割程度と言われており、全体の8割は非公開求人なんです。

というのも、小児科はもともと人気が高い科なので、求人情報を公開すると、特に条件の良い職場であればあるほど応募が殺到してしまうんですね。過剰な応募を避けるためにも、未登録者には非公開求人として、逆指名や個別紹介などで情報を公開しているのです。

このため、希望する小児科への勤務地や応募条件などの求人情報をしっかりと見るためには、転職サイトへの登録が必須になります。

求人サイトでは、様々な職を一括して検索・閲覧することができますから、小児科の情報だけでなく、保育園の看護師募集なども閲覧することができます。資格や年齢条件などを入力さえすれば、子どもと触れ合える仕事も他にも探す事ができるので、有効活用したいところです。

転職サイトでは、登録すれば逆指名制度※などもあるので、小児科勤務希望の場合でなくても、登録しておいた方が有利ですね。

逆指名制度とは

通常は求職者が、会社に応募しますが、求人サイトに登録されている履歴情報を元に、求職者に対して会社側から就職の誘いをかけることを、逆指名制度といいます。求人サイトによって、逆指名制度があるところや、ないところもあるので、逆指名は困る、または逆指名して欲しいという場合には、各サイトの利用方法をきちんと調べておくと良いでしょう。

小児科は、給料面では他の科と変わりませんが、正社員登用率が高いことや子ども好きな人にはうってつけということもあり、かなり人気の高い科です。

また、総合病院では小児科だけの単価配属が難しいので、小児科だけで働きたい場合は個人病院か、大学病院の専門科などでの勤務を希望すると良いでしょう。保育園の看護師勤務というのも手です。

小児科は求人倍率が高く、非公開求人が多いので、転職サイトへの登録は必須ですね。

小児科ならではの特徴は?身につけた方がいいスキルは?

小児科は特殊だとよく言われますが、どんな特徴があるんでしょうか。また、身につけておいた方が便利なスキルには何があるのか、チェックしていきましょう。

当たり前!?0歳からの子どもの病気全てを扱う!

小児科の大きな特徴は、2つあります。

小児科の特徴
  • 全ての病気・怪我を扱う
  • 0歳~思春期の子ども全てを診る

小児科は、成人の科のように、内科・外科・神経科など科が別れておらず、子どもであれば誰でも小児科を受診します。つまり、軽い風邪から重病まで、そして外傷も全て小児科で診ることになります。

このため、全ての科の幅広い知識が必要となります。また、成人にはない子ども独特の病気もあるため、まんべんなく他の科の知識があったとしても、小児科では学ぶことがたくさんあります。

幼いうちに受けるBCGなどの予防接種も、子どもならではの医療の一つですね。

そして難しいのは、0歳の赤ちゃんから思春期の子どもまで全ての子どもが対象であるということです。0歳の赤ちゃんの病気と思春期くらいの子どもの体は、言うまでもなく全く違いますから、その対応にも違いがあります。

全ての病気を扱う上、体の作りも少しずつ違う患者を扱う小児科は、その扱う知識の幅広さが特殊だと言えるでしょう。

看護師以外でも!?資格を持っていると転職に有利!

それぞれの科には、科に特化した有利になる資格がありますが、小児科にも取っておいた方が有利になり、仕事がスムーズにできる資格があります。

小児科で有利な資格
  • 小児救急看護の認定看護師
  • チャイルドマインダー
  • 保育士

小児救急看護の認定看護師の資格は、看護師の実務経験5年以上に加え、小児科での実務経験が3年以上必要になるので、まだ小児科で働いたことがないけど働きたい、という人には不向きな資格ではあります。

また、小児看護専門看護師課程を修了している必要があるので、看護学校に再度通う必要があり、難易度の高い資格でもあります。ただし、病院が資格取得支援をしているところがあり、学費などを免除してくれるところもあるので、取得検討の価値はあるでしょう。

チャイルドマインダーと保育士資格は、子どもを保育するために必要な資格ですが、チャイルドマインダーは特に少人数の保育サービスを行うために必要な資格で、保育士資格よりも難易度の低い資格になります。

いずれも子どもを保育するための資格なので、小児科勤務で有利になることは間違いありません。

コミュニケーション能力必須!親との対応がメイン!?

