看護師の転職成功のカギは面接!質問・回答や服装の不安を解消
転職活動中の看護師の皆さん、面接の準備はもうできていますか?実は看護師が転職するときの採用試験では筆記試験がない病院が多く、面接が採用・不採用を決める大きなポイントになるんですよ。
でも「質問に対してうまく答えられなかったらどうしよう・・・」「久しぶりに受ける面接で緊張する・・・」なんて不安に思っている人も多いのではないでしょうか。
採用してもらうためには、面接の不安要素を取り除けるよう準備をしておくことが大切です。
まずは想定質問・定番質問に対する回答の考え方についてアドバイスします。当日スムーズに答えられるようにしておきましょう。このとき採用担当者への逆質問も、好印象を与えるチャンスになります。
そして立ち振る舞いなど社会人としてのマナーもおさらいして、うっかり失敗してしまうことのないようにしてくださいね。前日までには服装と持ち物の確認を行っておくことも大事です。万全な体制で自信をもって面接にのぞみましょう。
面接の定番・想定質問に対する回答例!NG回答も把握して失敗を回避
看護師が面接でよく聞かれる定番質問・想定質問は、以下の8つです。
-
<看護師が面接で聞かれる代表的な質問>
- 「この病院を選んだ理由(志望動機)は何ですか?」
- 「この病院でやりたいことは?」
- 「なぜ転職しようと思ったのですか?」
- 「今までどんな仕事を経験しましたか?」
- 「前院の退職理由は何ですか?」
- 「あなたの看護観について教えてください。」
- 「患者様とのエピソードで心に残っているものを教えてください。」
- 「自己PRをお願いします。」
転職までにブランクがある看護師の場合は「休職期間がありますが大丈夫ですか?」「なぜ復帰しようと思ったのですか?」など、面接で聞かれる内容が違ってきます。
ブランクがマイナスな印象にならないよう、「ブランクで悩む看護師の不安を解消する方法!看護師求人サイトも活用」も合わせて読んでおきましょう。
では、看護師が面接前に確認しておきたい質問の回答例とNG回答、答え方のポイントを順番に説明していきます。
「この病院を選んだ理由(志望動機)は何ですか?」
〇〇科で経験を積んでまいりましたが、看護師としてのスキルアップのため、総合病院で一般医療を学びたいと考え志望させていただきました。
貴院は設備や教育体制が整っており、幅広い技術を身につけられる環境が魅力的だと感じました。様々な疾患に対応できる看護師として活躍できるよう、経験を積んでいきたいと思っております。
NG回答例:貴院は設備や教育体制が整っているため志望させていただきました。
ポイント:選んだ理由だけを話しても、その病院で働きたいという意思はなかなか伝わりません。
その理由が自分の仕事に対する考え方や今後のキャリアプランにどう結びついているのかを具体的に説明しましょう。
このとき病院の特徴に触れることで、よく調べた上で志望したということが採用担当者に伝わります。
「この病院でやりたいことは?」
患者様一人一人とじっくり向き合い、患者様の気持ちを汲み取りながら看護をしていきたいと思います。そして貴院の支援制度を利用させていただき、認定看護師の資格を取得しようと考えております。
NG回答例:以前から希望していた◯◯科を担当させていただきたいと思っております。
ポイント:ここでは「この病院だからこそ経験できること」を伝えましょう。NG回答例は他の病院でもできるようなことを言ったり、自分が担当したい業務だけを伝えたりしているだけなので、魅力的な人材だと思ってもらうのは難しいです。
「なぜ転職しようと思ったのですか?」
前職で◯◯科に従事している中で、より深い知識や多くの技術を身に着けたいと思うようになったことがきっかけです。そのために、より設備や教育体制が整っている病院で学ぶことが必要だと考え、転職を決意しました。
NG回答例:シフトが厳しく残業も多かったため、日勤のみで勤務できる貴院への転職を希望いたしました。
ポイント:もし転職理由が「勤務時間の長さ」や「人間関係」などネガティブなものであっても、前の職場のことを悪く言うのはやめましょう。キャリアアップなど前向きな理由を話すようにしてください。
「前院の退職理由は何ですか?」
