金縛りの原因は睡眠障害!霊よりも恐いナルコレプシーとは
あなたは、金縛りになったことがありますか?ある調査によると日本人の約半数もの人々が、今までに金縛りの経験があるという結果が出ているんです。
「かなしばり」ってよく霊に取り憑かれているんじゃないか?という話を聞きますよね。
海外にも金縛りはあるんですが、魔物のしわざとも噂されているんですよ。
でも実はこの金縛り、霊も魔物も全く関係ないんです。
金縛りは科学的に証明できる睡眠障害のひとつだということがわかっています。
え!?そんなはずはない!金縛り中に確かに人影が見えた!という方。それは霊ではなく、夢の一部だったんです。
今回は金縛りの原因やメカニズム、金縛りの解き方についてお伝えします。
金縛りが癖になって困っている人も、最近金縛りにあって幽霊に取り憑かれちゃったんじゃないかと心配な人も、きっと読んだら「なんだぁ~」と安心してもらえることでしょう。
でも油断は禁物です。金縛りはあくまで睡眠障害。
金縛りの原因には、恐い病気が隠れている可能性もあるので注意が必要なんです。
それでは、金縛りについてわかりやすく説明していきましょう。
金縛りの原因は「睡眠麻痺」と呼ばれる睡眠障害
金縛りは医学的に「睡眠麻痺」と呼ばれ、睡眠障害のひとつになります。
人間は寝ている間に深い眠りのノンレム睡眠と、浅い眠りのレム睡眠の2種類を交互に繰り返していますが、ストレスなどが原因でこのリズムが崩れてしまう場合があります。
睡眠リズムが崩れることにより睡眠麻痺、いわゆる金縛りになってしまうのです。
もう少し詳しく説明しましょう。
深い眠りのノンレム睡眠と浅い眠りのレム睡眠は、次のように脳と体が分かれて休息を取ります。
分類 | ノンレム睡眠(深い眠り) | レム睡眠(浅い眠り) |
---|---|---|
役割 | 脳の休息 | 体の休息 |
状態 | ・体は動ける ・夢を見にくい |
・脳は活動している ・目がキョロキョロ動く ・体は動かない ・心拍や呼吸が不規則 ・夢を見やすい |
通常の睡眠はノンレム睡眠から入り、レム睡眠、ノンレム睡眠の順で繰り返していきます。
しかし、ストレスや不規則な生活習慣などの影響でこの睡眠リズムが崩れるとレム睡眠から入ってしまい、体は寝ているので動けないのに脳は起きたまま意識はあるため金縛り(睡眠麻痺)になってしまいます。
また、真夜中や朝方でもストレスなどが原因で通常より眠りが浅くなることにより、睡眠リズムの中でも眠りが浅いレム睡眠時に脳だけ起きてしまう場合があります。
脳は起きても体は寝たままなので、金縛り(睡眠麻痺)になるというわけです。
睡眠麻痺はレム睡眠中に起こるため、自律神経の活動が不安定になり、心拍や呼吸が乱れて苦しくなる場合があります。
脳はその恐怖心とつじつまが合うような恐ろしい幻覚を作ってしまうので、金縛り中にはよく幽霊が見えたり、恐い思いをするというわけです。
金縛りの原因が睡眠麻痺という睡眠障害だとわかったところで、次は金縛りになったらどうすればよいか説明しましょう。
金縛りの解き方紹介!でも冷静にまた寝るのが1番
実際に金縛りになってしまったら、パニックで取り乱してしまうかもしれません。
そこで金縛りになったら思い出して欲しい対処法をお伝えしましょう。
金縛りになった場合でも目はキョロキョロと動かすことができます。
これは金縛りがレム睡眠中であるためです。レム睡眠中は、寝ている間も目が動くという特徴があります。
金縛りになったらまずは落ち着いて深呼吸をし、目を動かして自分は起きているんだという自覚を持ってください。
それでも動けるようにならなかったら、諦めて寝るしかありません。無理に動こうとしても、体は麻痺しているので動けません。
たとえ幽霊のような恐い幻覚が見えても「これは夢だ」と冷静に、再度目を閉じて寝てしまいましょう。
金縛りは10代後半が最も起こりやすく、年を重ねる毎にだんだん起こりにくくなっていきますが、頻繁に起こるようであれば、日頃の生活を改める必要があります。
金縛りの原因は主に4つ!規則正い生活で睡眠リズムを整えよう
それではなぜ金縛りになってしまうのか?次は、金縛りになる主な原因を4つ紹介します。
- ストレス
- 生活リズムの乱れ
- 体の疲労
- 興奮状態
金縛りになる原因は1つではありません。眠りが浅くなる原因や、睡眠リズムが崩れる原因がいくつか考えられますので、それらを取り除けば金縛りへの対策となります。
