マットレス徹底比較!おすすめマットレスの選び方から手入れ方法まで
朝起きると肩や腰が痛い、しっかり寝たはずなのに身体がだるいと感じている人はいませんか?実はその身体の不調、マットレスが原因かもしれません。
睡眠時間は人生の約3分の1をしめ、身体のダメージ修復や疲労回復を行います。マットレスが自分に合っていないと睡眠の質が悪くなり、眠気は解消できても疲れまでは解消できませんよ。
バンクーバーオリンピックへ向かう浅田真央さんが、自前のマットレスをロール巻きにして現地へ運んだことが話題になったのを覚えていますか?
今では日本オリンピック選手の半数以上が同様にマットレスを持ち込み、過酷なトレーニングによる疲労回復に役立てているんです。
このようにマットレスは翌日のパフォーマンスに大きく影響し、健康のためにも特に注意して選ばなきゃいけない寝具なんです。
そこで今回は一晩で疲れを解消し、翌朝スッキリ起きられるマットレスの選び方について説明します。さらにマットレスを長持ちさせるためのカビ対策、シミ抜き方法についても紹介しましょう。
寝返りのしやすさが寝心地の良さ!マットレスの役割について
まず長時間立っているときを思い出してみてください。全体重が足にかかるため定期的に重心を移動したり、足が痛くなれば椅子に座って休みますよね。
寝ているときも同じで、あおむけでは後頭部や肩甲骨、腰のあたりに重心がかかるため、定期的に寝返りを打って重心を移動しないとこれらの部分が痛くなります。
寝返りには寝ている間の血行を良くする効果があり、ゴロゴロ体勢を変えることで日中の生活で歪んだ身体を元に戻す働きがあるんです。
寝返りが打てないと翌朝に肩こりや腰痛などの不調を感じたり、だるくて最高のパフォーマンスが出せなかったりしてしまいます。
無意識で行っている寝返りにこんな効果があるなんて驚きですね。しかし、この寝返りをマットレスが邪魔してしまう場合があるので注意してください。
通常、マットレスには中のスプリングの反動により、寝返りがしやすいようサポートする働きがあります。
しかし古いマットレスを使っていて腰の部分などがヘタれていると、身体が沈み込んでしまい寝返りが打ちにくくなるんです。
さらに古くなくても柔らかすぎるマットレスの場合、身体全体が包み込まれるため古くてヘタれているマットレス同様に寝返りが打ちにくくなります。
古くなったマットレスは身体のためにも買い換えが必要だし、寝心地が悪いマットレスを使っていては疲れもとれません。次に紹介するマットレスの種類や特徴を参考に、自分に合ったマットレスを選んでみましょう。
マットレスの種類と特徴を理解して自分にピッタリなものを選ぼう
マットレスは中にスプリング、ウレタン、ポリエチレン樹脂が入ったものと大きく3種類に分けられます。こちらに各マットレスの特徴をまとめました。
素材 | スプリング | ウレタン | ポリエチレン樹脂 | ||
---|---|---|---|---|---|
種類 | ボンネルコイルマットレス | ポケットコイルマットレス | 低反発マットレス | 高反発マットレス | 高反発マットレス |
硬さ | 硬い | やや硬い | 柔らかい | やや柔らかい | やや柔らかい |
重さ | × | × | ○ | ○ | ○ |
通気性 | ○ | △ | × | × | ○ |
耐久性 | ○ | ○ | × | △ | ○ |
安さ | △ | × | ○ | ○ | △ |
スプリングを利用したマットレスには、ボンネルコイルマットレスとポケットコイルマットレスがあり、ウレタンを利用したマットレスには低反発マットレスと高反発マットレスがあります。
また高反発マットレスと呼ばれるものに、最近ではウレタンではなくポリエチレン樹脂等を用いたマットレスが人気を高めてきました。
これらのマットレスについて次にメリット・デメリットをまとめましたので、マットレス選びの参考にしてください。
ボンネルコイルマットレスの特徴とメリット・デメリット
ボンネルコイルマットレスはスプリングマットレスとも呼ばれ、マットレスのなかでも古くから利用されています。中のスプリングが縦横全部繋がっているので、面で身体を支える安定感が特徴です。
その構造から他のマットレスと比べても強度があり、長持ちしやすいと人気があります。通常、マットレスの寿命は5~10年と言われていますが、ボンネルコイルマットレスは10年もつのは一般的です。
そのためホテルのマットレスはボンネルコイルマットレスを採用しているところが多いんですよ。実は耐久性だけじゃなく価格の面からみても、他のマットレスに比べ安くて扱いやすいんです。
ボンネルコイルマットレスのメリット
スプリングが全部繋がっているので耐久性があると説明しましたが、ボンネルコイルマットレスは体重が重い人でも安定感があり、しっかりと支えてくれます。
長年使っても比較的へこみにくいマットレスですし、価格も安いので経済的なメリットが魅力です。
