黒酢に詰まった健康パワー!肥満・高血圧・血流改善の効果あり!
黒酢の人気が高まり、外食のメニューに登場したり、スーパーなどでも購入しやすくなっています。
一般的な米酢と違い、黒酢には玄米を使います。玄米を使用する割合はJAS規格(日本農林規格)で定められています。
黒酢は、熟成発酵を経て琥珀色に変化します。産地として有名なのは鹿児島県で、アマン壷という独特の形をした壷を使います。
黒酢には、ロイシン、イソロイシン、リジンなどの必須アミノ酸が豊富に含まれていて、様々な健康効果が期待されています。
今回はその中から黒酢のダイエット効果、高血圧予防効果、血流改善効果について見ていきます。
毎日の食卓で積極的に黒酢を使いたくなるような話題ばかりです。是非ご覧ください。
黒酢でダイエット!その成分に秘められた抗肥満作用とは?
黒酢の効果としてよく話題に上るのは「ダイエット効果」です。
ダイエットの為には、必要以上の脂肪を吸収しない、脂肪を体に溜めこまないことが大切です。
「黒酢」と「ダイエット」には、どんな関係があるのか、本当にダイエット効果が期待できるのかを確かめてみましょう。
黒酢の脂肪減少効果に関する検証
九州大学 農学部は、黒酢が脂質異常などに対する健康補助食品や健康促進の為に使われている事に着目し、ラットを使い黒酢濃縮液(KCL)の効果を調べました。
その検証の条件をまとめておきます。
条件 | 内容 |
---|---|
調査対象 | ラット/雄 |
投与方法 | 経口投与 |
投与したもの | KCL(注)、酢酸、脱イオン水 |
投与期間 | 4週間 |
測定項目 | 脂質細胞サイズ、皮下脂肪組織のDNA量、 血清・肝臓の脂質レベル、脂肪酸排出率 |
(注)体重1kgあたり100mg
このような検証が行われ、以下のような結果が得られました。
黒酢濃縮液(KCL)を与えたグループのラットにみられた変化
- 皮下脂肪や腎周囲脂肪組織の脂肪細胞サイズが減少
- 皮下脂肪組織のDNA量が増加し、脂肪酸の排出率が増加
この他、試験管内での実験なども行い、以下のように結論付けています。
CONCLUSION:Oral administration of KCL decreases the adipocyte size via inhibition of dietary fat absorption and reductions of PPARγ and aP2 mRNA expression levels in adipocytes.
【翻訳】まとめ:KCLの経口投与は食事脂肪吸収の抑制および脂肪細胞のPPARγとaP2 mRNA出現の減少を通じて脂質細胞サイズを減らした。
引用元:Laboratory of Nutrition Chemistry, Faculty of Agriculture, Kyushu University, 6-10-1, Hakozaki, Higashi-Ku, Fukuoka 812-8581, Japan.(翻訳:九州大学 農学部)
専門用語が沢山出て来たので簡単に解説します。
【PPARγ】DNAのコピーに関わるタンパク質
【aP2】細胞内で信号を伝達するタンパク質
【mRNA】DNAからコピーした情報に従ってタンパク質を合成する働き
これを踏まえて先ほどの翻訳に戻ると以下の様になります。
「黒酢濃縮液の投与は食事からの脂肪吸収を抑制した他、脂肪細胞を伝達・複製するDNAの働きを抑えて脂肪細胞を小さくした。」
この研究により、黒酢には脂肪を吸収しない、脂肪を体に溜めこまない、抗肥満作用があることが確かめられました。
黒酢には脂肪の吸収を抑えたり脂肪細胞を作りにくくする効果があるの。
健康的なダイエットを目指すために黒酢の持つ効果を役立てて欲しいわ。
黒酢には高血圧予防効果があった!血圧上昇を抑える仕組みとは?
ご自分の血圧をご存知ですか?血圧は、高くなっても自覚症状が少ないため、健康診断などで指摘されても放置してしまう方がいます。
しかし、高血圧は心臓病や脳卒中などを引き起こすケースもあるので、早めの対応をする必要があります。
血圧が高くなる仕組みとは
血圧は、体内の様々な要因が重なり合って、高くなったり低くなったりします。では、血圧が上がる時、体の中ではどんな変化が起こっているのでしょうか?
血圧が上がる時に重要な役目をするのが、「アンジオテンシン」という物質です。アンジオテンシンにはⅠ~Ⅳがあり、ⅠとⅡには次の様な性質があります。
↓
↓アンジオテンシン変換酵素(ACE)によって変化
↓
アンジオテンシンⅡ:血圧を上昇させる
このように、アンジオテンシンがⅠからⅡに変化すると血圧を上昇させます。
この時に働く物質を「アンジオテンシン変換酵素(ACE)」といい、医療の現場ではACEを阻害する薬が使われています。
黒酢の血圧上昇抑制効果に関する検証
ここで、タマノイ酢株式会社中央研究所が行い、日本食品科学工学会誌に掲載された「高血圧自然発症ラットにおける黒酢エキスの抗高血圧作用」についての研究を紹介します。
検証の際の条件は下記のようなものです。
条件 | 内容 |
---|---|
調査対象 | 自然発症高血圧ラット(SHR) |
投与方法 | 強制経口投与 |
投与したもの | 黒酢エキス |
測定項目 | 血圧の変化 |
このような検証を行い、黒酢エキスの投与後に血圧が下降し、この効果が24時間後にも持続することが確認されました。
これらの検証の結果、黒酢の成分は血圧が高い状態での血圧上昇を抑える効果が大きいことがわかりました。
黒酢には血圧を上げる物質を作るのを抑える効果があるの。
うまく黒酢を取り入れて血圧コントロールに役立ててね。
黒酢の成分で血流改善!その時カラダはどんな影響を受けている?
