> > 運動すると息苦しい…自然に肺に穴があいてしまう病気、気胸とは

運動すると息苦しい…自然に肺に穴があいてしまう病気、気胸とは

誰でも激しい運動をすると息苦しくなるものですが、大した運動量でもないのに呼吸困難になってしまったり、胸の痛みを感じるなら、もしかすると病気かもしれません。呼吸が苦しいということは肺の異常が疑われますが、中でも気胸という病気が考えられます。

気胸という病名は、一般的にあまり馴染みのないものですが、実は意外と罹る人が少なくないものなんです。病態は、症状が軽いものから重いものまで様々ですが、重症だと命に関わるケースもあります。

この機会に、気胸という病気について知っておいても損はありません。分かりやすくご紹介していきますので、ぜひご一読くださいね!

気胸とはどういう病気?そのメカニズムと症状を知っておこう!

まずは、あまり耳馴染みのない気胸という病気について、どのような病気でどんな症状が出るのか、基本的な部分を学んでおきましょう。

気胸ってどんな病気?

肺という臓器は、肋骨に覆われていることからも分かるように、私たちの生命維持にとても重要な

  • 呼吸
  • 血液循環

という役割を担っています。この肺に、何らかの理由である時突然、穴が開いてしまうことがあります。これが気胸という病気です。

つまり、肺の穴から漏れた空気によって肺が押しつぶされてしまう状態を、気胸というわけですね。

気胸の症状

気胸はそれほど珍しい病気ではないのですが、その割にはあまり世間一般に知られていません。その理由のひとつに、軽症だと自覚症状がないこともあるため、気づかないうちにかかって自然治癒しているケースも少なくないからだと推測されます。

それでも状態が重くなれば、自覚症状が出てきます。主な症状は

  • 運動時または平常時の息苦しさ
  • 呼吸困難
  • 胸痛

などがあります。

自覚症状がなく、健康診断などで胸部レントゲンを撮って初めて見つかることもあります。症状が出るケースでは、突然胸の痛みや呼吸困難が始まることが多いです。この場合も、レントゲンで肺がつぶされているのを確認することにより診断がつきます。

肺から漏れる空気が大量だと肺の大部分が押しつぶされて機能しなくなり、命の危険が出てくることもあるため、早急な外科的処置が必要となります。

肺に穴が開くって聞くとちょっと驚いてしまうけど、意外と自然に開いて自然にふさがったりするものなんだ。

だからといって、軽視は禁物!肺は生命維持に大きく関わる臓器だから、咳や呼吸困難が起きたら必ず受診してね!

気胸にはどんな種類があるの?女性特有の月経随伴性気胸も!

さて、肺に穴が開くことが発端で起こる病気である気胸ですが、肺に穴が開く原因などによっていくつかの種類に分けられます。中には、女性特有の気胸もありますので、その種類をじっくりとご紹介していきます。

気胸の種類

気胸には、以下のような種類があります。

  • 自然気胸
  • 医療性気胸
  • 外傷性気胸
  • 月経随伴性気胸

それぞれかかりやすい性別や年齢、原因などがまったく違っていますので、以下にひとつずつ見ていきましょう。

自然気胸

自然気胸は、健康面で何の問題もなかった人の肺に、外的な要因もなく急に自然に穴が開くものです。なぜ突然肺に穴が開くのか、その原因ははっきりしていません。

しかし、10代後半~30歳代の痩せ型で胸の薄い男性によく起きるため、成長期の肺の変化が関係していると考えられています。また、自然気胸にかかる人の7割程度が喫煙者であることから、タバコによる肺への負担も要因のひとつと推測されます。

自然気胸は若い男性に多いものですが、高齢者で肺気腫や肺がんを患っている方が気胸を併発するケースもみられます。これは、肺気腫による肺の破壊が引き金になっていると考えられ、このように元々の病気に続いて起きる気胸を「続発性気胸」と呼ぶこともあります。

自然気胸は再発しやすいのが特徴です。半数程度の人が再発し、再発した人のさらに半数以上が3回目の自然気胸を起こすというデータもあります。

医療性気胸

点滴やチューブを誤って刺してしまったり、鍼治療などで胸側や背中側から刺しすぎてしまう等、何らかの医療行為によって起きるものを、医療性気胸あるいは医原性気胸と呼びます。

本来必要な医療処置だったはずが、気胸の原因になってしまうわけで、本来あってはならないことではありますが、まれに起きてしまいます。

外傷性気胸

交通事故などの外傷によって骨折した肋骨が、肺に刺さって穴が開いてしまうことがあります。また、ナイフで刺される、胸部を強く打ち付けるなどによっても気胸が生じます。このような、外的要因によって起きるものを外傷性気胸といいます。

外傷が大きくて外部の空気が胸腔の中に入ってしまうものを「開放性気胸」とも呼びます。こうなると、肺の機能は大きく損傷されますので、ひどい呼吸困難となり生命の危険も出てきます。

