看護師さんの転職の悩みを解決!

看護師2年目で転職するメリット・デメリットと転職成功のカギ

看護師2年目で転職するメリット・デメリットと転職成功のカギ

看護師として働きはじめて2年目。新人の1年間はとにかく仕事を覚えることで頭がいっぱいで余裕もなかったけれど、少し周りが見えてくるようになる時期です。

お給料などの待遇が不満だったり、先輩ナースとの人間関係で悩んだり、忙しすぎる勤務状況で疲れ切ってしまったりしていませんか?もしくは「自分がしたかった看護と違う」など、看護師としての理想と今の環境とのギャップに悩む人もいるかもしれませんね。

そんな毎日のなか、「転職」という言葉が頭に浮かび始める人もいるのではないでしょうか。

「看護師になってまだ2年目なのに転職なんて早すぎる」そう言う人もいます。でも「2年目で辞める」ことは必ずしもデメリットとなるわけではありません。1年間で一通りの研修経験を積んできたのですし、経験が浅いほうが新しい環境には馴染みやすいからです。

この記事では、転職してから「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、看護師経験の浅い人が転職を決める前に知っておきたい、転職のメリット・デメリットや転職先を探すときの注目点など、転職を成功させるポイントを紹介しています。

新人看護師の離職、その実態とは

日本看護協会による「病院看護実態調査」で、2015年度の新卒看護職員の離職率は7.8%という結果が出ています。

およそ13人に1人の看護職員が1年以内に離職したということです。

実際の離職者がこの数字ということは、行動に移していなくても離職を考えて悩んでいる人はもっと多いはず。では新人看護師の離職する主な理由を見てみましょう。

新人看護師の主な離職理由
  • 人間関係に疲れた
  • 忙しすぎてついていけない
  • 業務内容に対して収入が低い
  • 夜勤がつらい
  • 看護師自体をやめたい
  • ほかの診療科に移りたい

この記事を読んでいるあなたにも、共感できる理由があるのではないでしょうか。同じ悩みを抱え、転職したいと思っている人はたくさんいるのです。

看護師2年目で転職するメリットとデメリット

転職したいと思ってはいても、「看護師になってまだ2年目で転職なんて早すぎるのでは」「転職先が見つからないかも」「ほかの病院でも待遇や人間関係が悪かったらどうしよう」などいろいろな不安がつきまとい、行動に移せない人もいるでしょう。

でも、デメリットだけではありません。看護師2年目の転職にはメリットもあります。

看護師2年目で転職するメリット
  • 新人のように1から教える必要がない
  • 新たな環境にも柔軟に対応できる
  • より成長できる可能性がある

看護師2年目ということは、最初の1年間に行われた大変な研修や試用期間を乗り越えてきたということ。転職先からすれば、新人のように1からすべて教える手間が省けます。

そして2年目とまだ経験が浅いのは、逆に新たな職場にも仕事にも柔軟に対応できる可能性が高いということ。そのほうが、長く経験を積んだ看護師よりも早く転職先に溶け込みやすいです。

さらに、看護師2年目であればまだ若い年齢の人も多いですから、新たな環境で看護師としてより多くのことを吸収し、成長できる可能性も大きいと言えます。

では看護師2年目で転職するデメリットも改めて知っておきましょう。

看護師2年目で転職するデメリット
  • 我慢のできない人間だと誤解されるおそれがある
  • 経験不足だと見なされるおそれがある

転職先の病院・クリニックに応募しても、採用担当者に「2年目で転職するということは、うちの病院でも長続きしないんじゃないか」と疑われるおそれがあります。

また、「臨床経験3年以上」などの条件で看護師を募集する病院もあり、看護師2年目では経験不足だと見なされる可能性もあるのです。

転職するなら、このデメリットを払拭しなくてはなりません。それにはどうしたらいいのか、このあと説明していきます。

看護師経験が浅い2年目での転職は、自分にはもちろん、転職先となる病院やクリニックにもメリットがあるのです。それでもやはり経験不足は否めません。

メリットもデメリットもきちんと把握したうえで、自分がこれからどうしたいかを考えるとよいですね。

看護師経験が浅くても転職に成功するカギは5つ

経験の浅い看護師が転職を成功させるためには、今の自分をよく知って目標をはっきりさせることが重要です。具体的には次の5つがキーポイントとして挙げられます。

転職成功のための5つのカギ
  1. 看護師として転職先に求める条件を明確にする
  2. 転職理由と看護師としての目標を明確にする
  3. 周りの人に相談する
  4. 転職するタイミングに気を付ける
  5. 希望する転職先の情報を集める