出産と引越しを期に退職いたしましたが、育児に余裕ができ、今なら仕事との両立も可能だと考え看護師としての復職を決めました。貴院では長く働かせていただきたいと思っております。
NG回答例:仕事に対する考え方が上司と違い働きづらく感じたので退職いたしました。
ポイント:ライフスタイルの変化が退職理由なら、そのまま告げましょう。転職理由と話が繋がってきますが、退職理由がマイナスなイメージを与えそうな内容ならキャリアアップなど前向きな理由のみを説明してください。
「経歴と実務経験を教えてください。」
◯◯年から◯年間、◯◯病院の◯◯科に従事しておりました。チーム医療や、プリセプターとしての後輩の指導にも積極的に取り組みました。
NG回答例:◯◯年から◯年間、◯◯病院の◯◯科に従事しておりました。
ポイント:経歴は簡潔に説明しましょう。ただしこれだけでは、あなたのスキルが面接官に伝わりにくいです。さらにアピールしたい経験や実績も加えてしっかりアピールしてください。
「あなたの看護観について教えてください。」
日頃から、患者様の立場になって考えて看護することを心がけています。学生の頃は適切な判断や処置が重要と考え看護の勉強をしてきました。
しかし看護師の仕事を経験しながら、患者様の辛さや悲しみなどを理解することの大切さも実感するようになりました。
看護技術を磨きながら、看護師として患者様の気持ちを理解できるよう、今後も努力したいと考えています。
NG回答例:患者様の気持ちに寄り添う看護を心がけています。
ポイント:看護師の面接の中で聞かれる可能性がかなり高い質問です。看護観とは「看護師として大切にしていること」。
NG回答例も看護師として大切にしていることを答えてはいますが、なぜそう思うのかなど具体的な説明がされていないので、看護観に対する意識が弱いように感じます。
自分の看護観を決定づけるようなエピソードがあれば、それを交えて話しましょう。より説得感が増しますよ。
また伝える内容と「看護師になったきっかけ」との結びつきが強ければ、一緒に伝えることで自分の考えや気持ちが採用担当者に伝わりやすくなります。
抽象的だったり、簡潔すぎたりすると「面接のためにとりあえず言っている」と思われてしまうかもしれません。自分の考えをしっかりまとめてくださいね。
ただし回答した看護観と、その病院の看護方針があまりに違っていると「この病院には適していないのでは」と思われてしまう可能性があるので、病院の看護方針を調べた上で回答を考えましょう。
事前に病院見学をしておくと、内容がより具体的になりやすく好印象です。看護師転職サイトに登録すれば、コンサルタントが病院見学の手配も行ってくれます。
「患者様とのエピソードで心に残っているものを教えてください。」
以前働いていた病院で、なかなか薬を飲んでくれない患者様がいました。しかし根気よく話しかけ、相手の話にも耳を傾けることにより薬を飲んでくれるようになりました。
このことがきっかけで、患者様とのコミニュケーションは大事にすべきと考えるようになりました。
NG回答例:以前働いていた病院で、なかなか薬を飲んでくれない患者様がいました。しかし根気よく話しかけていると薬を飲んでくれるようになり嬉しく思いました。
ポイント:そのエピソードがなぜ心に残っているのか具体的に話しましょう。上記のような嬉しかったことではなく、患者様と関わったときどのような失敗をして、それが今の自分の看護をどのように変えたのかというエピソードを話すという方法もありますよ。
NG回答例ではエピソードは話せているのですが、内容が薄く「採用したい」と思えるアピールポイントが見当たりません。そのとき自分が起こした行動や考え方の変化などを付け加えて話しましょう。
「前職でのインシデント(ヒヤリ・ハット)の経験について教えてください。」
インシデント(ヒヤリハット)とは、「患者に渡す内服薬を間違えたけれど患者が気づいて服用には至らなかった」、「看護師の注意不足で患者がケガをしそうになった」など、確認ミスや連絡事項の伝達ミスにより起きる、重大な事故に繋がりかねない事態のことをいいます。
誤って違う薬を患者様にお渡ししてしまいました。薬剤名をきちんと確認せず、外見だけで判断してしまったことが原因です。患者様が服薬する前に自分自身で気付き事故には至りませんでした。
