夏の寝苦しい夜にエアコンを使わず乗り切る方法!暑さ対策6選
夏に体調不良を感じる人は多いですが、あなたは大丈夫ですか?リサーチ会社のアンケートによると、夏の体調不良を感じた人のうち約55%の人が「冷房による外気温との差」が原因だと答えています。
半数以上の人が、夏にエアコンの冷房が原因で体調を崩しているなんて驚きですね。
職場など人が集まる場所では、なかなか自分の希望する温度設定に調節することは難しいですが、家に帰ってからは体に気を使い、エアコンの設定温度を上げたいところです。
また寝るときはエアコンを消したいぐらいですが、年々暑くなる日本ではエアコンなしで寝るのもつらく、寝苦しくて夜中に起きてしまう人もいるのではないでしょうか?
エアコンは便利ですが、電気代もかかるし長時間の使用は体調不良の原因にも繋がります。
今回は、エアコンによる体調不良の原因と、寝苦しい夜にエアコンなしで眠れる暑さ対策を紹介しますので、今夜からでも実践して夏の寝苦しい夜を乗り切りましょう。
夏の「クーラー病」は自律神経の乱れが原因
まずはエアコンによる体調不良の原因「クーラー病」について説明します。クーラー病は別名「冷房病」とも言いますが、どちらも正式な病名ではなく、主に冷房が原因で起きる自律神経のバランスが乱れた状態のことを指します。
クーラー病の症状は冷え性と同じで、体や手足の冷え、体のだるさ、疲労、食欲不振、頭痛、腰痛、肩こり、不眠などがあります。
自律神経は体の免疫やホルモンの働きとも深い関わりがあるため、女性の場合だと生理不順や生理痛の症状が出る場合もあるんです。
クーラー病はほおっておくと危険!会社を退職する事例も
恐ろしいことにクーラー病は、ほおっておくと夏に暖房が必要になるくらい体の調子がおかしくなります。これが原因で、会社を退職するなんて事例もあるほど深刻なんですよ。
クーラー病には段階があるので、早いうちから異変に気付いて冷房を控えたり、規則正しい生活や適度な運動で、自律神経を整える必要があります。
ここでクーラー病の段階別症状を紹介しておきます。
手先や足先に冷えを感じます。血液は生命維持に重要な内蔵や脳に流れていくため、手足の末端部分には血流が減って冷えを感じてしまいます。
・第2段階
末端部分だけでなく、腹部と下半身にも冷えを感じます。腹部が冷えるため胃腸障害、婦人科疾患、泌尿器疾患などの症状が出て食欲不振になります。
・第3段階
体全体に冷えを感じるようになります。夏の気温が高い日でもジャケットを羽織るなど、体温の調整が難しくなり、体のだるさや疲労を感じて頭痛や腰痛、肩こりに悩まされます。
夏型の体が混乱する!?自律神経が乱れるメカニズム
クーラー病の症状について説明しましたが、ではなぜ自律神経が乱れるか、その原因について説明しましょう。
人間の体は夏には夏型に、冬には冬型の体へと調整しています。
夏は体内に熱がこもらないよう血管を拡張し、熱を体外に逃がしやすくしているんです。
逆に冬は体内に熱を確保するよう血管を収縮し、逃がしにくくしています。
しかし、夏型の体でエアコンのよくきいた部屋に長時間いると寒さを感じ、自律神経が血管を収縮させ冬型の体に変えようとします。
このため自律神経は季節を混乱し、体の温度調節機能に乱れを起こしてしまい、夏の暑い時期でも冷えを感じ、頭痛や生理不順などの症状が出てしまいます。
夏の暑さによる体力消耗が主な昔からの夏バテとは違い、現代のようにエアコンが普及してからの新たな症状なので、新型夏バテとも言われ自律神経の機能低下を招きます。
根本的な原因はエアコンの長時間使用なので、エアコンを使わないのが一番の対策になり、家に帰って寝るときぐらいはエアコンを使わず過ごしたいですね。
しかし、夏の熱帯夜にエアコンなしで寝るのはちょっと大変ですよね。でも工夫次第では、エアコンなんて使わなくても適度な涼しさを感じながら眠れる方法があるので次に紹介しましょう。
エアコンを使わない寝苦しい夜の暑さ対策