小児科は、もちろん子ども相手に医療を行なう現場ですが、忘れてはならないのが、保護者である親を相手にするということです。

思春期くらいの子どもであれば、一人で病院に来ることもあるかもしれませんが、幼い子どもであれば、まず一人で来ることはなく、病気の説明自体も患者である子ども本人よりも、親への説明や対応が多くなります。

親ではなく、祖父母という場合ももちろんあるでしょう。

特に入院を伴うような場合には、親とのコミュニケーションが相当重要になってきます。子どもとのコミュニケーションはもちろん、親世代、祖父母世代の人、つまり老若男女とわず、対応する必要があります。

このため、高いコミュニケーション能力を持っていることが、必須になります。子どもは好きだけど、親は対応できない、というのでは小児科勤務は難しいですね。

冬が特に忙しい!季節によって患者数が全然違う!

小児科は全ての病気を扱う科ではありますが、一般的に多いのは、風邪やインフルエンザ、または子ども特有の病気や怪我での受診が主です。

特に風邪は、冬になると患者数が増えてきます。そしてインフルエンザの予防接種やインフルエンザの治療のため、他の季節に比べて、特に忙しくなります。

その他にも忙しい時期、暇な時期は次の通りです。

小児科の繁忙期・閑散期
時期 忙しさ 理由
1~3月 繁忙期 インフルエンザの流行・春休み・慢性疾患の定期健診
4~7月 閑散期 新学期等で忙しい
8月 繁忙期 夏休み
9~11月 閑散期 新学期で忙しい
12月 繁忙期 インフルエンザの流行・冬休み

「子どもを相手にすること」に特化したスキルが必要

成人の患者に比べ、子どもを相手にすることに関しては、身につけておくととても仕事が楽になるスキルがたくさんあります。

小児科で役立つスキル
  • 子どもをあやす
  • 子どもをなだめる
  • 子どもがいうことを聞いてくれる言い回しを知っている
  • イラストがかける
  • とても細い血管への注射・採血
  • うまく話せない子どものサインを読み取る
  • 赤ちゃんが寝かしつけられる
  • 食事の介助ができる
  • 歌が歌える

どうでしょうか、ぱっと見て、注射・採血以外はもうほとんど保育士のような技術ですね。

イラストや歌は、子どもにせがまれた時にさっとできると子どもが素直に言うことを聞いてくれることが多くなります。

また、小技として点滴を抑えるガーゼに子どもの好きなイラストを描いてあげ、ガーゼを剥がさないように約束させる看護師も多いです。

言い回しを工夫すれば、例えば「心臓の音聞くよ」が「もしもしするよ」とか「おばけはいるかな?」なんていい回しにするだけでおとなしく聴診器を当てさせてくれるということもあります。

これらのスキルは絶対に必要、という訳ではありませんし、徐々に身についていくものですが、身につけて入ればいるほど、小児科での勤務が楽になるのは言うまでもありません。

小児科は、0歳から思春期までの子どもの病気やケガを全て対応するので、幅広い知識と技術が必要です。

幅広い科の知識はもちろん、子どもを上手にあやすスキルや、親を始めとした保護者の対応をするために高いコミュニケーションスキルも必要です。

また、冬や夏休みに患者数が増える、というのも小児科の特徴の一つですね。

やっぱり子どもの相手が楽しい!小児科のメリットは?

次は小児科ならではの楽しさ、メリットをチェックします。これがあるからこそ辞められない!という小児科の魅力を知りましょう。

やっぱり子どもの笑顔が一番の活力!辛くても頑張れる

小児科の一番の醍醐味と言えば、やはり子どもと触れ合い、子どもの世話をすることでしょう。

覚えることが多く、辛いことも多い小児科の勤務ですが、子どもと触れ合え、笑顔を見られる、そのことが一番の原動力になるようです。

また、病気や怪我で入院・通院していた子どもが、治ると笑顔で帰って行くのは、少しさびしいけれどその笑顔にまた頑張ろうと思えます。

しかも、0歳の赤ちゃんから思春期の子どもまで、幅広い年齢の子どもと触れ合えるので、その喜びは大きくなります。

子どもの世話で観察力が身につく!

