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脳卒中の最先端治療や全国初の短期入所介護施設!秋田県の病院を紹介

脳卒中の最先端治療や全国初の短期入所介護施設!秋田県の病院を紹介

秋田県には介護施設を設置している病院や、脳卒中の最先端治療を実施している病院があります。

JA秋田厚生連由利組合総合病院は、病院内に短期入所介護施設を設置。要介護者に、日常生活のお世話・機能訓練などの介護サービスを提供しています。

秋田県で最先端の脳卒中治療を行っているのが、秋田県立脳血管研究センターです。世界的に見ても稀な脳卒中専門研究機関として、広く知られています。

この記事では「由利組合総合病院」と「秋田県立脳血管研究センター」を紹介します。

JA厚生連病院内に初めて短期入所介護施設を開設!由利組合総合病院

JA秋田厚生連由利組合総合病院は、病院内に短期入所介護施設※「ふれあい ゆりの里」を設置しています。

短期入所介護施設とは

要介護者が施設に期間限定で短期間入所し、日常生活のお世話や機能訓練などの介護サービスを受けることのできる施設です。

「ふれあい ゆりの里」の事業内容について詳しく見ていきましょう。

24時間体制でサービス提供をする「ふれあい ゆりの里」

JA厚生連病院内の短期入所介護施設の設置は、全国で初めてのことです。「ふれあい ゆりの里」は施設利用者の心身機能の維持や、家族の身体的・精神的負担の軽減を目的としています。特徴は次のとおりです。

「ふれあい ゆりの里」の特徴
  • 24時間体制で施設利用者にサービスを提供
  • 緊急時は病院と連携して迅速に対応
  • 要介護者の家族不在時にも利用可能
  • 乳和食セミナーを開催

「ふれあい ゆりの里」では24時間体制で食事や排泄、入浴、機能訓練、健康管理などの日常生活上のサービスを提供しています。病院併設型の施設であることから、緊急時に迅速な対応をすることが可能です。

また要介護者の家族が病気や冠婚葬祭、出張などで介護できない場合も「ふれあい ゆりの里」を利用することができます。

家族の精神的・身体的な負担軽減のために、サービスを受けることができるのです。

さらに「ふれあい ゆりの里」では「JA健康寿命100歳プロジェクト」の一環として、セミナーを開催しました。このセミナーについて詳しく見ていきましょう。

入居者の健康のために乳和食の食事を提供

「ふれあい ゆりの里」では施設で働く職員を対象とした、乳和食※セミナーを開催しました。

乳和食とは

牛乳を使って作る和食のこと。味噌や醤油などに、コク味や旨味などを持つ牛乳を組み合わせて作ります。食材本来の風味や特徴を損なわずに、食塩やだしを減らすことが可能。

「乳和食」は、一般社団法人Jミルク・小山浩子さんの登録商標です(登録番号第5617188号、第5757772号)。

乳和食セミナーでは職員が実際に料理を作り、施設利用者に乳和食の食事を提供するための調理法を学びました。乳和食を施設利用者に提供するメリットは次の2点です。

乳和食を提供するメリット
  • 施設利用者の健康増進
  • 減塩料理をおいしく食べることが可能

乳和食の料理は塩分が少なく牛乳の栄養素も取れることから、施設利用者の健康増進に期待ができます。乳和食の食事は「コクが出ておいしい」「自然の甘さが引き立ち食べやすい」と施設利用者にも好評です。

一般的に知られている減塩料理は味付けが薄いものが多く、おいしくないと言われています。

しかし乳和食の食事は食材本来の風味や特徴を損なわず、おいしく食べることができるのです。

健康増進のための食事が乳和食でおいしく食べられることは、施設利用者やその家族にとって喜ばしいことですね。

JA秋田厚生連由利組合総合病院の基本情報
住所 秋田県由利本荘市川口字家後38
最寄り駅
(所要時間)
JR羽後本荘駅
(車で5分)
公式サイト JA秋田厚生連由利組合総合病院
病床数 606床