現代ではエアコンの普及率が約90%と、多くの家庭で使用されていますが、その昔はエアコンがなくても知恵を絞ってどうにか涼しく眠れるよう、扇風機や氷枕を使って暑さをしのいできました。
それ以外にも今はジェルマットや除湿機、夏用入浴剤など、便利な暑さ対策がいろいろあるんですよ。
1、電気代はエアコンの10分の1以下!扇風機の使い方
エアコンの冷たい冷気が苦手で、夏は扇風機!と決めている人もいると思います。
エアコンに比べるとどうしても涼しさは劣るので、扇風機じゃ物足りないっていう意見が多いのも事実です。
しかし、使い方によっては扇風機でも十分に涼しさを感じられるし、扇風機のメリットは何と言っても電気代が安いことですよね。
どれだけ安いかというと、6畳用のエアコンと扇風機の電気代を比べて、その差は約10倍以上。
器具 | 10時間使用時の電気代 |
---|---|
エアコン(400W) | 103.64円 |
扇風機(35W) | 9.07円 |
扇風機ってそんなに電気代が安かったんですね。これなら2台、3台使っても、電気代はエアコンの3分の1以下という計算になります。
夏の暑い夜は熱気が部屋にこもりやすいので、扇風機を複数台使って部屋の空気をうまく循環させて窓から熱気を逃がしましょう。
これだけで部屋は涼しく保てるようになり、寝苦しさも緩和されます。さらに自分にあてる扇風機ですが、涼しさを感じようと枕元に置いている人がいるかもしれません。
実は、扇風機は枕元じゃなく、足元に置いたほうがいいとのこと。
発熱量が大きい足を冷やすことで体温を効率良く下げられるのです。
扇風機を枕元に置いた場合と、足元に置いた場合で実験をしたところ、20分後の状態を調べた結果、足元に扇風機を置いたほうが皮膚温度が下がっていました。
体が冷えすぎてしまうという人は、首振りやリズム風機能を利用したり、扇風機との距離を調節してみてください。
- 扇風機を複数使ってもいいので、部屋に熱気がこもらないよう空気を循環させる。
- 自分に向ける扇風機は足元に置く。
- 冷えすぎる場合は、首振りやリズム風機能を利用したり、距離を調節する。
2、夏のお風呂はひんやり気持ちいい!夏用入浴剤
夏は暑いので入浴もすっきり済ませたいですが、そんなときにお勧めなのが夏用入浴剤です。
入浴剤メーカーからは夏専用の入浴剤が販売されています。メントール配合のため、湯上がりにはひんやりした爽快感が得られ、とても気持ちいいです。
成分には炭酸水素ナトリウム(重曹)が含まれ、毛穴を開いて皮脂を落としやすくする効果があり、湯上りの肌をさらっとしてくれます。
湯上がりに28度ぐらいのぬるめの水でシャワーを浴びれば、肌が引き締まりさらにひんやり感を実感できるので、興味がある人はぜひ夏用入浴剤を試してみてください。
また、入浴剤ではないですが、お風呂に入れると同じようにひんやり効果が得られるハッカ油を紹介しましょう。
使い方としてはお風呂に3滴ぐらい入れて、よくかき混ぜてください。シャンプーやボディソープに混ぜても大丈夫です。
ハッカ油といっても3滴程度なので、油でベタベタという感じはありません。あまり入れ過ぎるとヒリヒリしてしまうので、注意してください。
ハッカ油をスプレーにして枕やシーツにふりかければ、寝たときに清涼感が得られて気持よく眠ることができます。
ここでハッカ油スプレーの作り方を紹介しましょう。
【材料】
- 無水エタノール 10ml
- ハッカ油 20滴
- 水 90ml
- スプレーの空容器 150ml以上
【作り方】
- 無水エタノール10mlと、ハッカ油20滴をスプレーの空容器に入れ良く混ぜます。
- スプレー容器に水90mlを加えて良く混ぜます。
無水エタノールはハッカ油と水を混ざりやすくするためで、これを入れないとスプレーしたとき肌がベタベタしてしまいます。
このハッカ油スプレーを枕やシーツに振りかければ、ひんやり冷たい寝具で眠ることができます。
ハッカ油には防虫効果もあり、ダニや蚊を寄せ付けなくする効果もあるので、是非試してみてください。
- お風呂には3滴ぐらい入れて、よくかき混ぜる。