子どもはうまく自分の思っていることを、言葉で表現できない場合が多くあります。

例えば、同じお腹が痛い場合でも、重く痛むのか、刺すように痛いのかなどの痛さの違いや、お腹でも奥の方なのか、手前の方なのか全体的に痛いのかなど、細かい違いを子どもは言葉にすることが難しいです。

また、痛いと思っていても言葉自体話せない赤ちゃんもいます。そんな相手でも、わずかなしぐさやサインを見逃さないように努めるので、小児科勤務では観察力を養うことができます。

この観察力は、次のような場面で役に立ちます。

観察力が役立つポイント
  • 容体が急変したとき
  • 子どもが口に出せない隠れた症状に気づく
  • 容体が変化するときの前兆に気づく

この観察力は、別の科でも役に立つ技術ですよね。

どんな血管でも注射がラクラク!技術力・知識力の向上

小児科は全ての病気を扱うので、内科・外科など科を問わず、全ての科の知識の幅が広がります。これは小児科から別の科に移るときや、小児科と別の科を兼任する時にとても役に立ちます。

また、子どもの体はとても小さいので、脈をとるのや注射、採血がとてもむずかしいですね。

もしも、赤ちゃんの大人から考えたらとても細くて、わかりにくい血管に難なく注射や採血ができるようになれば、大人の注射・採血なんて怖いものなしですね。

しかも赤ちゃんなど、年齢が低ければ低いほど、注射や採血の時に暴れがちなので、どんなベテランの看護師でも失敗することがあります。

そんな子どもや赤ちゃんの採血を、素早く失敗なしにできるように努力することは間違いなく、技術力の向上に役立つでしょう。

小児科勤務の一番にして最大のメリットは、子どもとのふれあいが楽しいことです。これがあるからこそ、続けられるという看護師の方は多いでしょう。

また、小さな子どもは血管も細く、暴れたりしがちですが、こういう患者への注射や様々な処置をスムーズに行えることは、技術力の向上につながります。

同時に、うまく気持ちを言えない子どもの世話を通して、口にしづらい症状の変化を見出す観察力も身につくというメリットがあります。これらの技術は、小児科から他の科に転属しても、必ず役に立つことでしょう。

患者だけじゃなく親の相手も…小児科のデメリットは?

特徴やメリットはわかりましたが、小児科勤務は楽しいことばかりではありません。むしろ、デメリットが多いこともあります。

良いことばかりじゃないのが、お仕事というものです。小児科の仕事のデメリットを確認していきましょう。

親の対応が難しい!子どもが幼いほどその対応は大変?!

成人の患者と違い、子どもの診察の際には、保護者への病状の説明をする場合がほとんどです。成人患者の場合でも、患者自身が年配であったり、病状が重い場合には家族に説明をすることがありますが、「患者が子どもである」ということで、その対応は一気に難しくなります。というのも、まだ長い将来が待ち構えている子どもの病気や怪我は、成人した家族以上に親をはじめとした保護者はとても心配するからです。

例えば怪我ひとつとっても、傷が残るのかどうかを親は気にしますし、親の不注意で怪我をさせてしまった場合には、親は自分の失態にナーバスになっていて、子ども以上に対応しづらい相手になってしまいます。

入院している子どもの場合には、必ず親などの家族が付き添いで泊まりこみますから、その対応にも追われます。

特に重病の場合、年配の患者なら家族もある程度の諦めがありますが、子どもが重病にかかってしまった場合には、将来が潰れるのではないかと親はとても心配するため、親の心のケアも場合によっては看護師が行なうこともあります。

子どもが幼ければ幼いほど、親への対応は難しくなるので、覚悟する必要があります。

子どもだからこそ問題を起こす!成人では考えられないことは?

