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ツアーナースは旅行好き看護師におすすめ!転職サイトは複数利用して

ツアーナースは旅行好き看護師におすすめ!転職サイトは複数利用して

ツアーナース(旅行添乗看護師)はいろいろな観光地や名所を訪れながら仕事ができるので、旅行好きな看護師におすすめの仕事です。

多くの場合ツアーナースは単発のバイトという勤務形態なので、休日を利用して仕事をすることになります。

在籍中の病院で勤務を続けながら、普段と違った環境で看護できるのは嬉しいですよね。

医師の付き添いがなく、緊急時の対応は自分1人で行うため責任重大な仕事ですが、病院勤務での看護経験を活かせるのでやりがいもありますよ。ここではツアーナースの仕事内容やおすすめの働き方をご紹介します。

ツアーナースの仕事内容とメリット・デメリット紹介!

最初にツアーナース(旅行添乗看護師)の仕事について理解しておきましょう。旅行者に付き添い仕事をするツアーナースは、企業の行事や学校行事など、活躍の場もさまざまです。

ツアーナースが添乗するおもな旅行
  • 個人旅行
  • 修学旅行
  • 社員旅行
  • 合宿

またツアーナースには国内旅行だけでなく、海外旅行に添乗して勤務する看護師(海外旅行添乗看護師)もいます。最近では参加者の中に障がい者や高齢者がいる場合も、ツアーナースが添乗することが多くなっているんですよ。

それではツアーナースの仕事内容について、詳しく説明していきます。

ツアーナースは旅行参加者の健康管理を行う仕事

ツアーナースとは、ツアーや修学旅行に添乗して参加者の健康管理をする看護師です。「付添看護師」「旅行添乗看護師」とも呼ばれています。

ツアーナースは旅行中具合が悪くなったり、ケガをした人の対応をします。参加者の健康状態だけでなく心のケアも重要な仕事のひとつです。

全体的な業務の流れは次のとおり。

  1. 旅行の前日に打ち合わせを行う。
  2. 旅行に添乗し、参加者の健康管理を行う。
  3. 主催者や引率の先生と情報共有し、翌日の準備を行う。
  4. 旅行終了後、業務報告書を作成し提出する。

ツアーナースの仕事は基本的に前日の打ち合わせから始まります。打ち合わせでは主催者側と、次の事項を確認します。

  • 旅行の日程やスケジュール
  • 持ち物
  • 必要な治療セットの内容
  • 旅行者の健康状態

この中で特に重要なのが、旅行者の健康状態を確認しておくことです。

アレルギーや持病の有無などを把握しておくことで、何かあったときの対応がスムーズになります。

旅行当日はツアーナースも行動をともにして、参加者の健康管理をします。しかし治療器具には大きくて持ち運べないものもあるので、ツアーナースは簡単な治療セットを持ち歩きます。

看護師ひとりで対応しきれない場合は、応急処置のみ行い病院の手配をします。

夜には引率の先生やツアーの主催者とミーティングを行い、その日体調を崩した参加者の状態や、次の日に起こると予想されるケガなどの情報共有をしなければいけません。もちろんこの時間帯もずっと、ツアーナースは参加者の健康管理を行います。

旅行終了後には、業務報告書を作成します。

もし旅行中に体調を崩した参加者がいて、今後また発病する可能性がある場合、本人や関係者に体調管理が必要なことを伝えます。

また主催者によっては、参加者にアンケートをとることも。参加者の感想を読み、反省点を今後に活かすことができますし、お礼のメッセージが書いてあると、やりがいや達成感を感じることができるんです。

ツアーナースの3つのメリット!コミュニケーションスキルも身につく

ツアーナースのメリットは次の3つです。

  • いろいろな観光地や名所を訪れることができる
  • コミュニケーションスキルが身に付きやすい。
  • 都合のいいタイミングで仕事が受けられる。

病院勤務の看護師と違い、ツアーナースは旅行先に同行するので毎回違った場所で勤務することができます。トラブルが起きていない間は勤務中でも旅行気分を味わえますし、イベントに参加できる場合もあるんです。