この件についてはインシデントレポートとして看護師のあいだで共有し、今後同じことが起きないよう、必ず薬剤名を最終確認することを習慣づけています。
NG回答例:誤って違う薬を患者様にお渡ししてしまいました。薬剤名をきちんと確認せず、外見だけで判断してしまったことが原因です。患者様が服薬する前に自分自身で気付き事故には至りませんでした。
この件についてはインシデントレポートとして看護師のあいだで共有しました。
ポイント:前職で引き起こしてしまったミスを面接で報告すると病院に悪い印象を与えるのではと思われるかもしれません。でもここで面接官が知りたいのは、インシデントが起きたとき看護師が行った対応やその後の防止法です。
NG回答例では今後の対応が詳しく書かれていません。「インシデントレポートとして共有する」だけではミスの再発防止にはならないので、危機管理が甘いと思われ、マイナスポイントになる恐れがあります。
ちょっとしたミスだったとしても、医療現場で再度同じことをしたら、患者や自分の命に関わるような医療ミスに繋がりかねないですよね。そのため看護師はミスへの対処を的確に行い、その後改善策をしっかり考え再発防止をに努めなければなりません。
自分の仕事に対する姿勢がここでも相手に伝わるので、しっかりアピールしましょう。
「自己PRをお願いします。」
少しでも多くのことを勉強しようとする姿勢が私の長所です。そのため以前は総合病院で様々な疾患への対応を行い幅広い経験を積むことができました。
この経験を貴院で活かし、さらに知識を深め技術を磨くため一つでも多くのことを吸収していきたいと考えております。
NG回答例:私の強みは勉強熱心なところです。貴院でも多くのことを学び、今後の看護に活かしたいと考えています。
ポイント:NG回答例は自分の長所を伝えるだけの内容になっています。その長所をどのように病院で役立てるのか伝えましょう。看護師としての経験をエピソードとして添えて話すのも、面接官に好印象を与えるのに効果的な方法です。
経験やスキルに自信がない人は、仕事に対するやる気や熱意をアピールしましょう。看護の仕事で大切にしていることや「努力家」「コミニュケーション能力」など自分の性格をアピールポイントにしてみてはいかがでしょうか。
採用担当者への逆質問でやる気をアピール!より好印象な質問内容は?
面接でのよくある定番・想定質問と回答のポイントについて説明しましたが、採用側への逆質問にも注意が必要です。質問内容になっては良くない印象を与えてしまうこともあります。
例えば看護師が休日や勤務時間などの勤務条件についての質問しかしなかった場合、面接官は「この看護師は待遇のことしか考えてないのかな」と思ってしまうんです。
「ただわからないことを聞く」というのではなく、ここはやる気をアピールするチャンスだと考えましょう。
「特にありません」というのも、仕事に対するやる気や病院への興味が感じられず好印象を残すことができないので、質問は2つほど用意しておいてくださいね。
そして面接で聞かなくても、自分で調べればわかることは聞かないようにしましょう。
ホームページや求人サイト、それからパンフレットに書いてある内容をうっかり聞いてしまうと、その病院についてきちんと調べていないのではと思われてしまいますよ。
好印象を与える逆質問のコツは、自分のやる気が伝わる質問内容にすることです。
具体的な業務内容についての質問は、採用担当者に看護師のやる気が伝わります。一日の仕事の流
れは、自分が採用されたときのイメージもしやすいので、聞いておくといいでしょう。
また、自分の持っている資格や実務経験を活かせるような仕事内容や診療科があれば、それについてさらに詳しく聞いてみましょう。自分のスキルをアピールできます。
入職までに勉強しておくことなどを聞くのも、熱意が伝わり好印象ですよ。
「採用していただける場合・・・」「差し支えなければ・・・」という入り方で質問すると丁寧で好印象です。
看護師の面接は服装・髪型にも注意!ポイントは清潔感
医療機関で働く看護師は清潔感が重要。採用担当者は看護師の服装や髪型など、身だしなみをしっかりチェックしていますよ。隅々まで確認しましょう。
チェックポイント | |
---|---|
髪型 | ・長い場合はまとめる。 ・前髪は目にかからないようにする。 ・髪が明るすぎるのはNG。 |
メイク | ・ナチュラルメイクが好印象。 ・派手にならないよう注意する。 |
