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牛乳の効能をご紹介!実は認知症予防や月経痛改善の効果まである!?

牛乳と言われれば、カルシウムが豊富で骨にいい、というイメージをお持ちの方も多いかと思います。その牛乳には、それだけではなくなんとアルツハイマー型の認知症に効果があったり、月経痛を軽減することができたりと、意外な効能まであるんですよ!

さらに、牛乳を加工して作られるヨーグルトは、優れた整腸作用を持つことでも知られています。

身近な食品だからこそ何気なく飲んでいるかもしれませんが、効能を知ることでより積極的に摂り入れ、健康づくりに役立てることもできますよね。

そこで、牛乳にはどのような効能があるのか、まとめてご紹介します!

牛乳にはこんな成分が含まれている!これが健康パワーの源です

牛乳にはカルシウムが多く含まれていることは、みなさんご存知のことと思います。ですが、牛乳にはそれ以外にも健康に役立つ成分が入っているんですよ。

では、牛乳にはどのような成分が含まれているのか、確認しましょう。

牛乳に含まれている成分

牛乳には、ビタミンやカルシウム、たんぱく質など、実に様々な栄養素が含まれています。

牛乳に含まれている栄養分には、以下のような特徴があります。

栄養分 特徴
たんぱく質 体内では合成できないアミノ酸をバランスよく含む、理想的たんぱく質。筋肉・血液を作る元になる。
脂質 小さな粒子の状態で存在しているので、他の脂肪よりも消化吸収されやすい
炭水化物 炭水化物のうち99.8%が乳糖。乳糖はカルシウム・鉄の吸収を高める働きを持ち、ビフィズス菌も増やす。
ミネラル(カルシウム・マグネシウムなど) ミネラルは骨の主成分であり、また筋肉の収縮や神経刺激の伝達など、生命を維持するために重要な働きをする。
ビタミン 水溶性・脂溶性のビタミンがどちらも含まれる。成長には欠かすことができない。

牛乳が学校給食にも採用されたり、病院でも飲用されたりするのも、納得です。

牛乳の種類と特徴

牛乳に含まれている成分をご紹介しましたが、牛乳には種類があるため、どの牛乳を飲んでも同じというわけではありません。

一般社団法人Jミルクによると、生乳を100%使用して作られる牛乳は、以下のような種類に分けられます。

牛乳
生乳(牛からしぼったままの乳)を加熱殺菌したもの

成分調整乳
生乳から乳脂肪分の一部を除去するか、水分の一部を除去し、成分を濃くするなどの調整を行った牛乳。

低脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%以上1.5%以下にしたもの。

無脂肪牛乳
成分調整牛乳のうち、乳脂肪分を0.5%未満にしたもの。

これは法令によって定められている内容で、生乳を100%使って作られた乳製品にも、これだけの差があるんですね。

また、生乳を100%使って作られた牛乳以外にも、以下のような種類の乳製品もあるんですよ。

【加工乳】
乳製品(生乳や脱脂粉乳、バターなど)を原料とし、乳成分を増やしたり乳脂肪分を減らしたりしたもの。無視乳固形分は牛乳と同じく8.0%以上と定められている。乳・低脂肪乳・濃厚ミルクなどがこれに当たる。

【乳飲料】
生乳や乳製品を主原料とし、それに乳製品以外の例えばコーヒーや果汁などを加えたもの。カルシウム・ビタミンなどが強化されたものもある。乳固形分は3.0%以上と決められている。

【特別牛乳】
乳等省令によって許可を受けた特別な施設で製造される、無調整牛乳のこと。許可を受けた施設は、飼育環境や牛乳処理施設が特に優れていると認められていて、この記事を書いた時点では国内に4か所のみしか存在しない。

同じように低脂肪のものでも、生乳が100%使用されているもの(低脂肪牛乳)と、加工乳があるということですね。

乳製品の種類によって栄養分に違いはあるの?