1、看護師として転職先に求める条件を明確にしておく

自分に合った転職先を見つけるために、また面接など採用試験対策のために、自分が転職先に求める条件をはっきりさせておきましょう。そのためにはまず自分の現状や希望、強みや弱みを知る必要があります。

転職前に明確にしておきたいポイント
  • なぜ今の病院あるいはクリニックから転職したいのか
  • どんな状況なら我慢や妥協ができるのか
  • 今の自分には何ができるのか、何ができないのか

明確な答えが見つからない人は、転職を決める前によく考えてみましょう。

この答えが、転職先を探す上で自分にとっての基準となります。もちろん、今後の自分の成長にも役立ちます。

自分の置かれた環境に対する不満が理由で転職する場合、現状や先のことをあまり考えずに決めてしまっては、今後も転職を繰り返してしまうことになりかねません。

ですから、譲れないところや妥協できるところもはっきりさせておきましょう。例えば「夜勤はがんばれるけど、休みが取りにくいのはイヤ」「しっかり教えてもらえる環境なら、お給料は多少は今より減っても平気」など。

新人看護師の離職率が高く、同じような悩みを抱えながら働いている人が大勢いるということは、残念ながらどこの病院に行ったとしても何かしらの不満が出てくる可能性が高いということでもあるのです。

2、転職理由と看護師としての目標を明確にする

転職理由や看護師としての目標を明確にし、自分が転職先の病院・クリニックで何がしたいかをはっきり言えるようにしておくことは、転職を成功させるために不可欠です。

転職理由は、履歴書にしても面接にしても、転職する際には必ずと言っていいほど聞かれます。それは、同じ理由で自分の病院・クリニックも辞められてしまうのは困るからでもあり、あなたがどういう看護師かを知る手がかりにもなるからです。

採用担当者が応募者の適性や能力などを判断する場合、まず注目するのは看護師経験の長さ。もちろん能力には個人差がありますが、経験年数が長いほど信用されやすいのは事実です。

その点看護師経験が2年弱となると、採用担当者はあなたの看護師としての適正や環境に適応する能力、信用できる人間なのかどうかなどを経験年数から測ることができません。

すぐ上の項目で説明した「看護師として転職先に求める条件」を明確にするべく自分をよく見つめれば、転職理由も看護師としての目標もはっきり言えるようになるはずですよ。

3、周りの人に相談する

看護師2年目で転職することは一大決心です。

悩んで答えが出せないときは1人で抱え込まず、思い切って周りの人に相談してみましょう。

たとえば学校の先輩や同期であれば、同じ経験・思いをしているかもしれません。その人の仕事に対する思いや勤務先への不満などを聞けば、自分の現状が客観的に見られるようになったり、目指す看護師像、希望の職場環境が具体的に見えてきたりします。

もしくは逆に「このまま今の職場で頑張ってみよう」と思うきっかけになるかもしれません。

4、転職するタイミングに気を付ける

看護師の転職には、タイミングも重要です。1年のうちで看護師求人が比較的多い時期を選べば選択肢が増えますし、年度末など退職者が増える時期には辞めづらい可能性もあります。