- シャンプーやボディソープを使う際、1回につき1滴混ぜて使う。
- ハッカ油スプレーを寝る前に枕やシーツにふりかける。
- ハッカ油スプレーは防虫効果もある。
3、保冷剤で冷やすべき場所は頭、脇、股
アイスノンなどの氷枕や保冷剤は、昔から暑さ対策には定番のグッズです。
睡眠時は頭に熱がこもりやすく、不快感から眠りが浅くなってしまいがちです。氷枕をタオルに包んで頭の下に敷くことで、後頭部を冷やしよく眠れるようになります。
またケーキなどの洋菓子を買ったときについてくる保冷剤をタオルに巻き、脇や股の間にはさんで寝るのも暑さをしのげます。
脇や股には大きな血管が通っているので、この部分に保冷剤をはさむことで体を効率良く冷やすことができるんです。
- 氷枕はタオルに包んで使用する。
- 保冷剤はタオルに包んで脇や股にはさんで寝る。
4、触るとひんやり感じる寝具!ジェルマット
ジェルマットの枕やシーツを使うと、保冷剤と違い体全身がひんやりと冷たく感じます。
約1時間もするとマット表面の温度が体温に近づいて冷たさを感じなくなってしまいますが、寝返りを打つことによって寝る場所を変えれば、またマットの表面温度が下がり、冷たさが自然と蘇ってきます。
電気を使わず、自然な冷たさを半永久的に感じられるのでお得ですね。
お店でも夏場は寝具売り場によく展示されているので、気になる人は一度触ってみてください。
5、夏野菜を食べて、体の温度をコントロール
夏野菜を食べるのも夏のほてった体温を下げる1つの方法です。夏野菜とは、トマト、きゅうり、なす、ゴーヤ、バナナ、すいかなどです。
これらに共通するものはカリウムと水分を含んでいること。
カリウムと水分が多いと利尿作用が起こり、尿を出すことで体の体温を下げる効果があります。
東洋医学でも夏野菜は体温を下げる効果があると認められていて、春や夏に収穫できるもの、暑い地方で収穫できるものが特徴です。
夏に夏野菜を食べるのはとても理にかなっていたことなんですね。ここで気を付けなきゃいけないのが、逆に体温を上げてしまう食べ物についてです。
冬に収穫する野菜や、寒い地域で収穫する野菜は、体温を上げる効果があります。また寝る前に冷たい飲み物を飲むのも、急激に体温が低下して体が熱を溜め込もうと反応してしまうのでやめましょう。
寝る前の水分補給は常温か、体温が下がらない程度の冷たさにしてください。
- 夏野菜は体温を下げる効果があるためお勧め。
- 冬野菜は体温を上げる効果があるため控える。
- 寝る前に冷たい飲み物は避け、体を急激に冷やさないようにする。
6、部屋の除湿を行うと体感温度もだいぶ違う
除湿機やエアコンの除湿機能を使うのも暑さ対策には効果的です。夏の暑い日だと湿度はだいたい80%ぐらいですが、これを50%ぐらいまで下げると体感温度もだいぶ変わり、暑さもやわらぎます。
湿度は10%下がると体感温度が1度下がります。
除湿機で部屋の湿度を30%除湿すれば、体感温度は3度下がるということです。
また扇風機の風速が秒速1m増えると体感温度は3度下がります。
ちょうど扇風機の風量で「弱」が秒速1mなので、除湿機と扇風機を合わせて使えば体感温度を6度も下げることができます。
暑さに応じて除湿量や風量を調節すれば、エアコンなしでも朝までぐっすり眠れます。
- 部屋の湿度を10%除湿すると、体感温度は1度下がる。
- 風速が秒速1mの風を浴びると、体感温度は3度下がる。
エアコンなんて使わなくても、夏の暑さ対策は十分できる!
現在の社会ではオフィス内はもちろん、バスや電車などの移動中までエアコンが効いていて、体の温度調節機能が崩れやすい環境です。
家に帰ったときぐらいエアコンは、自分の体調と相談しながら使うようにしたいですね。
エアコンの風が体に合わないという人も、電気代が気になりエアコンはなるべく控えようと思っている人も、今回紹介した方法をいくつか試してみてください。
エアコンなんて使わなくても、きっと自分に合った暑さ対策が見つかると思います。