乳製品は、牛乳を始め様々な種類があることを確認しましたが、そうなる時になるのは栄養分ですよね。種類によって、栄養分に違いはあるのでしょうか?

乳製品の種類による栄養分には、以下のような差があります。
乳製品の種類別栄養分
牛乳の種類が変わっても、含まれる栄養分が極端に変わるわけではないということですね。大きく変わるのは、脂質の量です。そのため、脂肪分が気になる人は低脂肪牛乳を飲むなど、好みによって製品を選ぶことも可能です。

牛乳の期限は?

牛乳は1リットルパックなどまとめて買うことが多いので、気付いたら表示されている期限が切れていたという経験をされた方はいらっしゃいませんか?

期限が切れていても飲めるのかは気になるところですが、これは牛乳に表記されている期限の種類によって違ってきます。牛乳には、賞味期限が記載されている物と、消費期限が記載されている物があります。これらは、以下のように違います。

  • 賞味期限…充分食品の品質が保たれると考えられる期限
  • 消費期限…日持ちがしない食品につけられ、その日までに使いきってほしい期限

低温殺菌で作られた牛乳など、日持ちがしない商品には消費期限が記載されています。賞味期限の場合は、少し過ぎたからすぐに飲めなくなるとは言えないのですが、消費期限の場合はできる限り従った方が安全です。

また、これは未開封の状態での期限ですので、開封した場合はそれより短くなると予想されます。

分離しているなど見た目が明らかにおかしかったり、変な匂いや味がしたりなど、いつもと違う点がある牛乳は、飲まないようにしましょう。

牛乳に関する疑問、解消します!

先ほど牛乳に含まれる脂肪についてお話しましたが、牛乳は脂肪分が多く含まれているので、飲むと太るのではないか…といった心配があるかもしれませんね。そこで、牛乳に関するよくある疑問と、その答えをまとめてお伝えします。

【質問】
牛乳を飲むと太る?
【回答】
牛乳のカロリーは、200mlで138キロカロリーです。もちろんカロリーが無いわけではないのですが、肥満の原因と言えるほどの高カロリーでもありません。さらに、食品に関しては、含まれるカロリーと栄養分との比率を考えることも大切です。牛乳はカロリーに対して含まれる栄養分が多く、ダイエット向きの飲料でもあります。

牛乳にはある程度のカロリーが含まれていますが、それと栄養分との比率を考えると、むしろダイエット向きの飲料とさえ言えるんですね。どうしてもカロリーが気になる人は、脂肪分が少ない低脂肪牛乳などを飲む方法で対応できますね。

【質問】
加熱すると牛乳の栄養は壊れる?
【回答】
加熱調理をしても、栄養素がほとんど変化しないことがわかっています。牛乳に含まれる栄養素のうち、たんぱく質・ビタミンAやB群・カルシウムなどは、加熱してもほとんど変わりません。ただし、ビタミンCは加熱に弱いですが、もともと牛乳にはそれほど多く含まれていないので、影響は少ないと言えます。

加熱しても栄養分はほとんど変わらないのですから、牛乳が苦手な人の場合コーヒーやココアにして飲む、ホットミルクにして砂糖を入れるなどの方法で飲むこともできますね。

【質問】
牛乳でお腹の調子が悪くなることがある?
【回答】
これは体質によるもので、牛乳を飲むことでお腹の調子が悪くなるのは、乳糖不耐症によるものです。これは牛乳に含まれる糖質、乳糖を消化する酵素(ラクターゼ)がもともと少ない人またはその酵素の働きが悪い人に起こります。

乳糖不耐症の人の場合、以下のような方法で牛乳が飲めることもあります。

  • ゆっくり、少しずつ飲む
  • 人肌程度に温めて飲む
  • 牛乳単独ではなく他の物食べ物と一緒に摂る
  • 乳糖を分解しにくい人向けにあらかじめ乳糖が分解された商品を選ぶ
  • 牛乳の代わりに乳糖が除去または分解されているチーズやヨーグルトを食べる
子どもの頃は平気でも、大人になると乳糖不耐症になる人もいると言われていますので、今まで平気だったのに急にお腹の調子が悪くなり始めたという人も、これらの方法を試してみてください。乳糖不耐症は、日本人、特に性腎の男性に多いとも言われていますので、気になるようでしたら対策を考えてみましょう。

気になるカフェインとカルシウムの関係は?