布団などに慣れていて、比較的硬めの寝心地が好きな人にはボンネルコイルマットレスがおすすめです。
ボンネルコイルマットレスのデメリット
ボンネルコイルマットレスは面で身体を支えるため、凹凸の多い身体とはどうしても隙間が大きくなってしまいます。
そのため肩や腰のあたりなど、出っ張った箇所に身体の圧(体圧)がかかります。その部分は血の巡りが悪くなるため、血行を良くしようと寝返りの回数も増えて睡眠の質が悪くなってしまうのです。
さらに全てのスプリングが繋がっているため、ダブルベッドなどで2人で寝る場合は1人の揺らす振動が他方にも伝わりやすく、睡眠を妨害してしまう可能性が高いので注意してください。
ポケットコイルマットレスの特徴とメリット・デメリット
ボンネルコイルマットレスと同じように中にスプリングが入っていますが、1つ1つが独立して繋がっていないのがポケットコイルマットレスです。
ボンネルコイルマットレスが面で身体を支えるのに対し、ポケットコイルマットレスは点で身体を支えます。そのため、ボンネルコイルマットレスに比べて全体的に柔らかい印象があり、マットレスと身体のフィット感さえ感じられます。
ポケットコイルマットレスのメリット
ポケットコイルマットレスは点で身体を支えるため、寝たときに体圧が肩や腰などの出っ張った箇所へ負担をかけません。
身体全体で体圧を支えることができ、快適な睡眠が期待できるんです。
またダブルベッドなどで2人で寝る場合は、スプリングが繋がっていないため振動が伝わりにくいボンネルコイルマットレスを選んだほうが、ポケットコイルマットレスのように相手の睡眠を邪魔しません。
ポケットコイルマットレスのデメリット
ポケットコイルマットレスのデメリットは、耐久性の低さです。スプリングが独立してるため、ボンネルコイルマットレスに比べるとどうしても強度が弱くなってしまいます。
強度が弱い分、長年使うことによってマットレスのヘタれ具合も大きくなりやすいのがデメリットです。
さらに価格面で見てもボンネルコイルマットレスより高めで設定してあります。
低反発マットレスの特徴とメリット・デメリット
低反発マットレスは素材にウレタンを使用しています。アメリカのNASAが宇宙飛行士の負担を減らすために開発した素材で、押すとゆっくりと沈み込んで、離すとゆっくり戻ってきます。
身体へのフィット感は抜群で、特に冬の寒い日には低反発マットレスのベッドで丸まってぬくぬくすると幸せを感じます。
昔より価格も下がり、市場にも多く商品が並ぶようになってきたので、すでにお使いの方が多いかもしれませんね。
低反発マットレスのメリット
ボンネルコイルマットレスやポケットコイルマットレスに比べ、ウレタンを利用した低反発マットレスは軽くて持ち運びに便利です。丸めて袋に入れれば女性でも1人で簡単に運べます。
またマットレスが身体にフィットしてくれるので、体圧も分散されて身体の一部に大きな負担がかかることはありません。
価格はスプリングを利用したマットレスに比べやすいので、学生などの一人暮らしや単身者など、とりあえずマットレスが必要な人には気軽に購入できておすすめです。
低反発マットレスのデメリット
低反発マットレスは身体に密着する分、夏場など暑い夜には通気性も悪く湿っぽく、汗もかきやすくなるのでエアコンなどの暑さ対策が必要になります。
また柔らかすぎて身体が沈み込んでしまうため、寝返りが打ちにくく肩こりや腰痛の原因になるのがデメリットです。
さらにウレタンは傷みやすく買い替えの周期が短くなるため、経済的な負担が大きくなってしまうんです。
最近話題の人気商品!高反発マットレスの特徴
ウレタン素材のマットレスには低反発のものだけじゃなく、高反発のマットレスもあります。
柔らかすぎないため身体も沈み込まず、肩こりや腰痛に悩んでいた人にはおすすめのマットレスです。
先ほど、寝ている間の寝返りがとても重要だという説明をしましたが、高反発マットレスは反動も大きく寝返りを打つのをサポートしてくれるメリットがあります。
さらに最近オリンピック選手が愛用していることでも話題となったエアウィーブなどのポリエチレン樹脂を使用した高反発マットレスも人気なので、次に紹介しましょう。
一度寝たらやめられない!樹脂素材の次世代高反発マットレス
メーカーによってポリエチレンやEVA樹脂など多少の違いはありますが、最近はこうした繊維構造のマットレスに人気が高まっています。
ウレタン素材のマットレス同様、軽くて持ち運びに便利なだけじゃなく、通気性がいいため夏もムレる心配はいりません。
しかも、なんと水洗いまでできてしまう今までにない衛生的なマットレスです。これならダニやほこりアレルギーのお子さんがいても安心ですよね。
ウレタン素材のマットレスと違い耐久性も問題ありませんが、1つ気になるところを挙げると価格が少し高めだということです。
しかし高めとはいえ費用対効果を考えると、マットレスは毎日約8時間使うものだし、これで肩こりや腰痛が解消されて、毎朝スッキリ目覚められるとしたら大きなデメリットに感じることもなくなるでしょう。
