全国のユニークな病院をご紹介

愛知県(名古屋市)のユニークな病院を3院紹介!

愛知県(名古屋市)のユニークな病院を3院紹介!

愛知県(名古屋市)には特徴のある病院がたくさんあります。

例えば、「南生協病院」は病院でありながらカフェや旅行代理店があったりと、まるでショッピングモールのような病院。

また、「あいち小児保健医療総合センター」は東海3県初の小児救命救急センターです。アニマルセラピーを実施したり、入院中の患者でも通学しやすいように隣接する学校と廊下を繋いだりと、ほかの小児科病棟の模範となれるような療養環境を作りだしています。

そして「さくら総合病院」は洋館のような建物が目を引く病院。施設入所者向けにドクターカーを運用、院内に看護師専用のネイルサロン完備など特徴がいっぱいの病院です。

この記事では、「南生協病院」「あいち小児保健医療総合センター」「さくら総合病院」の特徴やユニークな取り組みについてお伝えします。

病院らしくない病院?厚生労働省のモデル事例「南生協病院」

JR南大高駅の目の前に位置する「南生協病院」は一見すると、よく目にする綺麗な総合病院です。しかし一歩足を踏み入れると、そこには「病院らしくない病院」が広がっています。

開放感のある病院内には、フィットネスクラブに旅行代理店、図書館、吹き抜けのあるカフェなどなど、「病院らしくない」施設がたくさんあります。

なぜ、南生協病院にはこのような施設があるのでしょうか。実は病院の成り立ちに理由があるんです。

きっかけは伊勢湾台風!新築移転は「千人会議」で決定

昭和34年に発生した伊勢湾台風は愛知県にも上陸し、大規模な浸水により多くの被害者がでました。当時、南区の周辺は無医村。そのため、全国から医療救援などが駆けつけました。

その経験を経て「南区周辺にも診療所を」という声があがり、住民308名が出資金を出し合い、南医療生協を設立。

そして南医療生協は2つの診療所を設立した後、1976年に南生協病院を設立しました。地域医療や公害医療、企業の労働改善、社会保障充実などにも取り組み、現在では約60の事業を行っています。

住民の手から生まれた南生協病院は、2010年に新築移転。この計画は、生協の組合員たちが参加する「千人会議」によって進められました。この会議は45回にわたり約6,000人が参加。

組合員の声を生かすことで、さまざまな人が交流し合える「病院らしくない病院」が出来上がりました。

南医療生協の画期的な取り組みは、厚生労働省の「地域包括ケアシステム」のモデル事例として紹介されています。

南生協病院の基本情報
住所 愛知県名古屋市緑区南大高2-204
最寄り駅 JR「南大高駅」
病院HP 南生協病院
病床数 約310床

南生協病院は、個室の50%以上確保や緩和医療・血液浄化センターの拡大、救急医療の充実などにも力をいれています。質の高い医療を提供する南生協病院は「病院らしい病院」でもあります。

アニマルセラピーを導入!あいち小児保健医療総合センター

あいち小児保健医療総合センターは2016年に東海三県として初の小児救命救急センター認定を受けました。

PICU(小児集中治療室)を設置し、小児三次救急医療に対応するため小児救命救急センターの内容を強化。それに伴い、新生児・周産期部門もオープンしました。ドクターヘリの受け入れも行っていて、東海地方広域の小児救急患者の心強い味方となっています。

アニマルセラピーを導入!動物とのふれあいでストレス緩和を目指す

あいち小児保健医療総合センターでは、アニマルセラピーを実施しています。

アニマルセラピーとは動物とふれあうなかで、心を落ち着かせたりストレスを軽減させたりして心を癒すことです。

セラピーに参加するのは認定セラピー犬※や行動面などの安全性が保障されている犬たち。犬との触れ合い方などを学びコミュニケーションをはかることで、子どもたちのストレスを緩和していきます。

認定セラピー犬とは

日本動物病院協会の「人と動物のふれあい活動(CAPP活動)」で認定を受けた犬のこと。

さまざまな角度から子どもの治療を行っているあいち小児保健医療総合センター。子どもや家族の心理面にも配慮していて、入院している子どもと家族のために「どんぐりハウス」という宿泊施設も用意しています。

また、隣接する養護学校と廊下をつないでいるため通学がしやすく、院内には図書室も完備。ほかの小児科病棟の模範となれるような理想的かつ新しいコンセプトの療養環境を作り出そうと尽力しています。

あいち小児保健医療総合センター
住所 愛知県大府市森岡町7-426
最寄り駅 バス停「あいち小児センター」
病院HP あいち小児保健医療総合センター
病床数 約200床

小児科の仕事について興味のある人は「子ども好きの就職希望者殺到!?看護師が小児科で働くには?」を参考にしてください。

まるで洋館のような建物!さくら総合病院

洋風の外観が目をひく「さくら総合病院」。ここでは福祉施設の入所者を対象にした「ドクターカー」が活躍しています。福祉施設で入所者が病状の悪化などを起こした際に、医師と看護師が同乗したドクターカーが施設へ出動するという仕組みです。

このドクターカーはマンパワー不足解消の一翼を担うと期待されています。従来、福祉施設から病院への患者搬送には施設のスタッフが同行する必要があり、人手不足の原因の一つとなっていました。

しかしドクターカーには医師と看護師が同乗しているため、施設のスタッフが同伴する必要がありません。そのため入所者の病状が悪化した際の施設スタッフの負担は軽減されます。

「入所者への早期の対応」に「マンパワー不足の解消」、入所者にも医療従事者にも嬉しい取り組みですね。

病院内に看護師専用ネイルサロン完備!さくら総合病院のユニークな取り組み

ドクターカーのほかにも、さくら総合病院ではユニークな取り組みを行っています。

さくら総合病院は院内に看護師専用のネイルサロンを完備しているんです。

ここで施術したジェルネイルであれば業務中もネイルを楽しめるとのこと。ネイルひとつでも女性の気分は上がるものです。さくら総合病院では働く看護師にも気配りがされているようですね。

外観は可愛らしいですが、ドクターカーを導入して地域福祉の改善を図るなど志の高い病院ということがわかります。洋館のような建物にドクターカー、ネイルサロンなど個性豊かな「さくら総合病院」に注目です。

さくら総合病院の基本情報
住所 愛知県丹羽郡大口町新宮1-129
最寄り駅 バス停「さくら総合病院前」
病院HP さくら総合病院
病床数 約390床

さくら総合病院のホールには大きなアスクレピオス像があります。アスクレピオスはギリシア神話に登場する医術の神様。「アスクレピオスの杖」は世界保健機構(WHO)や世界医師会などのシンボルとして用いられています。

患者・医療従事者・地域住民を思いやる愛知県(名古屋市)の病院!

愛知県(名古屋市)には患者や医療従事者、地域住民を思いやる病院がいろいろありましたね。

「南生協病院」は地域住民の手によって作られた病院。そのためカフェを設置したり、多世代が交流できる場としても機能。

「病院が街になる」をコンセプトに作られた南生協病院は、そのコンセプトをまさに体現しています。

「あいち小児保健医療総合センター」は患者や家族のためにどんぐりハウスという宿泊施設を用意したり、動物との触れ合いで心を癒やしたりするなどの取り組みを実施。さまざまな角度から患者たちのケアやサポートを行っています。

また「さくら総合病院」はドクターカーの運用によって、マンパワー不足の解消に取り組んでいました。施設の入所者にも医療従事者にとっても嬉しい取り組みです。

思いやりがあふれる愛知県の病院からは、これからも目が離せません。