もしかしたら、カフェインがカルシウムの吸収を妨げるという話を聞かれたことがある方もいらっしゃるかもしれませんね。気になるカフェインとカルシウムの関係はどうなのでしょうか。

カフェインの利尿作用でカルシウムが排出される可能性は確かにありますが、それはコーヒーを5杯以上など飲み過ぎた場合のみです。

カフェインを含む飲み物の中で、紅茶や緑茶には骨粗鬆症の予防効果もあります。。逆にコーラはリン酸という成分が多く含まれていて、これがカルシウムの吸収を妨げるため、飲み過ぎないようにする必要があります。

カルシウムはサプリメントで摂ってもいいの?

基本的には、体に必要な栄養素はできるだけ食事から摂る方が望ましいのですが、摂取量が足りないと思う場合には、サプリメントの使用も効果的です。

国外でも海外でも、サプリメントを使用した結果、骨の量が増えたり骨折を予防する効果が得られたりしたという研究結果が報告されているんですよ。

コップ一杯の牛乳には、私達の体が必要とする様々な栄養分が含まれているんですね。

牛乳にはいくつかの種類がありますが、栄養分が大きく違うわけではないので、脂肪が気になる人は低脂肪の物を選ぶなど、選択の幅が広いのも嬉しい部分です。

骨の代謝に役立つカルシウム、牛乳なら吸収率が高い!

牛乳について基本的な情報を確認しましたので、ここからは牛乳の効能について確認していきましょう。牛乳と言えばカルシウム、と言うのは有名な話ですが、特に牛乳に効果があるのには理由があるんですよ。

では、詳しく見ていきましょう。

カルシウムは体内でこんな働きをしています!

カルシウムは、成人の場合体重の2%程度を占めていると言われており、ミネラルの中では最も多く含まれる栄養成分です。なぜそんなに多くを占めているのかというと、骨や歯に含まれているからです。

なぜカルシウムを摂ることが大切だと言われるのかというと、カルシウムが体内で以下のような働きをしているからです。

  • 骨の代謝に関わり骨を強くする
  • ホルモン分泌に関わる
  • 血液の凝固に関わる
  • 筋肉の収縮や弛緩に関わる

このように、カルシウムは様々な生理機能に関わっており、心臓が拍動を繰り返すことができるのさえカルシウムの働きと言えるほどなんですよ。

カルシウムはどのように骨の代謝に関わっている?

骨が古くなると破骨細胞と呼ばれる細胞が骨を溶かし、カルシウムが沈着することで骨が修復され、新しい骨ができるという流れになっています。この流れが『骨代謝』です。

全身の骨は約3年で入れ替わると言われています。つまり、骨はずっと同じままではなく、代謝によって入れ替わっているんですね。そのため、カルシウムが足りないと骨は溶かされるだけで修復されないことになり、どんどん弱っていくというわけです。

カルシウム補給が骨を強くするために大切だと言われる理由が、よくわかります。

カルシウムは足りなくなると骨から奪われる!