早急に今の職場を辞める事情がない限りは、焦らずじっくり自分の希望に合った病院・クリニックを探すことも大切です。

転職の時期については「看護師の転職におすすめな時期を紹介!ポイントは求人数の多さ」の記事で詳しく説明しています。

5、希望する転職先の情報を集める

看護師としての目標や仕事をする上で譲れない条件、転職したい理由がはっきりしたら、それを踏まえて新しい就職先を探します。

それには情報収集が必要です。看護師の求人サイトや病院・クリニックの公式HPなどを利用して情報を集め、自分の希望条件に合った「よりよい転職先」を見つけましょう。

誰かにとっては嫌な職場でも、自分にとってはよい職場かもしれません。でも、転職すれば今よりすべて良くなるとは限らないので、事前の情報収集は大切です。

よりよい転職先を見つけるための3つの注目ポイント

忙しい看護師の仕事をこなしながら、転職の情報を収集するのは大変かもしれません。それでも、よりよい転職先を選ぶには情報の見極めが肝心です。

看護師求人広告や病院などのHPに掲載されている情報のなかで、注目すべきポイントを3つ紹介します。自分の目標とする看護師に近づける環境が整っている病院やクリニックを選びましょう。

転職先を探す上での注目ポイント
  • 教育制度が整っているか
  • 福利厚生が充実しているか
  • どんな診療科目があるか

看護師の教育制度が整っているところを選ぶ

看護師2年目ということはまだまだ経験が浅く、覚えることもたくさんあるはずです。教育制度が整っているところで、きちんと教えてもらいたいですよね。

大学病院や県立病院など比較的規模の大きな病院には、独自の教育制度によって看護師の成長をサポートしているところが多くあります。

例えば通常は新人看護師が対象で、先輩看護師からマンツーマンで指導を受けられる「プリセプター制度」。これを中途採用の看護師にも実施している病院もあります。

病院・クリニックによっては、公式HPで看護師の教育制度を具体的に紹介しているところもあります。確認してみるとよいでしょう。

看護師の福利厚生が充実しているところを選ぶ

「福利厚生」とは何か知っていますか?

福利厚生とは

勤務先から従業員に支給される、給与以外の報酬のこと。法律で定められている健康保険や厚生年金、労災保険などの「法定福利厚生」と、勤務独自で定められる各種補助金や見舞金、社内行事などの「法定外福利厚生」の2種類があります。

これは勤務先が労働力の確保や定着、従業員の働く意欲の向上を目的として導入している制度です。福利厚生が充実しているほど、働きやすい職場であると言えますね。

結婚や出産を経ても働く女性が増えているため、育児手当や院内保育などの福利厚生を充実させている病院も増えてきています。また、給与は安くても福利厚生が充実している場合もあるようです。

自分の希望する診療科目があるところを選ぶ

「現在配属されている診療科目がどうしても自分に合わない」「別の診療科目に移りたい」という人もいるでしょう。誰にでも得意分野や苦手分野はあるものです。

もちろん、興味のある診療科目のほうが仕事にやる気が出るということもありますし、診療科目によって夜勤が必須だったり給料が高かったり、労働条件も変わってきます。

必ずしも希望が通るとは限りませんが、希望の診療科目を選び、その診療科目がある病院を調べておくことも転職を成功させるための大切なポイントです。

「自分に合った診療科目がわからない」という人は、「貴女の希望が生かせるのは?診療科別の仕事内容をご紹介!」の記事を読んでみてください。

情報収集のポイントについては「看護師必見!転職時に病院選びで失敗しない情報収集のポイント」の記事でも詳しく紹介しています。

看護師2年目の転職には準備が大切

看護師2年目で転職を成功させるためには、「第三者にも納得できる転職理由」と「経験不足を補うべく明確な目標に向けた努力」そして「新たな環境に柔軟になじむ姿勢」を採用担当者にアピールする準備が大切です。

看護師2年目にして転職することは、希望の転職先でも「仕事が長続きしないんじゃないか」「我慢が足りないのではないか」などと信用してもらえなかったり、経験不足で断られてしまったりするかもしれません。

その疑いを払拭して受け入れてもらうためには、まず今の自分をよく見つめて、目指す将来や希望の労働条件について考えることが重要です。それは採用担当者へのアピールとなるのはもちろん、これからの自分のためにもなります。

仕事にある程度の忍耐力が必要なのは、多くの人がわかっていること。それでも1人で悩まず、心と身体が悲鳴を上げる前に周りの人に相談することも大切ですよ。