旅行に参加するのは毎回違う人なので、様々な年齢や性格の人と接してコミュニケーション能力を高めることもできます。

またツアーナースの多くは単発バイトのため、旅行シーズンから外れた閑散期は仕事を見つけにくいですが、自分のスケジュールを優先して仕事を入れることができます。

参加者の健康管理をひとりで行うツアーナースのデメリット

一方でツアーナースには、このようなデメリットもあります。

  • 多数の参加者が体調を崩したりケガをしたときの対応が大変。
  • 医師が付き添わないため、看護師が自分で判断・対応しなければならない。
  • 本業にした場合、安定した収入は期待できない。

実は旅行中に体調不良者が出たり、参加者がケガをしたりなどのトラブルは結構多いです。

海外旅行の場合は環境や食事が普段と大きく変わってきますよね。修学旅行でも長期旅行に不慣れな生徒が、乗り物酔いや睡眠不足で体調を崩すことがよくあります。

ツアーナースは基本的に1人で行う仕事なので、このような参加者の体調不良やケガが同時に重なると対応が難しくなります。

他に頼れる医療従事者もいないので、不慣れな時期は不安を感じる看護師もいます。

しかも医師の付き添いがないので、ツアーナースは参加者の体調不良者やケガ人の対応を自分で判断して行う必要があります。もちろん病棟での看護師も人の命にかかわる重大な仕事ですが、ツアーナースの場合さらに責任重大です。

そのため看護師としての高い経験値が必要ですし、看護技術・看護スキルも求められます。

そしてツアーナースは単発のアルバイトとして行う仕事のため、本業にすると安定した収入を得るのが難しいんです。

ツアーナースの給料については、次の項目で詳しく説明します。

前日に打ち合わせができない場合は、現地で初めて情報共有する形になります。打ち合わせがないと不安な看護師は、ツアーナースの求人情報を見たり、主催者に電話で問い合わせるなどして、確認しておきましょう。

ツアーナースの給料はどれくらい?派遣看護師としての副業にしよう

ツアーナースの給料は、時給ではなく日当制です。旅行期間中ずっと参加者の体調不良やケガに対応するので、その中での勤務時間は指定されていません。

添乗1回分の報酬は、日当×添乗日数という形で算出されます。

標準的なツアーナースの日給は12,000円~17,000円ほど。金額はこれらの条件によって変わってきます。

ツアーナースの給料に影響する条件
  • ツアーを主催する企業
  • 看護師の実務能力
  • 旅行の内容

ツアーの日程によっては、深夜早朝手当が付く場合もあります。

またツアーナースの仕事には繁忙期と閑散期があるため、収入が安定しないと言われています。

例えば春や秋は修学旅行が多く、ツアーナースの需要は増えますよね。それにGWや夏休み、それから年末年始も団体旅行が繁忙期に入ります。

しかしそれ以外の時期は旅行をする人が少なくなります。看護師転職サイトや、看護師派遣会社のホームページに掲載されるツアーナースの求人も減り、仕事が見つかりにくくなってしまうんです。

ツアーナースは単発アルバイトの派遣看護師として、副業で行うのが一般的です。今の勤務先を退職する必要もないので、「転職はまだ考えてないけど、新しい環境で仕事をしてみたい」という看護師にもおすすめです。

また単発のバイトでツアーナースの仕事をするなら、まず勤務先の病院で掛け持ちが許可されているかどうか必ず確認してください。

ごく少数ですが、正社員として勤務するツアーナースもいます。月収はだいたい25万円が相場です。これは病棟での勤務に比べると少ない給料なので、転職する場合収入が減る可能性は高くなります。

給与よりも仕事内容を重視し、ツアーナースの仕事が自分に合っていると感じたら、転職を検討してみるのも良いかもしれません。

病院の規則によっては、掛け持ちができない場合があります。規則が厳しいところでは、掛け持ちが発覚したら即刻解雇されることもあるので注意しましょう。

ツアーナースになるための条件は?特別な資格は必要?