先ほど、カルシウムはさまざまな生理機能に関わっていると言いましたが、そのためにカルシウムは骨や歯だけではなく血液中にも存在しています。実は、カルシウムが足りなくなると、生理機能を維持するために骨からカルシウムが取り出されてしまいます。

体は、生命を維持するために足りないカルシウムを骨から取り出して利用します。この状態が続くと、骨粗鬆症になってしまいます。骨粗鬆症とは骨がスカスカになって骨折しやすくなる病気のことです。骨粗鬆症は、一度なってしまうと治すのがとても大変なので、予防することがとても大切です。

カルシウムをしっかり摂取することが骨粗鬆症の予防になったり、骨や歯を強くしたりすることにつながりますので、積極的にカルシウムを摂取したいものです。そこで役立つのが牛乳なんですね。

牛乳に含まれるカルシウムの量

最初に確認したように、牛乳200mlに含まれるカルシウムの量は、227mgです。厚生労働省が定めている『日本人の食事摂取基準(2015年版)』によると、カルシウムの1日の推定平均必要量などは以下の通りとなっています。

推定必要平均量とは50%の人にとって必要量を満たすことができると推定される量、推奨量とは多くの人にとって必要量を満たすことができると推定される量のことです。ここでは、成人の場合を例として挙げています。

◎男性の場合

年齢 推定平均必要量 推奨量
18歳~29歳 650mg 800mg
30歳~49歳 550mg 650mg
50歳以上 600mg 700mg

◎女性の場合

年齢 推定平均必要量 推奨量
18歳~29歳 550mg 650mg
30歳~49歳 550mg 650mg
50歳以上 550mg 650mg

これを見ると、牛乳をコップ1杯飲むことで、推定平均必要量の3分の1以上のカルシウムが摂取できることになりますね。

牛乳はカルシウム含有量が多いうえに吸収率も高い飲み物!

牛乳がカルシウムを摂るのにいいとされるのは、単純に含まれるカルシウムの量が多いだけが理由ではありません。

牛乳は、含まれているカルシウムの量が多いうえに、吸収率も高い優れた飲み物なんですよ。

実は、食品に含まれるカルシウムは、全てが吸収されるわけではありません。カルシウムを多く含むと言われている食品のカルシウムの吸収率は、以下の通りです。

食品 カルシウムの吸収率
牛乳 約40%
小魚 約33%
野菜 約19%

小魚と言えばカルシウムがたくさん摂れる食品というイメージですが、それでも吸収率は33%程度なんですね。これを見ると、カルシウムが吸収されにくいことがよくわかります。

牛乳は牛乳のみではなく他の食品に含まれるカルシウムの吸収率まで高めます。食事に乳製品を足すことで、カルシウムの摂取量が上がります。そういった意味でも、牛乳をはじめ乳製品を積極的に摂りたいものです。

日本人はカルシウム不足になりやすい!?

実は、日本人はもともとカルシウム不足になりやすい状態にあります。なぜかというと、日本は火山が多い地形なので、土壌が酸性になりやすいからです。土壌が酸性だと、土の中に含まれるミネラルの量は減ってしまいます。欧米と比較すると半分程度と言いますから、かなり違いますね。

土に含まれるミネラルが少なければ、当然土で育つ野菜や土を通る水などのミネラルも少なくなります。カルシウムはミネラルの一種ですので、日本ではカルシウムが摂取しにくい状態にあると言えるわけです。

だからこそ、意識して摂取する必要があると言えます。

牛乳を飲むとカルシウムがしっかり摂れるというのは、牛乳にカルシウムがたくさん含まれていることだけが理由なのではなく、吸収率も高いことからくるんですね。

血液中のカルシウムが足りなくなると骨から取られると言いますから、普段から意識してかるし無を摂ることで、健康な骨を維持したいものですね。

牛乳でアルツハイマー型認知症の予防!?研究結果をご紹介!