月経随伴性気胸

気胸は基本的には男性に多い病気ですが、女性もまったく無関係というわけではありません。

月経随伴性気胸という変わった気胸があります。これは生理(月経)の前後に発症する気胸です。

他にも、人工妊娠中絶や帝王切開が誘因になっているという説もあります。

女性が気胸を起こすこと自体が比較的珍しいので、女性の肺に穴が開いたらこの月経随伴性気胸である可能性が高いです。もしも生理のたびに呼吸が苦しくなるなどの自覚症状があるならば、念のために胸部レントゲンを撮ってみてもよいかもしれません。

一般的に、気胸は男性の病気というイメージだけど、女性特有の気胸もあるんだね。

生理前後はいろんな症状が出てくるのが女性の身体というものだけど、呼吸にまつわる症状が出たら気胸の可能性も考えてみる必要があるね。

気胸の治療法はどんなものがあるの?自然治癒から緊急処置まで

男性に多いとはいえ、女性も全くの他人事ではない気胸という病気。もしも罹ってしまったら、どんな治療を受けたら良いのでしょうか。ここでは、気胸の治療法についてお話していきます。

気胸の主な治療法

気胸には状態に応じて以下のような治療法があります。

  • 経過観察
  • 注射器で空気を抜く
  • 胸腔ドレナージ
  • 手術
  • ホルモン療法

軽い気胸の場合は、気づかないまま自然に穴がふさがって治っていることもしばしばあります。

もしもレントゲンで気胸と診断されても、軽度でつらい症状がなければ入院や治療の必要はなく、経過観察しながらレントゲンで穴がふさがっていくのを確認するか、もしくは、注射器を胸郭に刺して溜まった空気を抜くという、比較的簡単な治療で改善します。

胸腔ドレナージと手術

気胸の重症度が中度から高度の場合は、胸腔ドレナージによる治療を行います。胸腔ドレナージとは、胸部に麻酔をして管を入れ、溜まった空気を外に排出するというものです。

胸腔ドレナージによって、しぼんでいた肺が膨らめば問題ありませんが、そうでなかったり再発してしまった場合は、手術が行われることがあります。気胸の手術法には、「胸腔鏡手術」と「開胸手術」の2種類があります。

開胸手術 胸腔鏡手術
胸を切開して行う
傷痕が大きく身体的な負担も大きい
再発率は低い
胸部に小さな穴を開け、胸腔鏡を挿入して行う
傷は3ヵ所の穴だけで身体的負担が小さい
開胸手術よりは再発率が高い

近年は、胸腔鏡手術が選ばれることが多くなっています。開胸手術にくらべると再発率が高いと言われていますが、技術の進歩により改善されてきています。

緊張性気胸の場合

気胸にはいくつかの種類があることをすでにご説明しましたが、どの種類の気胸であっても命の危険が生じることがあります。肺から空気が漏れ続けると心臓に血液が送られなくなり、血圧低下によるショック症状に陥ることがあるのです。

この状態を「緊張性気胸」といい、早急な対処を要します。

月経随伴性気胸の治療

女性にだけ起こる月経随伴性気胸の場合、上記の外科的な治療に加えて、特別な外科治療やホルモン治療が採られることがあります。

月経随伴性気胸では横隔膜に穴が開くことがあるため、外科治療では横隔膜の病変を切除したり、妊娠を望まないケースでは卵巣摘出がなされることもあります。

ホルモン治療は、ホルモン剤を内服して、閉経もしくは妊娠しているような身体の状態にすることで気胸が起きるのを防ぐというものです。

手術とホルモン治療を組み合わせることも多く、術後にホルモン治療をしないと再発率が高いという報告もあります。

胸の中に溜まった空気を抜くのが、気胸の治療の基本。でも、月経随伴性気胸の治療は、ホルモン治療も組み合わせることもあるわけだね。

ホルモン剤はいろんな副作用が出やすいから、医師にしっかり相談して適切に治療してね。

息苦しさや咳が続いたら気胸かも!?念のためにレントゲンを!

気胸という病気は、人によっては気づかないほどの軽症で済むものなので、あまり知られてもいないですし軽視されがちなものと言えるかもしれません。それでも、中には命に関わるケースや女性特有のものもあるため、知っておくといざという時すぐに対処できます。

最近は花粉症や喘息などのアレルギーによる咳や息苦しさもよくあるので、そんな症状があったとしても、「気胸かもしれない」と考える人は少ないのではないでしょうか。でも、治療法は全く異なりますので、自己判断は危険です。

咳や運動後の呼吸困難などの症状が続いたら、安易に判断せずに呼吸器科へ行って、必要に応じてレントゲンを撮ってみると安心ですよ!

珍しくないのに無名という、ちょっと変わった病気である気胸。若い男性に多いから、兄弟や彼氏、旦那さんが痩せ型で胸板の薄いタイプなら、この病気のことを頭の片隅に置いておくといいね。

でも、女性も罹る気胸もあるから油断は禁物!周囲の人のことを気遣える女性は素敵だけど、自分自身の身体のことも大切にしてね。