地域医療との連携や院内感染対策に力を入れる!岐阜県の病院を紹介
岐阜県には、患者さんが安心して治療を受けられるよう取り組む病院があります。
岐阜市民病院は岐阜県初の地域医療支援病院として、地域の開業医との連携を強化。患者さんがかかりつけ医のもとで、安心して病気の治療を継続できるよう取り組んでいます。
松波総合病院は院内に感染対策チームを設置。入院中の患者さんが感染症にかかることなく、病気の治療に専念できるよう取り組んでいるんですよ。
この記事では「岐阜市民病院」と「松波総合病院」を紹介します。
地域の開業医と医療連携!地域医療支援病院の岐阜市民病院
岐阜市民病院は地域医療支援病院として、地域の開業医との連携を強化しています。岐阜市民病院が地域医療支援病院の承認を受けたのは、岐阜県内では初めてのことです。地域医療支援病院としての役割は次のとおり。
- 開業医(かかりつけ医)との医療連携
- 病院の施設・整備・医療機器などを地域の開業医と共同利用
- 地域の医療従事者の研修
- 救急医療体制の充実
患者さんのかかりつけ医が「入院する必要がある」と判断した場合、岐阜市民病院に入院依頼のFAXを送ることで速やかに入院できます。岐阜市民病院の施設や整備、医療機器などを利用した診察・検査についても、FAXにて受診予約が可能です。
地域の中で患者さんにより良い医療を提供するためには、まず地域の医療従事者同士が良好な関係を築くことが重要。
さらに医療知識の向上と統一化も必要だと考え、岐阜市民病院では地域の医療従事者を交えた研修を行っているのです。
これらの取り組みのなかで岐阜市民病院が特に力を入れているのが、「かかりつけ医」との医療連携。
地域の開業医との連携を強化したことがきっかけで「地域医療支援病院」の承認を得られたのです。岐阜市民病院が取り組んでいる医療連携について、詳しく見ていきましょう。
かかりつけ医も患者さんも安心!地域の開業医との医療連携を強化
岐阜市民病院は地域の開業医との医療連携を強化するため、地域連携部を立ち上げました。しかし立ち上げ後、地域の開業医に話を聞いて回ると「岐阜市民病院に患者さんを紹介したのに返事がない」との声があがったのです。
これに対し、岐阜市民病院の病院長である冨田栄一医師は、さらに医療連携を強化する必要があると考えました。医療連携ができていない現状を打破するため、取り組んだのは次の2つです。
- 紹介を受けた患者さんのデータを一覧化
- 地域の開業医へ返事をしていない診療科に忠告
また患者さんのなかには体調が心配で、かかりつけ医に黙って岐阜市民病院を受診する人も。その場合は患者さんの前でかかりつけ医に連絡をし、診察の結果と処方する薬を伝えます。
これらの取り組みでかかりつけ医との連携が深まり、患者さんは安心して治療を受けることができるのです。
このような取り組みを続けた結果、岐阜市民病院は岐阜県で初めて「地域医療支援病院」の承認を受けることができました。
住所 | 岐阜県岐阜市鹿島町7-1 |
---|---|
最寄り停留所 (所要時間) |
バス停「市民病院前」 (徒歩1分) |
病院HP | 岐阜市民病院 |
病床数 | 609床 |
福利厚生 | 託児所 |
感染対策チームが病院内を巡回・チェックする!松波総合病院
松波総合病院では感染対策チームを設置しています。
患者さんに安心して治療を受けてもらうために、院内感染対策に力を入れているんですよ。
感染対策チームの主な活動は次のとおり。
- 病院内を巡回して感染対策の実施状況を確認後、指導・助言
- 院内感染発生時の対応・感染拡大の防止
- 抗菌薬の使用状況の把握・適正使用の推進
- 病院職員に感染予防活動の普及・啓発
- 専門化を招いて定期的に講習会を開催
感染対策チームの役割は患者さんの療養環境整備と、感染症に対する適切な医療の提供です。患者さんが感染症にかかることなく、病気の治療に専念できるよう取り組んでいます。
また感染対策チームの感染対策室感染管理者である、看護師の文字雅義さんは新聞の記事でも取り上げられました。
松波総合病院で院内感染対策に取り組む、看護師の文字雅義さんについて紹介します。
感染対策について病院外でも活躍!感染管理認定看護師の文字雅義さん
松波総合病院に勤務する文字雅義さん。感染管理認定看護師の資格を持ち、病院内の感染対策室感染管理者を務めています。文字さんが院内感染対策のために取り組んだ、主な活動は次の3つ。
- 每日2時間の院内巡回
- 感染管理を評価する体制整備
- 感染対策の研究会へ参加
看護師長でもある文字さんは、なんと每日2時間の院内巡回を自分に課しているのです。每日の院内巡回では、アルコール消毒液の配置や物品の整理整頓、清拭タオルの取り扱いなど細かくチェックしていきます。
院内巡回で問題点や不備があれば、その場で指摘。病院職員の感染予防への意識を強くさせているんです。
また文字さんは、手指衛生の回数やアルコール消毒剤の使用量などを各部署ごとに数値化し、客観的に感染管理を評価する体制を作りました。
「岐阜県下でトップの院内感染管理体制づくり」を目指して、日々の業務に取り組んでいるのです。
文字さんは、その取り組みや成果が評価され病院外にも活躍の場を広げました。現在では、研究会にアドバイザーや講師として参加することもあります。ときには他病院から依頼を受け、カメラ片手に監査へ行くことも。
文字さんの活躍に、これからも目が離せませんね。
住所 | 岐阜県羽島郡笠松町田代185-1 |
---|---|
最寄り駅 (所要時間) |
西笠松駅 (徒歩10分) |
病院HP | 松波総合病院 |
病床数 | 501床 |
福利厚生 | ・24時間託児所 ・看護師寮 |
患者さんに安心して治療を受けてもらう環境作り!岐阜県の病院に注目
岐阜市民病院では、地域の開業医との医療連携を強化。地域の開業医からの意見をもとに病院紹介制度を改善した結果、岐阜県で初めて「地域医療支援病院」の承認を受けました。
松波総合病院には、感染管理認定看護師である文字雅義さんが勤務しています。文字さんは、患者さんが感染症にかかることなく治療を受けられる環境を整備。その活動は新聞の記事でも取り上げられました。
この記事で紹介した2つの病院は、どちらも病院内だけでなく、病院外でも活躍の場を広げています。
その影響を受けた病院は、今後どんな活躍を見せてくれるのでしょうか。これからも岐阜県の病院に注目です。