牛乳は骨や歯を強くするだけではなく、なんトアルツハイマー型の認知症を予防できるという研究結果もあります。これが本当なら、かなり嬉しいですよね。

では、詳しく見ていきましょう。

牛乳と認知症に関する研究のご紹介

株式会社明治による研究の詳細は、以下の通りです。

【研究1】
対象者:60歳以上の認知症を発症していない人1081名
対象者の居住地:福岡県久山町
調査方法:牛乳と乳製品の摂取量を調査する
その後の調査方法:認知症の発症があるかどうかを17年間にわたり追跡調査する
調査結果:牛乳や乳製品の摂取量が多い人はアルツハイマー型認知症を発症するリスクが有意に低い

【研究2】
対象者:65歳以上で認知症発症が無く日常生活動作と生活機能にも問題が無い人1029名
対象者の居住地:福岡県久山町
調査方法:牛乳と乳製品の摂取量を調査する
その後の調査方法:生活機能の低下があるかどうかを7年間にわたり追跡調査する
調査結果:牛乳や乳製品の摂取量が多い人は知的能力が低下するリスクが有意に低い

ここでいう知的能力とは、書類を書いたり新聞を読んだりするような能力のことです。

これらの研究結果から、牛乳や乳製品の摂取量が多いと、アルツハイマー型の認知症を発症しにくく、さらに知的能力の低下も防げることがわかります。

牛乳がアルツハイマー型認知症を予防する理由

なぜ牛乳や乳製品を摂取することでアルツハイマー型認知症を予防できるのかというと、それには以下のような理由があります。

  • 牛乳や乳製品に含まれるビタミンB12がアルツハイマー型認知症の危険因子である血漿ホモシステイン値を低下させるから
  • 牛乳や乳製品に含まれるホエー蛋白がアルツハイマー型認知症の危険因子であるインスリン抵抗性を改善するから

実は、牛乳や乳製品には糖尿病に対しても効果があるとする報告もあります。末廣医院によると、もともと乳製品の摂取量が多ければ多いほど糖尿病の発症が予防されることがわかっていたと説明しており、牛乳には血糖値が急激に上昇するのを防ぐ作用があると考えられています。

それに加えて、乳製品の脂肪含有量との関係について研究した結果、以下のことがわかっています。

とはいえ、血管に関する疾患との関係もあるため、やみくもに高脂肪乳製品の摂取を進めるわけではないと注意がされていることにも注目が必要です。

また、逆に牛乳が1型闘病病の発症に関係しているという研究もあったのですが、それに関しては現在否定的な研究報告も出始めています。これらに関しては、さらなる研究が待たれますね。

牛乳を飲むことで、アルツハイマー型の認知症の発症率が有意に低くなるという研究結果が出ています。

これは、牛乳に含まれるビタミンB12やホエー蛋白がアルツハイマー型認知症の危険因子を低下させてくれるからなんですね。

牛乳で月経痛軽減!?その秘密はα-ラクトアルブミン!

牛乳には、とても意外な効果があります。それは、月経痛を軽減してくれる効果です。月経は毎月あるもので、この時期の痛みは女性にとってはとても辛いものですが、それを予防してくれる可能性があると言いますから、これは期待できますね。

では、そう言える理由を確認しましょう。

月経痛が改善されるのはα-ラクトアルブミンのおかげ!

株式会社明治が発表したレポートによると、月経痛の緩和に役立つのは牛乳に含まれるα-ラクトアルブミンという成分のおかげだということです。

このレポートの正式名称は、「健常成人女性における牛乳由来α-ラクトアルブミンによる月経痛緩和とQOL改善効果:ランダム化二重盲検プラゼボ対象クロスオーバー試験(2008)」と言います。

α-ラクトアルブミンのおかげで月経痛が緩和され、その結果QLO(クオリティ・オブ・ライフ、生活の質のこと)が改善されることがわかったということです。

カルシウムの精神安定効果でPMSの改善も期待できる!