金縛りになる原因その1、ストレス
ストレスは自律神経の働きを乱して眠りが浅くなり、寝不足で睡眠リズムを崩してしまいます。
睡眠リズムが崩れると金縛りが起きやすくなるので、注意が必要です。
ストレスがなくなったのに金縛りに合うという人は、もしかしたら「なぜ治らないんだろう」と思っていることが新たな不安やストレスになり、金縛りを引き起こす負のループにはまっている可能性があります。
日頃からストレスを溜めないよう気を付けて、金縛りになっても慌てず冷静に対処しましょう。
金縛りになる原因その2、生活リズムの乱れ
日頃の生活が不規則になり、生活のリズムが崩れると体内で時間を管理している体内時計も乱れてしまいます。
すると睡眠リズムにも影響が出て、結果金縛りが起こりやすくなります。
日頃から睡眠時間をしっかり確保して生活リズムを整え、睡眠リズムを乱さないよう心がけましょう。
体内時計については「お肌のゴールデンタイムの新事実!美肌の作り方」の記事で詳しく説明しています。
金縛りになる原因その3、体が疲れている
普段あまり運動をしない人が急に激しい運動をするなど、体が疲れているときは金縛りになりやすくなります。
また、ジョギングや水泳などの有酸素運動を行う場合も、金縛りになる確率が高くなります。
過酷な有酸素運動でトレーニングを行っているスポーツ選手は、金縛りに頻繁にかかる人もいるようです。
普段より疲れが溜まっている場合は、睡眠中も体がより多くの休息を求めて、脳が起きても体は寝たままの金縛り状態になります。
金縛りになる原因その4、興奮状態のまま眠る
金縛りが起こるメカニズムとして、体は疲れていて脳は興奮状態のときに起こりやすいと考えられます。
旅行で歩き疲れた日に、ホテルなど普段と違う状況で寝るときは脳への刺激も大きく、興奮状態のまま寝てしまいますよね。
このようなシチュエーションで金縛りを経験したという事例も、今まで多く報告されています。
ホテルで金縛りにかかって、幽霊を見た!なんて話は昔からよく聞きますが、体の疲れと脳の興奮状態が原因だったんですね。
金縛りに隠された恐い病気「ナルコレプシー」について
金縛りは上で説明した以外に、ナルコレプシー(過眠症)という病気が原因の場合もあります。
この病気は脳疾患のひとつで、日中に強い眠気の発作症状が出る特徴があります。
ナルコレプシーは脳内でオレキシンと呼ばれる睡眠や覚醒を制御する働きがある物質が、減少したために起こる症状です。
日本では、600人に1人の割合でナルコレプシーが発症していて、ナルコレプシーの人のうち約25%が金縛りを経験しています。
1週間に1回以上金縛りが続く人は、原因としてナルコレプシーを疑ってみたほうがよいでしょう。
ナルコレプシーについては原因が明確になっていないため、まだ治療法の確立はしていませんが、現在のところ薬物による治療が一般的です。
そのため、眠気を覚ますための薬剤を服用し、眠気を抑えるという対処を行います。
なぜか日本は、ナルコレプシーの患者が世界で一番多いと言われているんです。
金縛りが頻繁に起こる人は、一度心療内科、神経科、精神科に相談することをおすすめします。
ストレスを解消し、規則正しい生活で金縛りを解消
初めて金縛りにあった人は、そのショックから眠るのが恐くなり、リラックスができないため睡眠の質も落ちてしまいます。
睡眠の質が落ちると、睡眠リズムが乱れてさらに金縛りになりやすくなります。これでは金縛りの悪循環に陥ってしまいますよね。
金縛りはただの睡眠麻痺で幽霊などは全く関係ないので、冷静に対処して金縛りを気にしないことが大切です。
運動で体が疲れた日や、旅行で興奮している日などは、一時的な原因でそれほど心配する必要はありませんが、ストレスや生活リズムの乱れについては、金縛りにかかった時点で改善を行わないと、不眠症など様々な病気に繋がる可能性もあります。
お風呂やヒーリング・ミュージックなどでリラックスを心がけたり、毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きるなど、規則正しい生活リズムを送ることが金縛りを解消するため、まず最初に行うべき予防法でしょう。
もし金縛りになってしまっても、慌てず冷静に対処してください。無理に動こうとしても疲れてしまうので、気にせず、また寝てしまうのが一番です。
この記事が金縛りに悩んでいる人に、少しでもお役に立てれば幸いです。