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寝るだけでもダイエット!睡眠と肥満の意外な関係

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ダイエットに苦労してはいませんか?食事制限やエクササイズなど、毎日つらい思いをしてダイエットに励んでも一向に効果が見られない・・・

そんなあなたに朗報です。

実は、寝るだけで簡単にダイエットができるんです。

「そんな寝るだけじゃダイエットできるはずない!」って思ったあなた!これから説明する4つのホルモン「レプチン」「グレリン」「成長ホルモン」「コルチゾール」の働きを理解することで、太りにくい体質をつくる方法がわかりますよ。

今回は睡眠と密接な関係にあるホルモンの働きについてご説明しましょう。

睡眠時間が少ないと肥満になる確率が最大で73%アップ!

米コロンビア大学の研究チームによると、睡眠時間が少ない人ほど太りやすい傾向があり、最大で73%も肥満の危険があるとアメリカ肥満学会で発表しました。

アメリカで健康栄養調査に参加した1万8000人(32~59歳)のデータを分析し、睡眠時間が7~9時間の人に比べて肥満になりやすい人の割合を計算した結果がこちらです。

睡眠時間 肥満になりやすい人の割合
4時間以下 73%
5時間程度 50%
6時間程度 23%

睡眠時間が4時間以下だと、十分寝ている人と比べて73%も肥満になりやすいんです。

寝ているより起きて活動しているほうが、カロリーを消費しやすく肥満になりにくいイメージもあるけど、調査ではこれだけ明らかに睡眠不足が肥満になりやすい結果が出たなんてびっくりですね。

では、なぜ睡眠不足の人は肥満になりやすいのでしょう?その鍵は睡眠と密接な関係にあるホルモンバランスに隠されていました。

73%も高いと測定ミスなどは考えにくいですね。人間の身体は睡眠不足でいかに肥満になりやすいか科学的に証明できるんです。次にホルモンバランスについて説明しましょう。

睡眠不足だとホルモンバランスが崩れて太りやすい体質になる

人間はお腹が減ると食欲が出て、逆にお腹がいっぱいになると満腹感を感じます。これは体内で分泌されたホルモンの影響により、脳の食欲中枢や満腹中枢が刺激されるからなんです。

食欲が増すのはグレリンというホルモンの影響で、満腹感を得られるのはレプチンというホルモンの影響です。

この2つは互いにバランスを取り、どちらかが減るとどちらかが増えるよう分泌されます。

食欲を抑えるレプチンのほうが増えれば痩せやすい体質になるし、食欲を増すグレリンのほうが増えれば太りやすい体質になります。

ダイエットをしている人からすれば、レプチンが増えたほうが嬉しいですが、恐ろしいことに睡眠不足になるとレプチンが減少し、逆に食欲を増すグレリンが増えて、太りやすい体質になる事がわかっています。

では、いったいなぜ睡眠不足になるとレプチンとグレリンのバランスが崩れるのでしょうか?

食欲を抑えるレプチンは睡眠不足によりどんどん数が減ってしまう

食事をするとお腹がいっぱいになり、満腹感が得られます。これは脂肪細胞から分泌されるレプチンが、脳の満腹中枢を刺激し食欲を抑えることは先ほど説明しましたね。

つまり、レプチンが多い人のほうが食欲を抑えられ、痩せやすい体質をつくることができるんです。しかし睡眠不足の人のレプチンの血中濃度を調べると、十分寝ている人に比べレプチンが少ないことがわかりました。

血中レプチン濃度と睡眠時間の関係

グラフからもわかるように睡眠時間と比例してレプチンの量が変化しています。睡眠不足だと満腹感が得られにくいためついつい食べ過ぎてしまい、太りやすい体質になってしまうことがわかりますね。

食欲を抑えるレプチンの血中濃度を正常に保つためには、約7~8時間程度の睡眠は確保しましょう。

グレリンが増えると高カロリーの食べ物が欲しくなり太りやすい体質に

人間はお腹が減ると、何か食べようと食欲が出てきますよね。これは胃から分泌されるホルモンのグレリンが、脳の視床下部にある食欲中枢を刺激するからなんです。

もともとグレリンはお腹が減って体内のエネルギーが不足しているときに、エネルギーを補充しようと分泌されるホルモンです。

そのため、実際にエネルギー不足のときにグレリンが働いて食欲が出るなら問題ありません。

しかし、このグレリンは睡眠不足によって血中濃度が高くなるという研究結果があります。

血中グレリン濃度と睡眠時間の関係

睡眠不足はエネルギー不足ではないので、食欲を増すグレリンが増えてしまってはダイエットをしている人にとって、とてもやっかいな体質になってしまいますね。

それだけではありません!

さらに悪いことに、グレリンが増えるとラーメンや揚げ物など高カロリーなものを食べたくなります。

これはグレリン本来の働きがエネルギーの補給のため、脳に高カロリーの食べ物を摂取するよう指令を出しているからなんです。

これではどんどん太りやすい体質になり困ってしまいます。グレリンを必要以上に増やさないためにも、睡眠時間はしっかり確保しましょう。

以上、睡眠時間とホルモンバランスについて説明しましたが、睡眠時間が少ないと食欲を抑えるレプチンが減って、食欲を増すグレリンが増えるため、太りやすい体質になることがわかりましたね。

じゃあ睡眠時間さえ気を付ければいいかと言うと、そうではないんです。何時に寝て、何時に起きるかという寝る時間もダイエットと密接な関係があることがわかっています。

その寝る時間に関係しているのが、これから説明するコルチゾールと成長ホルモンです。

睡眠不足がここまで複雑に肥満に結びつくとは思いもしませんでしたね。太りやすい体質になるなんて、ダイエット中の人にとってはやっかいなことです。夜更かしはせず、早めに寝て体質改善に努めましょう。

寝ている間にダイエット効果を得るには夜12時から朝6時は必ず寝るように

コルチゾールと成長ホルモンは、1日のうちでも寝ている間に最も多く分泌されるホルモンです。

実はこの2つのホルモンは脂肪を燃焼したり代謝を促す作用があり、その効果を最大限に活かすためには、夜12時から朝6時の間は必ず寝ていることがポイントとなります。

それでは、コルチゾールと成長ホルモンについて詳しく説明していきましょう。

コルチゾールは寝ている間のエネルギー補給のために脂肪を燃焼する

人間は寝ている間も脂肪を燃焼しているのを知っていますか?