PMSとは月経前症候群とも呼ばれ、月経がはじまる7日から10日前くらいから出る以下のような症状のことを言います。

  • 乳房が張ったり痛んだりする
  • 下腹部や腰が痛い
  • 吐き気や腹部膨腹満感
  • 便秘
  • 頭痛やめまい
  • 肌あれやニキビ
  • イライラや集中力の低下、憂鬱な気分になる
  • 怒りっぽくなる
  • 疲れやすくなる

このように、体にも心にも症状が出てしまうんですね。

月経前症候群のうち、特にイライラする気持ちや落ち込む気持ちを落ちつかせるのにカルシウムとマグネシウムが役立ちます。

牛乳にはカルシウムもマグネシウムも含まれていますので、PMSの改善効果が期待できるんですね。

さらに、体の不調の改善には以下の栄養素が役立ちます。

  • ニキビや吹き出物など…ビタミンB2
  • 肌荒れやむくみなど…ビタミンB6

牛乳にはこれらも含まれていますので、肌の調子を整えるのにも効果的です。

意外なことに、牛乳には月経痛やPMSを改善する効果もあると言います。それは、牛乳に含まれるα-ラクトアルブミンや、カルシウム・マグネシウムのおかげなんですね。

毎月のことなので、月経痛が辛い女性の方は、ぜひ牛乳や乳製品を積極的に摂るようにしてみてはいかがでしょうか。

牛乳から作られるヨーグルトには嬉しい整腸作用も!

牛乳だけではなく、乳製品にも牛乳と同じような健康効果があります。

中でもヨーグルトは発酵食品なので 、整腸効果なども合わせて期待できるんですよ。

では、ヨーグルトの効果について、詳しく見ていきましょう。

乳酸菌によるヨーグルトの効果

乳酸菌によって得られる効果には、以下のようなものがあります。

  • 整腸作用
  • 消化吸収を促進する
  • 免疫作用を高める
  • 花粉症などのアレルギー症状を緩和する

ヨーグルトに含まれる乳酸菌の種類によっては、風邪やインフルエンザを予防する効果を持つ物まであると言いますから、気になりますよね。

明治乳業の商品、R-1ヨーグルトがそうです。この商品には「ラクトバチルスブルガリクスOLL1073R-1」という特別な乳酸菌が入っているため、インフルエンザ等に効果があると言われています。マスコミに取り上げられたことで評判となり、スーパーやコンビニから姿を消した時期があるほど期待された商品です。

さらに、一般社団法人 Jミルクによると、ヨーグルトには以下のような良さもあります。

ただし、ヨーグルトにはビタミンCがあまり含まれていませんので、フルーツと一緒に食べることでより栄養価が高まります。ただし、たんぱく質を分解する性質をもつキウイやパイナップルなどを合わせると苦みが感じられることもありますので注意が必要です。

では、次に、ヨーグルトの種類による効果を見ていきましょう。

カスピ海ヨーグルトの効果

カスピ海ヨーグルトは、世界屈指の長寿地域としてよく知られる、ヨーロッパ東部のコーカサス地方で生まれました。カスピ海ヨーグルトに含まれる乳酸菌は「クレモリス菌FC株」と呼ばれるもので、生きて大腸まで届くことが特徴の乳酸菌です。

この乳酸菌を使って作られたヨーグルトは粘りが強いという特徴を持っていて、その粘りを出す成分をEPSと呼びます。この粘りが、以下のような健康効果を生み出します。

  • 食べ物を飲み込む力が衰えていても食べやすい(誤嚥しにくい)
  • 粘り成分であるEPSが免疫細胞を活性化させる
  • ストレスが原因の肌機能の低下を改善する
  • 食後の血糖値が上がりにくくなる

お年寄りでも食べやすいうえに栄養があり、さらに免疫も高まるとなると、これは嬉しい話ですね。

また、カスピ海ヨーグルト自体にも以下のような効果があります。

  • 整腸作用
  • アトピー性皮膚炎の緩和
  • メタボリックシンドロームに対する効果
  • 免疫力を上げる効果(風邪・インフルエンザに効果あり)

