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疲労回復だけじゃない山芋の効能!様々な効果が期待できます

じゃがいも、さつまいも、里芋など、いも類にはいろんな種類がありますが、もしかしたら、お芋の中でいちばん地味なのは山芋かもしれません。

確かに、お好み焼きの生地に混ぜたり、麦とろやとろろそばに乗せたりといった使い方が多くて、ヤマイモがメインになる料理って、そんなに多くないですよね。

でも、ヤマイモはその地味な佇まいの中に、あっと驚くパワーを秘めているんです!

知ればきっとメイン料理にだって使いたくなるような、ヤマイモのありがたい健康効果をたっぷりご紹介します。

昔も今も栄養たっぷり!ヤマイモの基本情報はここでチェック!

お料理好きの方なら、ヤマイモはちょこちょこ使えて保存も利くし、意外に便利な食材という認識があるかと思います。でも、一般的にはヤマイモのことって、そんなに知られていないかもしれません。

ヤマイモの素晴らしい健康効果を見ていく前に、どんな食材なのか、まずは基本的な所を押さえておきましょう。

ヤマイモの歴史

ヤマイモは、ヤマノイモ科ヤマノイモ属の多年草です。

ヤマイモの原産は中国ですが、日本でも大変古くから人々に食されてきたと言われています。その歴史は、なんと縄文時代から。当時すでに野生種ではなく、栽培したものを食べていたとの記録があります。

このように、昔から日本人はヤマイモのパワーを享受していたようで、書物にもヤマイモの精力剤としての効果や、滋養強壮効果についての記述がいくつも見つかっています。私たちのご先祖様も、ヤマイモの効果を体験的に知っていたんですね。

ヤマイモの種類

ヤマイモには、いくつかの種類があります。それぞれの特徴とともに、ご紹介します。

種類 形状 特徴
長芋 長めの円柱型 スーパーなどでよく見かける種類
シャキシャキした歯ごたえでサラダに向く
自然薯
(じねんじょ)
長芋よりも細長い
長いものでは1メートルほどにもなる
粘りが強く美味しい
栽培がやや難しいので、希少価値がある
いちょういも イチョウの葉のように平べったい 粘りが強く、とろろに向く
「とろろいも」とも呼ばれる
大和いも 丸くてゴツゴツしている ヤマイモの中で一番粘りが強い
とろろの他、揚げ物や和菓子にも使われる
むかご 1~2センチ程度で丸い 茹でたり揚げたりして食べる
種イモに使うこともある

厳密に分類すると、長芋はヤマイモとは別の種類とされています。しかし、同じような調理法で親しまれ、栄養素も似た構成になっていることから、ここで一緒にご紹介しました。

ヤマイモというと、やっぱりとろろが一番ポピュラーですが、他にもいろいろな利用法があるのですね。用途に応じて、適した種類を選べば、より美味しく栄養を摂れそうです。

ヤマイモに含まれる栄養成分

栄養満点なイメージのあるヤマイモですが、具体的にはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。

  • 炭水化物
  • 食物繊維
  • 蛋白質
  • ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE
  • カルシウム
  • リン
  • 鉄分
  • カリウム
  • 亜鉛

炭水化物、ビタミン、ミネラルとバランスよく含まれているのが分かります。

特に食物繊維やビタミンB群は豊富で、便秘の予防および改善や肝臓・脾臓の働きを助ける役割があります。

ヤマイモといえば、疲労回復・滋養強壮効果が良く知られていますが、それはでんぷん分解酵素である「アミラーゼ」や「ジアスターゼ」がたくさん含まれているからなんです。これらの酵素が消化吸収を助け、老廃物の排出を促すため、身体を元気にしてくれます。

ヤマイモの効果的な食べ方

こんなにうれしい効果がいっぱいのヤマイモですが、どうせならその効能を存分に取り入れたいですよね。そこで、オススメの食べ方をご紹介します。

じゃがいもや里芋など、他のいも類は生で食べると毒性があるため、必ず火を通す必要があります。でも、ヤマイモだけは生でも大丈夫!しかも、生の方が消化酵素をしっかりと体内に摂りこむことができるんです。

暑い季節で食欲がないときも、そばや素麺にとろろをかければ、つるっと食べられるうえに疲労回復効果も得られて一石二鳥ですね!

