看護師によるチーム活動や遠隔診療の実施!高知県の病院に注目
高知県には、看護師によるチーム活動や遠隔診療に取り組む病院があります。
高知大学医学部付属病院の看護部は、医療チームの一員として患者さんを支えるため、チームでの活動を積極的に実施。看護師のみで構成されたチームもあり、質の高い看護を提供できるよう取り組んでいます。
医療法人防治会いずみの病院は、遠隔診療を実施しています。遠方に住む患者さんでも、通院することなく再診を受けることができるんですよ。
この記事では「高知大学医学部付属病院」と「医療法人防治会いずみの病院」を紹介します。
積極的にチーム活動を行う!高知大学医学部付属病院の看護部
高知県内唯一の大学病院である、高知大学医学部付属病院。この病院の看護部では、チームでの活動を積極的に行っています。
看護部の役割は、医療チームの一員として患者さんの自立を支援することです。
その役割を果たすため、各専門チームによるチーム医療を推進。現場スタッフのサポートを行い、質の高い医療提供を目指しているのです。
高知大学医学部付属病院の看護師が所属するチームの、具体的な活動内容について詳しく見ていきましょう。
看護師だけのチームや勉強会も!看護部のチーム活動
高知大学医学部付属病院の看護部で取り組む、主なチーム活動は次のとおりです。
- 創傷管理チーム
- 緩和ケアチーム
- 栄養サポートチーム
- ACLSチーム
- Tチーム
- 呼吸ケアチーム
- 院内編成現場看護チーム
- 転倒転落防止対策チーム
- 糖尿病ケアサポートチーム
それぞれ詳しく見ていきましょう。
チームメンバーは看護師のみ。創傷管理チームの目的は、創傷管理に関する看護の質の向上です。患者さんに床ずれが発生する理由を見つけ、予防対策をします。
また専門知識を共有するため、高知大学医学部付属病院の「褥瘡(じょくそう)対策チーム」とも協力しているんですよ。
緩和ケアチームは医師や看護師、管理栄養士、作業療法士、薬剤師、医療ソーシャルワーカーによって構成されています。緩和ケアチームの主な活動は、患者さんの身体的・精神的苦痛を和らげ、自分らしい生活が送れるようにサポートすること。
チーム内の看護師は、患者さんとその家族が安全・安楽・安心の療養生活を送れるように支援しています。
栄養サポートチームのメンバーは医師や看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、リハビリスタッフなど。メンバーそれぞれが知識を出し合い、患者さんに適切な栄養支援を行っています。
栄養状態によっては、病気が悪化する患者さんも。そこで栄養サポートチームが、患者さんの栄養管理を実施しています。
ACLS※チームのメンバーは看護師のみで、「Aナース」とも呼ばれています。
気管挿管や薬剤投与などの高度な心肺蘇生を行う二次救命処置のことです。
主な活動は、院内外で講習会講師として救急救命講習会や勉強会へ参加すること。心肺蘇生に関連した広報活動なども行っています。
T(Transfer)チームは看護師のみで構成されたチームです。患者さんの移動・体位変換を専門に実施。意のままに動くことのできない患者さんの「自分で動きたい」という気持ちを尊重し、患者さんに合わせて援助することを大切にしています。
呼吸ケアチームのメンバーは医師や看護師、臨床工学技士、理学療法士です。患者さんの肺の動きを持続させ、良好な状態に維持できるよう取り組んでいます。病棟スタッフが安全な人工呼吸器の使用や呼吸ケアを実践できるよう、支援も行っているんですよ。
院内編成現場看護チームのメンバーは看護師のみ。所属看護師は「Eナース(Emergency Nurse)」とも呼ばれ、高知県登録現場医療チームのサポートをしています。
院内編成現場看護チームは、高知県内における大規模災害などを想定して、知識技術の習得や訓練も行っているんですよ。
チームのメンバーは医師や看護師、薬剤師、専任リスクマネージャー、理学療法士、医事課事務職員など。転倒転落防止対策チームは、主に入院中の患者さんの転倒・転落を予防し、転倒・転落が発生しても、患者さんに傷害が発生しないよう取り組みます。
