科別の看護師さんの仕事をご紹介

心療内科に注目!看護師が働きやすいメンタルヘルスの現場

心療内科に注目!看護師が働きやすいメンタルヘルスの現場

メンタルヘルスに興味のある看護師さんは居ませんか?近頃は、精神科だけでなく心療内科にも人気が集まっています。

周囲に心療内科の開業医が増え、その存在が気になっている方も多いのではないでしょうか。でも一方で、そのお仕事の具体的内容は、外からはなかなか伺い知ることができません。

そこで心療内科の看護師のお仕事について、まとめてご説明します。パートとしての仕事はあるのか?お給料はどのくらい?などなど、具体的な情報をお届けします!

精神科とはちょっと違う!?心療内科の看護師のお仕事

同じメンタルを扱う診療科でも、診療内科は精神科とはちょっと異なります。その点がゴッチャのまま転職すると、「予想していた看護師のお仕事とは違ってた」なんてことにもなりかねません。

先ずは、具体的な診療内容や勤務先についてザックリご紹介します。

心療内科が取り扱う症状とは?

心療内科の存在が知られるようになったのはごく最近のことのように思いますが、九州大学病院に日本初の心療内科が開設されたのは昭和38年のこと。意外とその歴史は古いんですね。

しかし心療内科がどんな症状を取り扱うのかを熟知している方は、まだ少ないかもしれません。

心療内科とは、一言で言うなら「心理的ストレスが原因となる様々な病状」を取り扱っています。

具体的には以下のような病状が当てはまります。

  • 摂食障害
  • 慢性とう痛
  • アレルギー
  • アトピー性皮膚炎
  • 肥満
  • 糖尿病
  • 睡眠障害
  • パニック障害
  • 機能性胃腸障害
  • 気管支ぜんそく
  • 自律神経失調症

心療内科なのになぜ内科の病気も扱うの?

アトピー性皮膚炎や気管支喘息、糖尿病など内科で扱うような病気までが、心療内科のリストに入っているのを見て意外に思った方は多いはず。

実は慢性疾患は患者さんへの精神的負担が非常に大きく、鬱病を併発することも珍しくありません。また心理的ストレスが原因で身体的症状が出てしまっているケースも。

そのため、内科的治療と並行してカウンセリングを受けたり、心療内科を紹介されて転院してくる例があるのです。

近年、心が身体に及ぼす影響への一般的理解が深まるとともに、一般の診療科のナースにも心療分野の基本的な知識は不可欠となっています。

心療内科と精神科のボーダーラインは曖昧?

心療内科と精神科は本来区別がつきにくいのですが、精神科は統合失調症、躁うつ病・うつ病、認知症などが守備範囲で、入院治療も多いという違いがあります。

但し現実には両者の区別はさほど明確ではなく、統合失調症の方が心療内科を受診してはいけない訳ではありません。受診しやすい雰囲気が好まれ、心療内科を訪れる方は年々増えています。

精神的疾患は早期治療が大切ですから、これはとても良い傾向ですよね。このように心療内科にも、統合失調症や認知症の方は数多く受診されます。

心療内科のナースだからといって、精神科の患者さんと全く縁がないわけではありません。

心療内科については漠然としたイメージしか持っていない方も多いのですが、思ったより診療科目は多様です。時には心理的ストレスを抱える糖尿病やアトピーの方が受診することも。

また精神科との境界は曖昧で、統合失調症や鬱病の方が受診することもあるということは憶えておきましょう。

病院によって仕事内容は色々!心療内科は予想以上に幅広い!