寝ている間も脳や臓器は活動しているため、もちろんエネルギーが必要ですね。副腎皮質から分泌されるコルチゾールは、寝ている間に必要なエネルギーを体内の脂肪を燃焼し補っているんです。

コルチゾールは起床後30~60分の間がもっとも大量に分泌され、それから徐々に低下していきます。

より多くのコルチゾールを分泌させられるよう、朝日を浴びて身体に起床したことを認識させましょう。

コルチゾール分泌量の日内変動

正しく睡眠をとれば毎日300キロカロリーを消費し、なんと1ヶ月で約1キロも痩せることができるんです。

コルチゾールが睡眠中に脂肪を燃焼させることはわかりましたが、ここで1つ気を付けなきゃいけないことがあります。

寝る前(約2~3時間前)に高カロリーの食べ物を食べてしまうと、睡眠中に必要なエネルギーはその食べ物から優先的に取り込まれてしまいます。

それではコルチゾールが体に蓄積された脂肪を燃焼させる必要がなくなってしまうので、睡眠中のダイエット効果は得られなくなってしまうんです。

それどころか、体が使用しきれなかった余分なカロリーは、そのまま脂肪としてついてしまうので、寝る前にカロリーの高い食べ物は控えるようにしましょう。

成長ホルモンは寝ている間に脂肪を燃焼させ、代謝を上げる!

成長ホルモンとは名前からもわかるとおり、人間の成長を促すホルモンです。成長ホルモンは寝ている間に新陳代謝を促し、脂肪を燃焼させる働きがあります。

そのため成長ホルモンの分泌量を高めれば、代謝が良くなり脂肪を燃焼させるため、痩せやすい体質に変えることができます。

では、成長ホルモンはどうすれば分泌されるんでしょうか?

実は1日のうちで寝付いて最初の3時間に最も多く分泌されるんです。

成長ホルモン分泌量の日内変動

この3時間にできるだけ多くの成長ホルモンを分泌する必要があるんですが、注意する点が1つあります。
それは、先ほど説明したコルチゾールの分泌時間です。

コルチゾールは脂肪を燃焼する作用のほかに、肝臓にあるグリコーゲンを分解してブドウ糖に変換する働きもあり、その際に血糖値を上げてしまいます。

血糖値が上がった状態だと成長ホルモンの分泌は抑制されてしまうので、コルチゾールの分泌と成長ホルモンの分泌は別々の時間に行われないといけないんです。

コルチゾールは明け方から徐々に分泌され始めるので、成長ホルモンを最大限に分泌させるためには、起床時間から3時間前には成長ホルモンの分泌ピークを終了させている必要があります。

成長ホルモンは寝付いて最初の3時間が分泌ピーク時間なので、例えば午前6時に起きる場合は遅くとも夜12時には寝ないと、午前3時のコルチゾールの分泌時間と被って、成長ホルモンの分泌が抑制されてしまいます。

これではせっかくの新陳代謝を高める時間が少なくなってしまい、もったいないですよね。

成長ホルモンの効果を最大限に引き出すためには、必ず夜12時までには寝ているよう夜更かしは控えましょう。

その他、成長ホルモンについては「「お肌のゴールデンタイム」の新事実!」の記事も参考になります。

成長ホルモンとコルチゾールをうまく働かせれば痩せやすい体質になれるということですね。睡眠だけで1ヶ月で約1キロも減量できるなんて、こんなに簡単なダイエット方法はありません。睡眠とホルモンの関係をうまく活用していきたいですね。

【まとめ】睡眠と関係の深い4つのホルモンの特徴

ここまで4つのホルモンについて説明してきましたが、それぞれの役割や特徴は理解できたでしょうか?ここでもう一度簡単にまとめてみましょう。

1、レプチン

食欲を抑えるホルモンで、睡眠時間が少ないと減ってしまう。

2、グレリン

食欲を増すホルモンで、高カロリーの食べ物が食べたくなる。また、睡眠時間が少ないと増える。

3、コルチゾール

明け方から起床後30~60分の間に大量に分泌されるホルモンで、脂肪を燃焼する。

4、成長ホルモン

寝付いて最初の3時間に多く分泌されるホルモンで、脂肪を燃焼し代謝を良くする。

この4つのホルモンの働きをうまくコントロールして、痩せやすい体質をつくればダイエットも苦労することなく、成功するのではないでしょうか。

そのために重要なのは、「睡眠時間」と「寝る時間」です。

ここで説明したホルモンの働きをいつも頭においておき、意識しながら生活することで痩せやすい体質をキープすることができます。ダイエット中の人はぜひ覚えておきましょう。

太りにくい体質になる睡眠方法で、効果的にダイエットを成功させよう

食欲をコントロールするレプチンやグレリンのホルモンバランスを整えるには、約7時間程度の睡眠時間が必要だとお伝えしましたね。

また、代謝を良くする成長ホルモンと脂肪を燃焼させるコルチゾールは、時間が被らないよう別々に分泌される必要がありました。

ここで紹介した4つのホルモンについて理解を深めて、規則正い睡眠方法でダイエットを成功させましょう。