スーツ | ・グレー、黒、紺ならOK。 ・スカートの場合は膝丈にする。 |
シャツ | ・白やピンク・水色など薄めの色。 ・派手なデザインは控える。 |
バッグ | ・黒か紺の無地。 ・A4サイズの書類より少し大きめのもの。 |
靴 | ・ローヒールパンプス。 ・黒が無難だがスーツと合わせて選ぶ。 |
ネイル | ・落としておく。 ・不潔な印象を与えないよう切り揃える。 |
スーツに関しては、新卒4年目以降の人はリクルートスーツでなく新調しましょう。自分の年齢に適した服を選ぶことも大事です。服には前日にアイロンをかけ、ボタンが取れたりほつれたりしてないか確認してくださいね。
ストッキングはベージュ系の自然な色のものを選んでください。
病院に到着する前に伝線してしまう可能性もあるので予備を持っていくと安心ですよ。
意外と必要なものも・・・面接を受ける看護師の持ち物リスト
面接の前日までに、持ち物も全て揃えておきましょう。
基本的な面接の持ち物は次のとおりですが、他にも病院によって持参するよう言われているものがある場合は、自分でリストを作っておくのがおすすめです。
-
看護師の面接用持ち物の例
- 履歴書や職務経歴書などの書類
- 履歴書や職務経歴書のコピー
- 筆記用具
- メモ帳や手帳
- 印鑑
- 病院の資料や地図
- その他病院から持参するよう指示されているもの
履歴書や職務経歴書のコピーは、面接の質問対策として持って行きます。
面接では志望動機など、履歴書に書かれている内容について質問されることがあります。このとき質問の答えと履歴書や職務経歴書に書かれている内容が矛盾してしまうのを防ぐために事前にコピーに目を通しておきましょう。
看護師が履歴書・職務経歴書を書くときのポイントについては、「看護師の履歴書・職務経歴書の書き方徹底解説!志望動機のポイントも」で詳しく解説しているので、こちらも参考にしてくださいね。
面接は病院に入る瞬間から始まる!立ち振る舞いやマナーの心得
看護師は面接中だけでなく、病院に入る瞬間から出て行くまでの立ち振る舞いも見られているんですよ。
せっかく面接でやる気をアピールしても、ここで気を抜いてしまうと台無しですよね。最後に立ち振る舞いやマナーの心得を確認しておきましょう。
-
<面接の心得>
- 面接会場には10分前には到着し、受付で指名と面接を受けに来たことを伝える。
- 病院に入るときから面接は始まっており、病院を出るまで面接は終わっていないと考え行動する。
- 面接中は面接官をしっかり見て話をする。
- 明るい表情でハキハキと、挨拶・話をする。
- 話を聞く姿勢からも、やる気をアピールする。
- 「あなたの看護観について教えてください。」
面接当日はほかの看護師や職員などに見られていることを意識し、歩く姿勢などにも気を抜かないことが大切です。
面接中は面接官をしっかり見て話し、やる気をアピールしましょう。しかしずっと面接官の目を見続けると不自然で怖い印象を与えてしまいます。10秒に1度くらいは面接官の首元に目線を外すくらいが丁度いいですよ。
また話すときの表情が明るく笑顔だと、面接官に好印象を与えます。うつむいたり、表情が暗かったりすると自信がないように見えてしまうので気をつけましょう。相手に聞こえやすい声の大きさやスピードで話すことも意識してください。
そして話をするときだけでなく、話を聞く姿勢も面接官は見ています。普段の会話より少し大きめに相槌を打ちつことで、話をしっかり聞いていることが面接官に伝わります。このとき大げさになりすぎないよう注意してくださいね。
自信をもって面接を受けるための事前準備を!看護師転職サイトも活用
また、看護師求人サイトに登録している人はコンサルタントが面接対策をしてくれる場合があります。面接に同行してフォローしてくれることもあるんですよ。ぜひ相談してみてください。
当日はどこで誰があなたを見ているかわかりません。病院に着いてから出るまで、立ち振る舞いには注意しましょう。
面接では笑顔でハキハキと話すと好印象です。緊張するとは思いますが、ここで紹介した準備がしっかりできていればそれが自信に繋がり、自分の姿勢や表情にも現れるはずです。
面接は一度きりです。悔いのないよう自分の伝えたいことをしっかり伝え、内定を勝ち取りましょう!