「心療内科は軽い心の病の人が来るところ」程度に考えて就職すると、実に幅広い診療内容に驚くことがあるかもしれません。そのくらい、心療内科で扱う患者さんは様々なのです。

心療内科は病院によってさまざま

先ほどもご説明しましたが、心療内科は精神科とのボーダーが明確ではなく、その病院によっては「内科寄りの心療内科」や「精神科寄りの心療内科」だったりします。
心療内科をあえて分類すると

つまりあなたが就職する先がどちら寄りの心療内科であるかによって、患者さんの種類も異なってくるのです。

病院によって心療科目が違う

病院によって心療科目は様々。病院の中には、このような形の診療体制で患者さんに対応しているところもあります。

  • 思春期外来
  • 不登校外来
  • 認知症外来

また近年問題化している以下の症状に対応する心療内科も。こうしてみると、心療内科が扱う症状は非常に多様ですね。

  • アダルトチルドレン
  • 注意欠陥多動障害
  • 発達障害
  • PTSD
  • 月経前症候群

心療内科があるのはこんな病院

では心療内科の看護師は、具体的にどんな職場で働くことになるのでしょう。主に以下の2種類の勤務先が考えられます。

  • 大学病院、総合病院
  • 専門クリニック、開業医

大学病院や総合病院など大病院の心療内科とは違って、開業医は規模も形態も様々です。心療内科は特に大きな医療設備が不要なので、ビルの一室で開業していることも珍しくありません。

また近頃は、都市部にハイクラスな雰囲気の高級心療内科の開設も目立ってきました。

このように心療内科の仕事場の環境は、勤務先によってもピンキリです。

【心療内科ナースのチェックポイント】
・心療内科の病院は規模や診療内容もピンキリ!
・病院の規模やレベルによって仕事場の環境には大きな差がある!
心療内科は扱う症状も色々なら、病院の規模も色々。勤務先によって職場の雰囲気や仕事内容も全く違います。

ただ心療内科だということだけで転職を決めてしまうと、あとで後悔することになるかもしれません。やはり事前の下調べは大切ですね。

治療の介助ってあるの?心療内科のナースが出来ること

心療内科のナースは、具体的に毎日どんなお仕事をしているのでしょうか?

メンタルヘルスに興味のある方なら、実際の治療現場で勉強したいことも多いはず。また一方で、楽な職場として心療内科を希望する方も居られるでしょう。

心療内科の現場は、このような看護師の期待に応えることができるのでしょうか?

心療内科ではどんな治療が行われるか

心療内科では、一般に以下のような検査や治療が行われています。

  • 心理テストなどの検査
  • 一般的なカウンセリング
  • 心理療法
  • 行動療法
  • 生活習慣の改善
  • 自律訓練法
  • 薬物療法
  • その他の療法
これ以外にも、糖尿病や胃腸障害の患者さんを扱う病院では、その為の検査や治療の介助、また他の診療科のスタッフとのチームワークも必要です。

また民間のクリニックの中には、数多くはありませんが独特の治療法を実施しているところも。その為の準備や介助、スタッフとの連絡なども看護師のお仕事です。

心療内科の看護師には余裕がある?

しかし極一般的なクリニックでの診察は問診や投薬が主で、看護師の仕事は基本的なバイタルチェックくらいです。カウンセリングの現場に、看護師が深く関わるといったことはありません。

特に仕事上憶えなくてはならないことも他の科に比べれば少ない方ですから、勉強する時間のない方やブランクのある方でも、十分について行ける仕事内容だと言えます。

メンタルヘルスについて勉強や経験を深めたい方にとって、心療内科は最適な職場です。例えば心療内科で働きながら、このような資格を目指す方も。残業や夜勤がなく、時間的余裕があるのがこの科の大きなメリットですね。

「こんな資格を目指す心療内科の看護師も!」
■精神科認定看護師
■臨床心理士
■心理カウンセラー

ナイーブな患者さんへの対応力が必要

しかし心療内科はナースと患者さんとの接点が少ないのないかというと、決してそんなことはありません。

心療内科を訪れる患者さんはナイーブな精神状態になっている方が多いため、一般の診療科よりも言葉掛けや対応にもより神経を使います。

過度に優しければいいというものでもないので、やはり現場での実地の学習が欠かせません。医学上のスキルは要求されなくても、普段の態度や口調により細やかな配慮が必要とされる職場です。