ツアーナースには正看護師または准看護師以外の特別な資格は必要ありません。必要なのは看護師としての臨床経験と、参加者の心のケアができるコミュニケーションスキルです。

例外的にツアーナースの採用に有利な資格もあります。取得必須ではありませんが仕事に役立てることもできるので、ツアーナースの経験を積みながら勉強してみるのもおすすめです。

ツアーナースに必要なのは臨床経験とコミュニケーションスキル

ツアーナースに必要な資格は正看護師または准看護師の免許だけですが、看護経験が浅いと難しい仕事です。

ツアーナースには、3年ほどの臨床経験が求められます。旅行中は参加者の身にいつ何が起きるかわかりません。そのため緊急事態に迅速な判断や柔軟な対応ができるくらいの看護スキルが求められます。

またツアーナースは医師の付き添いがありません。基本的にひとりで参加者全員の健康管理を行います。

参加者の心のケアをするための、コミュニケーションスキルも必要です。

例えば小学生の修学旅行では、数日間家族と離れて過ごすことに慣れていない生徒もいます。子どもたちに寄り添い話を聞き、安心して旅行ができるようサポートするのも、ツアーナースの大切な仕事です。

看護師としての勤務歴が短い人や休職によるブランク期間が長い人は、まず看護師としての臨床経験を積むことから始めましょう。

ツアーナースにおすすめの資格紹介!採用されやすくなる場合もある

ツアーナースになるために取得必須な資格はありませんが、これらの資格を持っているとツアーナースの仕事に役立ち、採用されやすくなる場合もあります。

  • 旅程管理主任者
  • 保健師

それぞれ詳しく説明します。

ツアーナースの多くが持っている旅程管理主任者の資格

旅程管理主任者の資格を持っていると、参加者の病気やケガの対応だけでなく、旅行のスケジュール管理も行うツアーコンダクターナースの仕事ができるようになります。

この資格は、国土交通大臣に登録された研修機関(日本旅行業協会・日本添乗サービス協会・全国旅行業協会など)の「旅程管理研修」を受け、一定の添乗実務経験を積むことで取得できます。

つまり資格取得の条件は研修と実務経験のみで、試験はありません。ツアーナースの仕事を続けていく予定の看護師は、取得しておくと良いでしょう。

ツアーナースが行う心のケアにも活かせる保健師の資格

保健師は市町村の保険センターや企業、それから学校で、保健指導や健康診断を行います。

常駐する企業で働く社員や、学校に通う生徒の心の健康(メンタルヘルス)の改善も行うので、旅行の参加者と接するツアーナースの仕事と似ている部分があります。

保健師資格の取得条件
  • 看護師資格を持っている
  • 保健師養成学校で1年以上勉強する
  • 保健師国家試験を受け合格する

保健師国家試験の合格率は90.8%(平成28年度)と高いですが、保健師養成学校は国内に10数校と非常に少ないので、学校への入学試験は難しいと言われています。

看護師のあいだでも人気があり競争率は高めですが、保健指導や心のケアを行うツアーナースの仕事にも役立つのでおすすめです。

ツアーナースの仕事が自分に合っていると感じたら、ツアーコンダクターナースへキャリアアップするのもおすすめです。実はツアーナースの多くが旅程管理主任者の資格を持っているんですよ。

ツアーナースの求人を探すなら複数の転職サイトに登録しよう!

病棟での看護に慣れてきたら、休日を利用してツアーナースの仕事も経験してみるのがおすすめです。毎回違う参加者の健康管理を行うので、様々な人と接してコミュニケーションスキルを高めることもできます。

ツアーナースの仕事は人気があり、募集の締め切りも早いです。そのため自分のスケジュールや希望する条件に合った求人を探すのが難しくなります。

ツアーナースの仕事を見つけるコツは、複数の看護師求人サイトや看護師派遣会社の求人情報をチェックすることです。

選択肢も幅広くなり、自分に合った条件の求人を見つけやすくなります。また看護師求人サイトに登録すると、コンサルタントが無料で求人を探してくれます。

ツアーナースの仕事は、看護師の臨床経験を活かせるチャンスです。ぜひ挑戦してみてください。