由利組合総合病院の看護部では「ふれあい健康相談」を開催しています。外来患者さんは待ち時間などを利用して、看護師に健康相談をすることが可能です。地域の人々と深く関わりながら働きたい人におすすめですね。

日本で唯一の脳卒中専門研究機関!秋田県立脳血管研究センター

地方独立行政法人秋田県立病院機構秋田県立脳血管研究センターは、日本で唯一の脳卒中専門研究機関です。秋田県立脳血管研究センターの特徴は次のとおり。

秋田県立脳血管研究センターの特徴
  • 予防・診断・治療までをトータルで研究
  • センター独自の研究で、有効な治療法を確立
  • 最新の検査機器を導入
  • 紹介状がない患者さんも診療
  • 専門医を養成する教育病院として認定

脳卒中の治療は、秋田県立脳血管研究センター内の脳卒中診療部で行っています。脳卒中診療部の診療方法や使用する機器について、詳しく見ていきましょう。

チームで患者さんの治療を行う脳卒中診療部

脳卒中診療部では神経内科医と脳神経外科医、循環器科医、理学療法士でチームを組んで、脳卒中の患者さんの治療を行います。それぞれの専門性を発揮しつつ、知識を補い合いながら診療しているんです。

また患者さんが入院する病室には、それぞれの担当看護師チームがついています。

脳卒中診療部は看護師チームの協力を得て、診療を行うのです。

さらに脳卒中の診療のため、最新の診断機器も導入しています。最新の診断機器は次の3つです。

脳卒中診療部に導入された診断機器
  • 3テスラMRI(※1)
  • 320列検出CT(※2)
  • PET/CT(※3)
※1:3テスラMRIとは

磁石と電波を利用して、体の断面をさまざまな方向から画像化する機器のこと。3テスラMRIは従来の1.5テスラMRIの2倍の静磁場強度があり、より多くの疾患を描出することができます。

※2:320列検出CTとは

X線を利用して体の断面を画像化する機器のことです。従来のCTよりも被ばく量が低減されており、検査時間も大幅に短縮。心臓や脳疾患に対して、迅速かつ高精度の検査ができます。

※3:PET/CTとは

検査薬を静脈に注射し全身を撮影するPET検査と、X線を利用して体の断面を画像化するCT検査を併用した機器のこと。検査の時間差による画像のずれを防ぎ、高精度に位置合わせが可能です。

脳卒中診療部を中心としたチームは毎日の回診やカンファレンスで、より新しい知識や技術の習得・共有を行っています。

脳卒中診療部では、現在も分からないことが多く残されている脳卒中に対して、最先端の治療を行うことができるように取り組んでいるのです。

秋田県立脳血管研究センターの基本情報
住所 秋田県秋田市千秋久保田町6-10
最寄り駅
(所要時間)
JR秋田駅
(徒歩で約7分)
公式サイト 秋田県立脳血管研究センター
病床数 184床

秋田県立脳血管研究センターでは、24時間体制で救急診療を行っています。脳卒中になった患者さんを1秒でも早く治療するため、屋上のヘリポートでドクターヘリコプターの受け入れもしているんですよ。

県民の健康づくり推進のために取り組む秋田県の病院に注目

秋田県には患者さんや施設利用者のために、様々な取り組みをする病院がありましたね。

由利組合総合病院では、短期入所介護施設「ふれあい ゆりの里」を開設。乳和食の食事を利用者に提供することで、利用者の健康増進を図っています。

日本で唯一の脳卒中専門研究機関として診療を行っているのが、秋田県立脳血管研究センター。チームでの医療提供や最新機器を使用した診断で、患者さんに最先端の脳卒中治療を実施しているのです。

秋田県は健やかで生き生きと暮らすことができる社会を目指すため、平成16年4月に「健康づくり推進条例」を制定しています。

秋田県の病院が健康づくりのためにどんな取り組みをしていくのか、これからも目が離せませんね。