夜勤なし!美容整形外科で働く看護師のメリット・デメリット
女性なら誰しも「美しくなりたい」と思うもの。世間で「美容」に関する感心が高まれば高まるほど、美容整形の需要は大きくなります。
年間100万人の人々が施術を受ける日本は、世界でも第4位の整形大国です。最近は総合病院や大学病院の形成外科に美容整形外科を併設する病院が増えてきて、看護師の転職先として美容整形外科も人気が出てきました。
その理由は独自の給料システム。美容整形外科は自由診療のため、努力次第で月収50万円以上を日勤のみで稼ぐことができます。また、社割で施術を受けられたり、ドクターズコスメを安く購入できたりとメリットがいっぱいです。
今回は綺麗になりたい女性をサポートする美容整形外科の仕事内容や、なぜ夜勤がないのに年収が高いのかという気になる部分についても紹介しましょう。
美容整形外科と一般の病院との違いとは
病院やクリニックによって、美容整形外科・美容整形・美容外科など呼び方は様々ですが、内容的には次のような施術を行います。
- 脱毛
- 豊胸手術
- 二重まぶた手術
- ほくろ、シミの除去 など
病気やケガの治療と違い、これらは医療目的ではないため健康保険の適用ができません。
そのため自由診療となり、病院やクリニックが自由に料金を決めることができ、技術に自信があれば高い診察料を設定できるのです。
その分、看護師に支払われる給料も高いことが多いですが、インセンティブ制を取り入れるなど独自の給料システムを採用している美容クリニックもあります。
患者さんを勧誘したりコスメ商品を購入してもらい、契約数や販売個数などの営業ノルマを達成したスタッフに報奨金を支払う制度です。
一般の病院と美容整形外科ではこの点が大きく違い、営業スキルもキャリアアップに大きな役割を果たすのが特徴的です。
美容整形外科の仕事は大きく分けて2つ
美容整形外科について説明しましたが、次に具体的にどのような仕事内容があるのか紹介しましょう。美容整形外科では大きく分けて次の2つの仕事があります。
- 手術介助
- 患者さんのカウンセリング
1、手術介助
1つ目は手術介助です。豊胸や脂肪の吸引、一重を二重にする整形手術のサポートを行います。
病気やケガの治療とくらべると、そこまで大きな手術は行いませんが、看護師は装置の準備や麻酔状態の患者さんの体調管理を行います。
そのため病棟でオペの経験がある看護師は活かせる場面があります。しかし多くは新しく学ぶ技術ばかりのため、オペ経験が必須というわけではありません。
脱毛など美容外科特有の施術も多いため、未経験者を対象にした研修制度が整っているクリニックも多く、働きながら仕事を覚えることができます。
2、患者さんのカウンセリング
2つ目に患者さんのカウンセリングがあります。美容整形を行う患者さんは、どこか体にコンプレックスを持っています。どの施術を行うことで患者さんが抱える悩みを解消できるか、親身に聞き出しながら最適な治療法や施術を提案する重要なお仕事です。
そのため、誰とでもコミュニケーションが取れる社交性や、明るさ、清潔感などがあるとより活躍の場が広がります。さきほどインセンティブのことを説明しましたが、患者さんと良いコミュニケーションが取れることで病院の売り上げに貢献し、報奨金がもらえることもあるのです。
患者さんの中には美容意識が高い人も多くいます。
美容について正しい知識を持っていないと適切なアドバイスもできないため、常に自分自身が美容に関して興味を持ち、最新の知識や技術を持っておくことが必要です。
しかし、経験がない方でも研修制度が充実している美容整形外科が多いので、何も心配することはありません。どうしても不安な場合は、面接時に質問してみましょう。
美容整形外科で働く看護師の1日のスケジュール
美容整形外科での仕事内容について説明しましたが、次は実際に美容クリニックで働いている看護師の一日のスケジュールを紹介しましょう。
9:45 | 出社、朝礼 |
---|---|
10:00 | クリニック開院、準備、手術介助 |
12:00 | ランチ |
13:00 | レーザー系の施術 |
16:00 | 準備、手術介助 |
19:00 | 退社 |
ここで紹介した美容クリニックはスケジュールを見てわかると思いますが、患者さんのカウンセリングは行わずに手術介助がメインになっています。
大きなクリニックだと、医師や看護師以外に美容カウンセラーが在籍し、患者さんのカウンセリングは美容カウンセラーが担当するケースもあります。
営業が苦手だけど美容整形外科で働きたいと考えている看護師の方は、規模の大きな病院やクリニックを選ぶと手術介助に専念することができます。
また、患者さんは仕事の休みの日に施術しに来院しますので、美容クリニックは夏休みやゴールデンウィーク、年末年始が繁忙期なんです。
繁盛期になると残業時間も増えて、退社が夜の9~10時頃になる美容クリニックも多くあります。土日祝ももちろん営業ですので覚悟しておきましょう。
繁忙期なども決まっているので、病棟勤務と違ってプライベートのスケジュールが立てやすいのも助かります。
美容整形外科の年収って夜勤がないのに高いって本当!?