【心療内科ナースのチェックポイント】
・看護師の仕事は基本的なことが殆ど!
・デリケートな患者さんとのコミュニケーションも実地で学ぼう!
心療内科の看護師の仕事には、比較的余裕があります。ただしナイーブな精神状態の患者さんの取り扱いには気を遣わなくてはなりません。

病院によっては独特の治療法を行うところもあり、そのための準備や手助けが必要な場合も。勤務先の病院によって、仕事内容や現場の雰囲気はかなり違ってきます。

お給料は良い?心療内科の看護師は残業もなく働きやすい

ところで、心療内科の看護師のお給料って、どのくらい貰えるのでしょうか?キツイお仕事ではないといっても、やっぱり少しでも沢山貰える方が有難いですよね。

実は心療内科のナースのお給料は、勤務先によってかなり差があります。

心療内科の看護師のお給料は勤務先によって差がある

先程ご紹介した通り、心療内科のある病院の規模やレベルは様々。病院によってもお給料の額は違ってきます。

一般にはやや低く25万円から30万円までが相場のようです。でも都心部やハイクラスの心療内科の中には、他にはない高給が期待できるところも。

月30万円以上・非常勤でも時給2000円以上が期待できるクリニックもあるので、沢山稼ぎたいなら日頃から求人情報のチェックは欠かせません。

残業や夜勤がないので勤めやすい

お給料も重要ですが、仕事そのものがキツ過ぎないことも看護師の仕事を選ぶ上でのポイントですよね。

心療内科の大きな特徴は、残業や夜勤がないということ。そのため家庭のある方でも勤務しやすいのが心療内科の特徴です。

また急患もなく予約診療が中心ですから、より落ち着いた環境でお仕事ができます。

通常は、患者さんの介助に体力を使うこともなく、夜勤がない分年収は低くなりますが、基本的に定時に帰れます。結婚などでブランクのある看護師の方が、パートとして勤めるには最適な職場でしょう。

但し先にご説明した通り、中には精神科よりの心療内科もあるので、病棟勤務がないとは言い切れません。勤務先がどんな病院なのか、よく調べておくことをお薦めします。

心療内科から他診療科への転職は難しい?

心療内科は他の診療科と比べると色んな意味でゆったりした現場ですから、長く勤めていると看護師の基本的な仕事を忘れてしまうこともあるようです。

そのため心療内科の看護師が、緊張の多い現場に転職するのは何かと不利になる可能性も。

心療内科は負担の少ない職場ですが、この転職があなたの将来的なキャリアアップを邪魔しないかどうか、一度よく考えておきましょう。

【心療内科ナースのチェックポイント】
・残業や夜勤がなく急患もない!
・お給料は少ない目だけど働きやすいのが特徴!
・勤務先によっては高給が期待できるケースも?
・将来別の診療科へ転職する際に不利になる可能性も?
心療内科は、いろんな意味で働きやすい職場です。予約診療が基本なので、診察室は落ち着いた雰囲気です。また通常は辛い残業や夜勤もないので体も楽です。

ただしこの雰囲気に慣れてしまうことが、将来別の診療科へ転職しようとした際に不利に働く可能性があります。心療内科への転職は、将来的なことも視野に入れて検討する方がいいですね。

心療内科の看護師は勤務先をよく選ぶことが大切です!

長いブランクのある方でも、心療内科への就職なら安心です。ママさん看護師も、夜勤のない心療内科なら長期間勤務することも可能でしょう。

但し勤務先が大学病院や総合病院だと、内科的知識や精神科の分野の知識が必要となってくるケースもあります。

このように病院によって仕事内容やお給料にも差が生じますから、就職・転職の際には勤務先の病院をよく選ぶことが大切ですね。