「カスピ海ヨーグルト」研究会では、これらに対する研究を全て公開しています。全てをご紹介するとかなりの数になりますので、メタボリックシンドロームに対する効果と免疫効果について見てみましょう。

【メタボリックシンドロームに関する研究】
方法:ラットを用いて、「クレモリス菌FC株」を含んだカスピ海ヨーグルト・粘り成分を含まない「クレモリス菌FC株」のみ含んだヨーグルト・牛乳と乳酸で作った疑似ヨーグルトをそれぞれ加えた餌を食べさせ、血液中の脂質について調べる
結果:カスピ海ヨーグルトを食べた群では余分なコレステロールが肝臓で回収された

【免疫を上げる効果に関する研究】
方法:カスピ海ヨーグルトとその他のヨーグルトを食べている人の風邪の症状を比較
結果:カスピ海ヨーグルトを食べる頻度が多い人ほど風邪の症状が軽い

ここでいう風邪スコアとは、発熱・喉の痛み・鼻水などの風邪の諸症状を数値化したもののことを言います。

どちらも、目で見て違いがはっきりわかりますね。

カスピ海ヨーグルトの作り方と注意点

カスピ海ヨーグルトは、自宅で作ることができることでも話題になりました。粉末種菌を用意すると、以下の方法でカスピ海ヨーグルトを作ることができます。

1、牛乳500ml(種類別牛乳と書かれている、未開封で新鮮なもの)と粉末種菌(3g)を容器に入れて溶け残りが無いようしっかり混ぜたあとふたをする。
2、20℃から30℃の場所で、固まるまで(24時間から72時間程度)放置する。
3、固まったら冷蔵庫で保管する。
4、容器中央部分のヨーグルトを、次の種ヨーグルトにするために取っておく。

種ヨーグルトを使って次のカスピ海ヨーグルトを作る場合も、作り方や種の分量は同じです。ただし、放置する時間は6時間から48時間程度となります。ヨーグルトの様子をよく見ながら作りましょう。

容器は、煮沸消毒でき、500mlの牛乳が入る大きさであれば問題はありませんが、ヨーグルトの様子が見やすいという点で考えれば、耐熱のガラス容器や耐熱のプラスチック容器がお勧めです。

ただし、手作りヨーグルトだからこそ、以下のような注意点もあります。場合によってはヨーグルトが腐ってしまう危険性もありますので、気をつけましょう。

  • 清潔に扱う
  • 種ヨーグルトは食べる前に取り分けておく
  • 固まった後長時間放置すると腐ることがある(特に夏場)
ヨーグルトの扱い方によっては、雑菌が入ってしまうこともあります。ヨーグルトを作る時に使う容器やスプーンなどは、清潔にしておく必要があります。使う前に熱湯消毒してから使うようにしましょう。種ヨーグルトを食べる前に取り分けておくのも、雑菌が入るのを防ぐためです。

ヨーグルトメーカーを使うことで簡単に作れますので、たびたび作る人は購入を検討してもいいかもしれませんね。

豆乳ヨーグルトはヨーグルトに分類される?

牛乳の代わりに、豆乳を発酵させて作る食品に、豆乳ヨーグルトというものがあります。ヨーグルトという名前はついていますが、これは乳製品ではありません。ヨーグルトという表記に対しては特に規定が無いため、乳製品を使っていなくても豆乳ヨーグルトと表記することは可能です。

ですが、種類別の部分では、乳製品ではないので“乳”の言葉を入れることはできず、品名は「発酵食品生菓子」という扱いになります。ヨーグルトという言葉が入っていても、乳製品ではないので消費者自身が区別することが必要なんですね。

豆乳ヨーグルトとしては、例えば特定保健用食品として認可されている豆乳で作ったヨーグルト(発売元:ソヤファーム)や、植物性乳酸菌を利用して作られた豆乳グルト(発売元:マルサンアイ株式会社)などが販売されていますので、気になる方は試してみてはいかがでしょうか。