確かに、ヤマイモはいも類の中では唯一、生のままでも食べられる食品ですが、その理由は酵素にあるというわけですね。

胃腸が疲れ気味のときや、便秘解消したいときなんかには、是非とろろを食べたいですね。

日本人に急増中!大腸がんをヤマイモの有効成分で予防しよう!

さて、すでにヤマイモの持つ様々な効能を見てきましたが、ここからはさらに詳しくそのパワーをご紹介します。

まずは、ヤマイモの大腸がんへの予防効果から見ていきましょう。

大腸がんが日本人に急増中!

かつて、日本人の死因となるガンで一番多いのは、肺がんと言われていました。しかし、近年、急速な勢いで日本人に大腸がんが増えています。

2015年には胃がんを抜いて、大腸がんが日本人のかかるがんの中で一番多くなりました。

その原因には、食事の欧米化、運動する機会の減少、飲酒や喫煙などの生活習慣などが挙げられます。近年の日本人の食事や生活のスタイルが、大腸がんの増加を招いているのですね。

しかし、このような危機的状況を、ヤマイモが救ってくれるかもしれません。

ジオスゲニンが大腸がんを抑制

ヤマイモには、ジオスゲニンという有効成分が含まれています。わが国の研究グループによって、このジオスゲニンが大腸がんを予防することが分かりました。

これは比較的新しい研究で、マウスによる実験の結果です。恐らく私たちがヤマイモを食べても大腸がんの予防効果は得られると考えられてはいます。でも正式に、人間を対象にした研究でも同じ結果が出ることを、期待しながら待ちたいですね。

山芋に含まれるジオスゲニンの効果は、大腸がんを抑制できるほど優れているんですね。

大腸がんは日本人に急速に増えていますが、早く発見して治療すれば治りやすいとも言われています。でも、がんが出来てしまう前に、ヤマイモで予防しておくのが一番良い方法ですね。

ジオスゲニンの効果はまだある!認知力UPでアルツハイマー予防も

前章では、ヤマイモの有効成分であるジオスゲニンが、大腸がんの抑制作用を持つことをお話しました。

そんなジオスゲニンの効果は、それだけではありません。認知機能を改善する効果もあるのです。

ジオスゲニンで認知機能アップ!

まずは、日本と米国の共同研究によるマウス実験をご紹介します。

Wild-type mice and diosgenin-treated 5XFAD mice showed significantly more frequent exploratory behavior in the presence of a novel object than chance (50%) (Figure 1A). The value of the diosgenin-treated group in the test session was significantly higher than that in the training session.
The diosgenin-treated 5XFAD mice exhibited a significant reduction of the amyloid plaques in the cerebral cortex and hippocampus (Figure 1C).
【翻訳】
野生型マウスとジオスゲニンで治療された5XFADマウスは、新しい物の前で予測(50%)よりも著しく頻繁な探索行動を示した(Figure 1A)。テストセッションにおけるジオスゲニンで治療されたグループの評価は、トレーニングセッションでの評価よりも著しく高かった。

ジオスゲニン治療の5XFADマウスは頭頂皮質と海馬でアミロイド沈着物の著しい減少を示した。

出典:Department of Bioscience, Institute of Natural Medicine, University of Toyama、Department of Nutrition, Dietetics, and Food Sciences, Utah State University, Logan, Utah 84322, USA(翻訳:富山大学バイオサイエンス学科自然医学研究所、米国ユタ州立大学栄養学科)

かなり難しいですが、簡単に言うと、ジオスゲニンによって治療されたマウスは、物事に対する認知力が上がったという結果です。このことから、ジオスゲニンおよびそれを含むヤマイモには認知症を予防する効果があるのではないかと考えられます。

アルツハイマー病の原因物質アミロイド

上記の実験によれば、ジオスゲニン治療をされたマウスは、脳内のアミロイド沈着物が大幅に減ったという結果も出ています。アミロイドとは何かといいますと、タンパク質の一種です。

アルツハイマー病の人の脳には、このアミロイドβタンパク質が蓄積されるという特徴があります。つまり、アミロイドがアルツハイマー病の原因物質と考えられているわけです。

お話を実験に戻すと、繰り返しになりますが、ヤマイモに含まれるジオスゲニン治療を受けたマウスは、アルツハイマー病を引き起こすアミロイド沈着物が大きく減少したのです。

このことから、ヤマイモに認知症やアルツハイマー病を予防する効果があることが、期待されているのです。

誰だって歳とともに認知能力や記憶力は低下しますから、これはとってもありがたい情報ですね。

ジオスゲニンは、すでに蓄積されたアミロイドも減らしてくれるため、予防だけではなく物忘れの治療についても、ヤマイモが力を発揮してくれそうです。

ヤマイモで免疫力も向上!元気になってガンや感染症を撃退!