ここまでマットレスの種類や特徴について紹介しましたが、気になるマットレスはありましたか?新しいマットレスを購入したら、なるべく清潔に保って長く使いたいですよね。
そこで次はマットレスのお手入れ方法としてやっかいなカビ対策と、血液の染み抜きについて紹介します。
カビ対策や染み抜きにはこれ!マットレスのお手入れ方法
マットレスは毎日長時間使用し、特に肌に触れるものなので清潔なものを使いたいです。しかし布団のようにベランダに干すこともできないため、部屋の湿度によってはカビが生えてしまう危険も。
そこで寝具メーカーに聞いたマットレスのカビ対策をお伝えします。さらになかなか落ちにくいマットレスの血の染み抜き方法も説明しましょう。
夏も冬も気を付けて!マットレスのカビ対策とカビの殺菌方法
マットレスのカビは、風邪で寝込んでいるときなど免疫力が弱っている場合、人体に悪影響を及ぼすためとても危険です。日頃からマットレスにカビが生えないよう対策しておく必要があります。
まずカビは湿気の多いところに生えますので、1日に1回は部屋の換気を行ってきれいな空気を取り入れてください。雨などで窓が開けられない場合は、エアコンや空気清浄機を利用するのが良いでしょう。
意外に気を付けなきゃいけないのが冬場の暖房です。
外気と部屋の温度差により結露した結果、カビが生えてしまうという事例も多くあるんですよ。
さらにマットレス周りの通気性を良くするため必ずベッドを使い、床にそのままマットレスを敷くようなことは避けてください。
また、寝ている間は想像以上に汗をかいています。その汗がマットレスに染み込んで湿っぽくなってしまうため、必ずシーツやベッドパッドを使用し、特に夏場はこまめに洗濯を行ってください。
最後にベッドの配置についてですが、壁際に寄せて置いている場合はどうしてもマットレス周辺の通気性が悪くなってしまいます。そのような場合は、ベッド下に除湿シートを敷いておくと湿気がとれてカビの発生を防ぐことができますよ。
- 部屋の湿度や温度差に気を付ける
- ベッドを使い、床にマットレスを敷かない
- シーツを使い、マットレスへ直に寝ない
- ベッド下に除湿シートを敷く
すでにカビが生えてしまった場合は、エタノールやオキシドールで消毒します。どちらもドラッグストアで簡単に手に入れることができる消毒液です。
だいたい100mlの容量が500円ぐらいで売られています。100円ショップなどでスプレー容器を購入し、スプレーにして使用します。手順は次のとおりです。
- カビの部分にエタノールをスプレーし、1時間ほど待つ。
- ぬるま湯につけた布でカビの部分をていねいに拭き取る。
- ドライヤーで乾燥し、夜まで陰干ししておく。
これでカビが殺菌できますが、黒い斑点までは消すことができません。
どうしても黒い斑点を消したい場合は、塩素系漂白剤のキッチン泡ハイターで漂白する方法もあります。
しかし、この方法はマットレスの生地を傷めてしまうので、色落ちなど気にしない人のみお試しください。
効果抜群!マットレスについた血の染み抜き方法
次にマットレスについた血の染み抜き方法を紹介します。血液はマットレスの汚れの中でも特に落としにくくてやっかいです。そんな血液の染みをきれいに落としてくれる方法がこちらです。
- ゴム手袋
- 過酸化水素水 50ml
- 液体せっけん 15ml
- 食塩 15g
- 白い布切れ
- 過酸化水素水と液体せっけん、食塩を混ぜてペースト状にする。
- ペーストをシミに塗って、乾燥するまでおいておく。
- 乾いたらシミを白い布切れで擦って落とします。
- 別の白い布切れに過酸化水素水を浸し、残りのシミ跡をたたくように擦ります。
過酸化水素水は皮膚に触れると炎症をおこすので、取り扱いの際には必ずゴム手袋を着用してください。
過酸化水素水はAmazonで1000円くらいで購入できますよ。
過酸化水素水はクリーニング店が染み抜きに利用している薬品で、その効果はお墨付きです。ぜひ試してみてください。
マットレス選び方で重要なポイントは寝返りのしやすさ
マットレスの種類やトラブル対策について説明してきましたが、いかがでしたか?マットレスは他の家具や家電と比べても使う時間が長いので、少々高くても良いものを選びましょう。
良いマットレスの選び方は、実際に5分ぐらい寝てみて寝返りを打ってみること。スプリングの太さやウレタンの強度によってマットレスの柔らかさは違うので、実際に寝て確かめなきゃいけません。
寝返りの打ちやすさは寝心地の良さに繋がるので、マットレス選びのときも実際に寝るだけじゃなく、必ず寝返りを打ってください。
マットレスの比較や特徴のところでも紹介しましたが、ある程度の反発があったほうが寝返りも打ちやすいので、高反発マットレスから試すのはどうでしょう。
エアウィーブなどのポリエチレン樹脂素材を使用した高反発マットレスなら、通気性や耐久性も抜群なので、大したデメリットもなく絶対におすすめですよ。マットレス選びの参考にしてください。