気になる年収に関してですが、美容整形外科で働く看護師の中には年収1,000万円稼ぐ人もいます。インセンティブ制度があったり美容整形外科は自由診療で施術料を自由に設定できるため、看護師の年収にも大きな幅があるのが現状です。
ただ、インセンティブ制度を採用していないクリニックでも、ベースの月収が未経験で30万円以上に設定されているクリニックが多く、夜勤がなくても高待遇な職種であることがわかります。
美容整形外科で働く看護師の年収は、平均して400~600万円ぐらいです。
さらにインセンティブ制度を採用しているクリニックで、自分の営業力で患者さんに施術をしてもらうことができれば、その分お給料に反映してもらえるのは嬉しいですね。頑張った分だけ評価してもらえることは、仕事のやりがいにも繋がります。
インセンティブに関しては各クリニックでシステムが異なり、全くないところもあれば、少ないところ、多いところなどバラバラです。
看護師で働いていると自分の営業力は未知数の方ばかりだと思います。
美容整形外科の求人を探していてインセンティブが多く、給料が高いクリニックが魅力的に見えるのは当然ですが、まずは下限を見て最低ラインの給料で判断するようにしましょう。
営業が苦手という人や、安定した収入を得たいという希望もあると思うので、個人の働き方に合う職場を選んでください。
夜勤なし!美容整形外科で働くメリット3つ
次に美容整形外科で働くメリットについて紹介します。メリットについては次の3つが上げられます。
- 夜勤がない
- 高収入が期待できる
- 社員割引がある
メリットその1:夜勤がない
夜勤が続くと体力的にもしんどくなり、いつまでこの仕事を続けるんだろうと先が真っ暗に感じてしまう日もありませんか?体力的にもハードですが、病棟で働く場合は重症の患者さんがいたりと精神的にもハードなので、余計疲れが溜まってしまいますよね。
美容整形外科の患者さんも悩みがあるとは言え、交通事故やがん患者というわけではないし、なにより夜勤がないのが魅力的です。
さらに診療は予約制なので、残業時間も限られています。病棟で働いていて友達との付き合いや家族との時間、プライベートを犠牲にしていると感じたときは、思い切って美容整形外科への転職を考えてみましょう。
メリットその2:高収入が期待できる
夜勤に嫌気がさして転職を考えていても、給料が下がるんじゃないかと心配で踏みとどまっている人はいませんか?
看護師資格を活かしながら、美容整形の営業分野にも自分の可能性を広げてみれば、年収1,000万円も夢ではありません。
営業に自信がなくても美容に興味があり、常に自分を高めていける人なら、その魅力に気付いた周りの人から声をかけられることだってありますよ。
好きを仕事にできて、さらに高収入まで期待できるとなれば、仕事のやりがいも大きく感じることができそうですね。
メリットその3:社員割引がある
美容整形外科で働く1番のメリットがこれだと感じる人も多いかもしれません。スタッフは社員割引が適用され、通常より安く施術を受けることができます。美容整形外科で働く人ならもともと美容に関心が高い人が多いと思うので、このメリットはとても魅力的に感じられますよね。
社員割引の度合いは10~20%などそれぞれですが、中には看護師同士の練習として脱毛の施術を無料で行えるなんてクリニックもあるそうですよ。
自分に美容整形を行えば、それを友達に見せれば自分自身が広告となって営業ができ、高収入も期待できます。好きなことを仕事にできて、さらに高収入も得ることができるため、まさに人気の職種と言えますよ。
クレーム対応など美容整形外科で働くデメリット3つ
次は美容整形外科で働くデメリットについて紹介します。デメリットについては次の3つが上げられます。
- 医療スキルが落ちる
- ノルマがある
- クレーム処理がある
デメリットその1:医療スキルが落ちる
美容整形で働く看護師の仕事は手術介助もありますが、一般の病院に比べ医療のスキルアップはそれほど望めません。看護師としてキャリアアップを目指している場合は、美容整形外科への転職は控えたほうが良いでしょう。
医療業界では、美容整形外科で働いた経験は臨床経験としてカウントされません。5年美容クリニックで働いて一般の病院に転職しても、技術面では新卒扱いになってしまうので注意してください。
せっかく看護学校や一般の病院で学んだ医療スキルも美容整形外科ではあまり使う場面がないので、どんどん衰えていってしまい不安を感じる人もいます。