豆乳ヨーグルトには、以下のような健康効果が期待されます。

  • ダイエット効果
  • 整腸作用
  • 免疫力の向上、アレルギーの改善
  • 生活習慣病の予防

ダイエット効果がえられるのは、豆乳にたんぱく質が豊富に含まれることが筋肉増加に繋がり代謝が上がるためと、ビタミンBに脂質や糖質の代謝を補助する働きがあるためです。豆乳ヨーグルトも発酵食品なので、腸内環境が整うことで整腸作用がえられます。また、腸内環境が整うことで、免疫を高めることも可能です。

さらに、大豆に含まれる大豆レシチンと呼ばれる成分が、血管の内側についたコレステロールを溶かす作用を持っています。そのため、高脂血症の予防に役立ちます。

とはいえ、乳製品ではないのでカルシウムはそれほど入っておらず、例えば先ほどご紹介した豆乳グルトの場合、100gあたりのカルシウムの含有量は15mgです。それに対して農林水産省が発表しているヨーグルトのカルシウム含有率は、100gあたり120mgです。

豆乳ヨーグルトは、水切りヨーグルトにしたり、きなこやバナナと合わせて食べたりなどしても美味しく食べられます。

豆乳ヨーグルトの作り方と注意点

自家製豆乳ヨーグルトの作り方は、以下の通りです。市販のヨーグルトを種菌ヨーグルトとして使う方法ですので、種を手に入れるのが簡単です。

1、成分無調整豆乳(100cc~150cc)と、好みのヨーグルト(小さじ1~1さじ半程度)を用意し、豆乳をレンジで20秒くらい、人肌程度になるまで温める。
2、温めた豆乳にヨーグルトを混ぜ、保温できる容器に入れる。
3、日当たりの良い温かい場所に置いておく。
4、1日~2日程度待って、固まったら出来上がり。

保存容器は、必ず綺麗に洗剤で洗って、自然乾燥させておきましょう。布巾で拭くと、雑菌が繁殖する可能性があります。

TGGヨーグルトもしくは豆乳グルグルヨーグルトという名前を聞かれたことがある方はいらっしゃいますか?これも豆乳を利用したヨーグルトの一種で、豆乳に玄米を入れることで乳酸発酵させて作る手作りヨーグルト(玄米発酵ヨーグルト)です。

ただし、玄米を使う豆乳ヨーグルトは、危険性が伴うとして注意喚起されているのも事実です。温めずに常温で発酵させる方法で作るので、どうしても雑菌が混ざる可能性が否定できないのです。そのため、できたものが酸っぱそうな匂いがしたり、実際に酸っぱかったりしたら、食べないようにしましょう。

それよりも、ヨーグルトを混ぜて温めながら作る豆乳ヨーグルトの方が、安全性が高そうです。

ヨーグルトは、牛乳の栄養分はそのままに、乳酸菌の働きによって整腸作用も得られるという嬉しい食品です。また、ヨーグルトの種類によって、特徴もあります。

ヨーグルトの中には手作りができるものもあるのですが、雑菌の繁殖などの危険性があることだけは知って、チャレンジしてみてくださいね。

牛乳は認知症予防や月経痛改善など様々な効果を持つ健康食品!

ここまでの内容から、牛乳には骨や歯を強くするのはもちろん、アルツハイマー型認知症予防や月経痛改善といった意外な効果まであることがわかりました。

また、牛乳を乳酸菌で発酵させて作るヨーグルトは、牛乳の健康効果に加えて乳酸菌による整腸作用も期待できるため、牛乳とともに積極的に摂りたい食品と言えます。

ただし、ヨーグルトを手作りする際には、雑菌の混入の可能性がありますので、その点だけは注意するようにしてくださいね。

身近で手に入りやすく、続けやすい牛乳を、ぜひ健康づくりに生かしてはどうでしょうか。

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