子どもの患者は、時に成人の患者では考えられないような問題を引き起こすことがあります。

子ども特有の問題
  • 点滴を抜いてしまう
  • 泣いて暴れて手がつけられない
  • 注射から逃げる
  • 採血や注射の最中に針を抜いたりする
  • 殺されるなどと騒いで逃げる

いかがでしょうか、大人では考えられないようなことですよね。年配の患者さんの場合、ボケのために病棟を徘徊したり、病室を脱走したりということもありますが、普通は考えられないようなことですよね。

特に点滴を抜いたり、点滴の途中のチューブを抜いてしまったりすると、とても危険なので、事前に触ったりしないように十分にいい含めておく必要があります。

手術が怖くて、殺されるなどと騒ぐ子どもだって珍しくありません。声が大きいだけならまだ笑い話ですが、それに合わせて手のつけられないほど暴れられると、治療も危ない上、他の診療にも差し障りが出ますね。

しかも、子どもの血管や神経はとても細いので、少し暴れるだけで、注射や治療の失敗につながりかねません。

こんな風に、可愛いばかりではない子どもの行動に悩まされるのがデメリットの一つです。

容体急変!?小さなサインを見逃すと大変なことに…

子どもはうまく自分の症状を説明できない上、しゃべることすらできない事すらあります。

このため、意思疎通自体が難しく、正しい容体を把握することが難しい場面が多々あります。

容体をきちんと答えられて、自分で意思表示できる大人は急な容体の変化も察知しやすいですし、患者自身が申告できるので、事態が深刻化することは子どもに比べて少ないでしょう。

子どもの体は、新陳代謝が活発であるがゆえに、病気の容体変化も劇的です。少しのサインを見逃してしまうと、それが一命を左右する事態になることもあるでしょう。

そして、どんなに注意して診ていても、変わりやすい子どもの体調はサインすら見つけられず、重篤な状態になってしまうことすらあります。目の前で笑っているのに、次の瞬間にいきなり痙攣を起こして倒れるということだってありえるんです。

そして、小児科は子どもとふれあう場所ですが、医療の現場です。どうしても子どもの死と向き合う場面が、発生してしまうこともあります。子どもが好きだからこそ、病気の子どもの姿を診ることは辛いですが、しっかりと向き合わねばなりません。

とにかく、子どもの体調が変わりやすいこと、言葉は不自由な子どもの変化を見逃さないように張り詰めておかないといけないことが、ストレスやデメリットになりえるでしょう。

残業が多いかも!?病院の残業時間を要チェック

小児科は比較的、残業の多い科です。

小さなクリニックでも、診療時間ギリギリに急患が来たりなど、病院の規模に関わらず、残業は発生し得ます。

大体平均的に、2~3時間程度の残業が多いのですが、病院によっては残業の多い少ないは違うので、もしも残業をあまりしたくない、という人は、求人に応募する前にきちんと残業時間を把握しておく必要があります。

稼ぎたい場合でも、毎日2~3時間の残業では、下手すると12時間以上勤務先に居るわけで、モチベーションが下がってしまうこともありますよね。

残業時間はどの科でも多いのが課題ですが、小児科は特に多い傾向のある科なので、残業が嫌いな人には大きなデメリットになるでしょう。

小児科勤務でのデメリットと言えば、子ども好きで子どもをあやすのが問題ない、という人であれば保護者への対応と、ケアが難しい事が挙げられます。

また、点滴を抜いたりと、成人患者ではありえない問題を起こす患者に頭を悩ませることもあるかもしれません。

そして働く上で困るのが、他の科に比べて比較的残業が多い科であるということです。時間通りきっちり仕事を終わらせたい、という人にはあまり向いていないかもしれませんね。

子ども好きにはたまらない!小児科は離職率の低い人気の科

小児科の特徴は、いかがでしたでしょうか。

給料は平均的なのに、親への対応が難しかったり、子どものあやし方などを始めとして子どもならではの対応の難しさや全ての病気の知識が必要など、難しい局面が多い小児科。

ですが、幅広い知識を得られたり、他の科に比べて正社員登用が多い小児科は、なんと言っても子ども好きには子どもの笑顔が一番のガソリンのため、離職率の低い職場でもあります。

辛い場面も子どもとの触れ合いを栄養にして働ける小児科は、8割が非公開求人な上、求人倍率がとても高いので、転職しようと思ったら、まずは転職サイト、求人サイトへの登録と早め早めの行動が鍵になりますね。