患者さんの状況や院内環境をもとに、さまざまな視点から転倒・転落防止について検討しているのです。
糖尿病ケアサポートチームのメンバーは医師や看護師、管理栄養士、薬剤師、理学療法士、検査技師など。主な活動は、糖尿病患者さんの糖尿病療養生活を総合的にサポートすることです。
糖尿病患者さんの入院時にチームとして関わり、患者さんの看護支援や指導も行っています。
住所 | 高知県南国市岡豊町小蓮185-1 |
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最寄り停留所 | バス停「医大病院」 |
病院HP | 高知大学医学部付属病院 |
病床数 | 613床 |
福利厚生 | ・院内保育所 ・看護宿舎 |
脳卒中やパーキンソン病の治療に力を入れる!いずみの病院
医療法人防治会いずみの病院には、脳に関する専門センター「脳神経センター」があります。脳神経センターでは主に脳腫瘍や脳卒中、パーキンソン病などの診断・治療を実施。
パーキンソン病の患者さんに対しては、脳神経センター長による遠隔診療も行っているんですよ。
まずは脳神経センターについて紹介します。
高知県で唯一DBSを実施!脳神経センター
いずみの病院の脳神経センターは脳神経外科専門医を中心に、看護師、技術検査部門スタッフで構成されています。脳神経領域における質の高い医療提供を目指し、患者さん一人ひとりに合った治療を実施しているのです。
脳神経センターが特に力を入れているのは次の2つ。
- DBS※の実施
- 脳卒中治療
深部脳刺激療法(Deep Brain Stimulation)のことです。定位脳手術用フレームで頭部を固定し、極細の電極の針を脳に刺して手術を実施。パーキンソン病やジストニアの治療法として知られています。
いずみの病院は高知県で唯一、DBSを行っている病院です。
高知県内だけでなく、四国各地から患者さんが訪れます。
またいずみの病院は、脳卒中急性期の患者さんを24時間365日いつでも受け入れ可能。「脳卒中センター」の指定を受けており、脳卒中の専門的治療を行っています。
患者さんの負担が少ない!パーキンソン病の遠隔診療
いずみの病院では、脳神経センター長でもあり病院長でもある、清家医師によって遠隔診療が行われています。遠隔診療を受けることができるのは、難病の1つであるパーキンソン病の患者さんだけです。
パーキンソン病の専門医は少なく、遠い病院への通院を余儀なくされる患者さんも多くいます。
遠隔診療の目的は、遠方にいる患者さんの通院負担を減らすこと。
遠隔診療を受けることができるのは、次の4つ全てに当てはまる人です。
- パーキンソン病の人
- タブレット端末を利用できる人
- 初診が終わり、再診で触診や検査の必要がない人
- 清家医師により必要であると認められた人
タブレット端末のカメラを通して、患者さんは自宅で清家医師の診察を受けることが可能です。清家医師は、タブレットの画面に映された患者さんの口調や表情、顔色、動作などを確認。対面診療と同じように診察をすることができます。
住所 | 高知県高知市薊野北町2-10-53 |
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最寄り駅 (所要時間) |
JR薊野駅 (徒歩10分) |
病院HP | 医療法人防治会いずみの病院 |
病床数 | 238床 |
福利厚生 | ・保育所 ・職員寮 |
楽しみながら健康的な生活を送る!高知県の病院に注目
医療法人防治会いずみの病院では、パーキンソン病の患者さんに遠隔診療を実施。遠方にいる患者さんの通院負担を減らすことが目的です。
高知県では県民に楽しみながら健康的な生活を送ってもらうため「高知家健康パスポート」を導入しています。
高知家健康パスポートとは、県内のスポーツ施設やお店などで提示すると特典が受けられるパスポートのこと。病院でもこのパスポートを活用して、健康イベントなどを開催しています。
県を1つの家族として考えた高知県。パスポートを利用したイベントで、県民の積極的な健康づくりが期待できそうです。