デメリットその2:ノルマがある
美容クリニックの中には看護師に営業ノルマが設けられている場合もあります。1ヶ月の患者さんの紹介数や、化粧品の売り上げなどに目標数が設定され、このノルマがプレッシャーになる看護師もいるようです。
ノルマが達成できなかったからといってクビになることはありませんが、給料に手当がつかなかったり同僚と大きな差がついてしまっては、当然へこんでしまうことだってありますよね。
ノルマがない美容クリニックもありますので、求人広告をよく確かめたり、面接のときにノルマがあるかどうかちゃんと確かめるようにしましょう。
デメリットその3:クレーム処理がある
美容クリニックに来る人は多額の費用を払って自分のコンプレックスを解消しようと考えています。美容意識が高い分、施術の結果についても理想が高いものを要求され、そこで満足な結果が得られなかった場合は大きなクレームになるケースもあるんです。
医院長や担当医師がクレーム処理を行うときもありますが、多くの場合は看護師や受け付けを行う美容カウンセラーが対応します。
各病院やクリニックにはそのようなクレームに対処できるようお客様対応のマニュアルを用意していますので、研修期間によく目を通しておいて問題が大きくならないよう親身に対応していきましょう。
さらにトラブル時には、看護師でもクレーム処理を行わなければいけない状況もあるので病棟とは違った仕事の大変さも覚悟しておかなきゃいけませんね。
美容整形外科が向いてる人と求人広告のチェックポイント
美容整形外科への転職ですが、営業の面も兼ね備えていたり、看護師といっても特殊な業界ですので、美容整形外科に向いている人について紹介します。
美容整形外科に向いてる人その2:コミュニケーション能力の高い人
美容整形外科に向いてる人その1:美容意識の高い人
美容クリニックに来る患者さんは、美容意識の高い人が多いです。美容クリニックで働くスタッフは、負けないぐらい美容に気を付けている人じゃなければ、クリニックとして美容を勧める説得力もありません。
求人広告には書かれていなくても実際は見た目が若く、清潔でスタイルや身なりが良い人材を募集しています。
病棟では勤務中、美容に関してそこまで気にしていなかった人も、面接のときは身だしなみに気を付けましょう。
美容整形外科に向いてる人その2:コミュニケーション能力の高い人
美容クリニックで働く看護師はコミュニケーション能力も重要視されます。クリニックとしては利益を上げていかなくてはいけないため、患者さんと良い関係を保ちながら、クレームがあった場合は柔軟に対応できる能力も必要です。
- インセンティブ制度の有無
- ノルマの有無
- 評判や口コミの確認
インセンティブ制度がある美容クリニックは、本人の努力次第でお給料をアップすることができます。自信がある人はインセンティブ制度のあるクリニックを選びましょう。
ノルマの有無も重要です。求人広告には書いてない場合は、念のため面接で質問してみると間違いがなく、転職して後悔することもなくなります。
また、求人広告だけでなく、口コミサイトにて病院やクリニックの評判を確認するのも怠ってはいけません。評判の悪いクリニックはスタッフのお給料にも業績が影響してきますので、最低でも平均以上の病院やクリニックを選びましょう。
後悔しないため求人に応募する前にいろいろ調査することは多いですが、面倒な場合は転職支援サイトの転職エージェントにお願いするのも1つの手段です。
さらに応募前には必ずそのクリニックのクチコミはチェックしておいてください。
自分も綺麗になれて、患者さんにも喜ばれる美容のプロ
自分自身、美容に関心があり「美しくなりたい」という美容意識が重要視される職場だということを認識しておきましょう。
福利厚生で社員割引を利用できる職場なら、実際に脱毛や脂肪吸引などの施術を試したりドクターズコスメを利用して、患者さんにいつでも適切なアドバイスができるよう準備しておくのも良いと思います。
自分も綺麗になれて、患者さんの悩みやコンプレックスも解消できる職場なので仕事へのやりがいは十分感じられるお仕事ではないでしょうか。
とくに夜勤がないのに高待遇なのはとても魅力的ですよね。
美容整形外科に興味が湧いてきたら、自宅の近くで求人があるかどうか転職サイトで情報収集してみてはいかがですか?
夜勤がない分、転職後の年収も下がると思われがちですが、美容整形外科の独自の給料システムはうまく利用すれば年収アップも期待できます。