次にご紹介するのは、ヤマイモと免疫力の関係についてです。どんな効果があるのか、具体的に見ていきましょう。

ヤマイモで免疫細胞が増えた!

まずは、ひとつの実験をご紹介します。ヤマイモの一種で「台湾ヤマイモ」と呼ばれるものと、日本のヤマイモを使って、それぞれに含まれるたんぱく質がどんな働きをするかを比較した研究です。

the T and B cells in bone marrow, spleen, and thymus isolated from mice injected with Dj-dioscorins had higher proliferative responses to mitogens. Furthermore, Dj-dioscorins enhanced proliferation of CD4(+), CD8(+), and Tim3(+) (Th1) cells in spleen and CD19(+) cells in both spleen and thymus. Supplement of Dj-dioscorins in the lymphoid cells isolated from Dj-dioscorins primed mice induced cell proliferation of both spleen and thymic cells.

【翻訳】
Dj-ディオスコリンを注射されたマウスから分離された骨髄、脾臓、胸線細胞内のTおよびB細胞はマイトジェンにより高い増殖反応があった。さらに、Dj-ディオスコリンは脾臓内のCD4(+)、CD8(+)、Tim3(+) (Th1)細胞、そして脾臓と胸線内のCD19(+)細胞を高めた。Dj-ディオスコリンを注入されたマウスから分離されたリンパ系細胞内のDj-ディオスコリン補完は脾臓と胸線細胞の細胞増殖を誘因した。

出典:Department of Life Science and Institute of Biotechnology, National Dong Hwa University, Taiwan(翻訳:台湾 国立東華大学 ライフサイエンス・バイオテクノロジー研究所)

引用文中の「Djディオスコリン」とは、日本のヤマイモから摂った貯蔵タンパク質のこと。「マイトジェン」とは、細胞増殖を促進する物質のことです。

つまり、この研究の成果をかみ砕いて言うと、ヤマイモを体内に摂り込むことによって、免疫細胞であるT細胞、B細胞、リンパ球が増殖することが分かったんです。

免疫細胞が増えるとどうなる?

実験により、ヤマイモで免疫細胞のT細胞、B細胞、リンパ球が増えることが明らかとなりましたが、これっていったいどんな意味があるのでしょう?

厳密に言うと、T細胞もB細胞もリンパ球の中に分類されるもので、その中には有名なNK(ナチュラルキラー)細胞も入っています。

これらはそれぞれ、「司令塔」や「殺し屋」、「抗体を作る」などの役割を背負い、私たちの身体を異物から守ろうとしてくれる心強い存在です。

免疫細胞の攻撃相手である「異物」とは、ウイルスや細菌、アレルギー源となるカビや花粉、がん細胞など。免疫細胞がこれらを発見して撃退してくれるため、私たちは健康を保てるわけです。

つまり、ヤマイモを食べれば、風邪やウイルス性の感染症、がんだって遠ざけてくれるという、うれしい効果があるんです。

人は免疫力が弱ると、ちょっとしたことで風邪をひいたり、病気になったりしてしまいます。健康や美容にとって最も基本的で重要なのが、免疫力とも言えますね。

ですから、日頃から免疫力をアップさせておくのは、とても大事なことです。そのために、ヤマイモがひと役買ってくれるというわけですね。

ヤマイモで頭も身体も若々しく元気に!生で食べればより効率的!

いかがでしたか?ガンや認知症など、誰にとっても他人事ではない大変な病気を防いでくれるとあれば、今後はもっともっとヤマイモを食べたくなった人も多いのではないでしょうか?

長いも短冊のバター焼きも美味しいけれど、できれば生のままサラダにしたり、すりおろして食べた方が、栄養も効果もたくさん受け取ることができます。

高齢者から若い人まで、みんなが嬉しい効能満点なので、家族の食卓にはうってつけのヤマイモ。意識的にメニューに取り入れて、家族みんなで元気に長生きしましょうね!

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