黒酢の魅力として、アミノ酸やクエン酸が豊富なことが上げられます。これらの成分には血液の循環をよくする働きが期待できます。
ここからは、黒酢が血流に与える影響を見ていきましょう。
血流を悪くする原因とは
血液の循環を滞らせる原因として真っ先に考えられるのは食生活です。肥満や糖尿病、脂質異常症などで血流が悪くなります。
また、精神的ストレスや運動不足も血流に影響します。
血流が悪くなると冷え性や肩こりなどが起こり、更に状態が悪くなると心筋梗塞や脳梗塞につながります。
黒酢の血流改善効果に関する検証
ここで、わかさ生活のホームページに紹介されている「国立大学法人鹿屋体育大学(鹿児島県)」の研究を紹介します。
この研究では、被験者に1ヶ月に渡り黒酢を摂取してもらい、体の変化を調べています。
この時の検証は以下のような条件で行われました。
条件 | 内容 |
---|---|
調査対象 | 健康で鍛えていない女性10名 |
飲用したもの | IZUMI(黒酢の種類)を1日50ml |
調査のタイミング | 飲用前、1ヶ月後、2ヶ月後 |
その他の条件 | ライフコーダー(注)を7日間着用 初回血液回収前に栄養摂取量を計測 |
(注)ライフコーダー:運動量を測定する装置
このような状態で検証が行われました。そこで得られた数値と評価が次の表です。
検査項目 | 検査内容 | 評価 |
---|---|---|
体重、BMI、脂肪、体脂肪量 | 著しい変化なし | △ |
エネルギー消費量、運動、栄養摂取量 | 著しい違いなし | △ |
末梢血管指数 | 著しい変化なし | △ |
血清BAP値(骨形成に関わる成分) | 上昇 | ○ |
d-ROMの血清レベル (酸化ストレスの測定に使われる数値) |
低下 | ○ |
血液濾過継続時間 (血液中の老廃物等の除去を行う時間) |
低下 | ○ |
この様な結果が得られました。この鹿屋体育大学の黒酢に関する研究の結論は次の様に書かれています。
CONCLUSIONS:These results suggest that “IZUMI”, a Kurosu containing a higher level of amino acids, increases antioxidant activity and reduces oxidative stress and blood filtration time in female subjects.
【翻訳】
まとめ:これらの結果は、より高いレベルのアミノ酸を含む黒酢であるIZUMIが、女性被験者において抗酸化作用を増やし酸化ストレスと血液濾過継続時間を減らすことを提唱している。引用元:Department of Sport Life Style Management, National Institute of Fitness and Sports in Kanoya, Kanoya City, Japan. nagasima@nifs-k.ac.jp(翻訳:わかさ生活HPより国立大学法人鹿屋体育大学の研究)
このように結論付けています。
黒酢には、抗酸化作用を増やすことで酸化ストレスを低下させ、血液濾過継続時間を短くすることから、血流改善効果あることが確認出来ました。
ドロドロの血液が血管に詰まってしまうことを考えると恐ろしいわ。
黒酢の持つ血流改善効果を取り入れて、いつまでも血液をサラサラに保ちましょうね。
黒酢を飲む時の注意点!お酢がマイナスの働きをするケースとは?
体にとって嬉しい健康効果が期待できる黒酢ですが、引用する際に気を付けたいこともあります。
- 飲んだら歯磨き
- 濃度に注意
- 糖分に注意
- 飲み過ぎない
これらについて、細かく見ていきます。
黒酢を飲んだらそのまま寝ない!酸が歯にあたえる影響とは?
酢は酸の多い食品です。(体に入るとアルカリ性になります。)黒酢を飲む時には、この「酸」の影響に注意することが必要です。
黒酢に含まれる酸は歯のエナメル質を溶かしてしまう可能性があるので、飲んだ後は歯磨きやうがいをしましょう。
寝る前に飲んでそのまま寝てしまうのは危険なので避けて下さい。
黒酢を飲む時のその他の注意点
黒酢には、そのまま飲めるタイプと、希釈タイプがあります。
希釈タイプを濃い状態で飲むと胃腸への刺激が強すぎる可能性があります。空腹時を避け、パッケージの指示に従って希釈してから飲んでください。
慣れないうちは薄い状態からスタートして、調子をみながら指示に近づけていくのもいいですね。
また、飲みやすいように甘味をつけてある黒酢や黒酢ドリンクは、糖分のとり過ぎに注意しましょう。
お酢は、東洋医学では「陰」の食べ物で、体を冷やすとされていいるので、黒酢を摂る時は「陽」の食べ物と合わせるか、お湯割りにして飲むことをお薦めします。
陽の食べ物:寒冷地の果物・根菜・肉・魚・豆・紅茶など
自分の生活スタイルに合わせて、飲みやすい時間を設定してみてね。
食後に黒酢を飲んで、すぐに歯磨きをしたらどうかしら?
黒酢のパワーには、肥満・高血圧・血流改善の効果があった!
ここまで、黒酢の持つ様々なパワーを見てきました。
- ダイエット・抗肥満作用
- 高血圧予防効果
- 血流改善効果
このような効果がありました。
また、黒酢は酸が強いので飲んだらすぐに歯磨きをして歯のエナメル質を守ることが大切でした。
黒酢は食品なので、特に健康状態に問題がなくても飲用が可能です。家族全員の健康維持に黒酢を役立てて行ってください。
美味しく黒酢を頂いて、ダイエットや高血圧予防、血流改善ができるなんて素晴らしいわね。