看護師さんの正しい退職方法

看護師が思う辞めたい理由とスマートな退職方法を紹介します

看護師が思う辞めたい理由とスマートな退職方法を紹介します

看護師の仕事に大きなやりがいを感じている人も多いですが、なかには理想と現実の違いにショックを受けて辞めたいと考える看護師も多いはず。

夜勤がつらい、給料が少ない、人間関係がうまくいかないなど、看護師を辞めたくなる理由はいろいろありますが、実際やめようと思ったらまず何から始めたら良いのでしょうか?

退職願をすんなり受け入れてくれる病院なら問題ありませんが、上司に辞めたい理由を伝えたら猛反対を受けて辞められなくなり、さらに風当たりが厳しくなったという看護師の苦労話もよく聞きます。

今回は、そんなトラブルを避けるための円満退職の準備と方法について説明します。

看護師が辞めたいと思う4つの理由!

精神的にも肉体的にもつらい看護師のお仕事は、働きながらも「辞めたい」と思っている人が多くいます。その理由は、大きく分けて次のようなものがありました。

看護師が辞めたいと思う理由
  • 人間関係の悪化
  • 職場環境の不満
  • 給与や待遇の不満
  • 仕事内容

辞めたい理由はいくつかありますが、なかには2つ3つの理由が組み合わさった人もいます。次に各理由についてどんな状況で看護師を辞めたいと思ったのか紹介しましょう。

看護師が辞めたいと思う理由その1、人間関係の悪化

先輩看護師や上司からイジメやパワハラを受け、辞めたいと考える看護師も少なくありません。師長に話しかけても無視されたり、無理な仕事量を押し付けられたりなど、同僚も見て見ぬふりをしながら誰も助けてくれない状況さえあるでしょう。

パワハラが日常化してしまうと出勤時間が近づくにつれ腹痛や吐き気がひどくなったり、健康にも大きな影響を与えます。

場合によってはうつ病になるなど深刻なケースも考えられるので、どうしようもないときは我慢せず家族や友人に相談し、転職に向けてアクションを起こしましょう。

看護師が辞めたいと思う理由その2、職場環境の不満

残業や夜勤など拘束時間の長さや不規則な勤務形態も不満が溜まりやすく、つねに看護師が辞めたい理由の上位にランクインしています。

若いうちは勢いで乗り切れますが、経験を重ねるにつれて他の職場と比べる視野が広がったり、自分のキャパシティを超える仕事量を任されたりと、自分の職場に疑問を感じてくるものです。

また、ライフスタイルに合わせて働き方も変化していかないとズレが生じ、結局どうしてもプライベートが犠牲になってしまうので、より良い生活を送るためにも我慢できない場合は転職を考えましょう。

看護師が辞めたいと思う理由その3、給与や待遇の不満

責任が大きい仕事を任されるようになっても給料が変わらなかったり、施設で働いていて介護職の方と給料がそれほど変わらないのが不満だったりと、給料や待遇を理由に看護師を辞めたいと考えている人も多いです。

特に20代後半ぐらいから新人教育など仕事はどんどん増えていくのに、給与は全然上がらないことに不満を感じ、30歳前後で転職や退職を検討し始める人が多いです。

無理して給料の低い職場で頑張る必要もありません。条件が良い病院が見つかれば、すぐにでも転職しないと自分が損するばかりですよ。

看護師が辞めたいと思う理由その4、仕事内容

基本的に看護師が足りていないため、患者さんの意向を汲み取れないまま機械的に看護を行っていて、「自分がイメージしていた仕事ができない」と、看護業界の理想と現実を目の当たりにする人もいるのではないでしょうか。

また、希望している科になかなか配属されなかったり、都合のいいように使われているだけで時間だけが過ぎていくなんて、なんともやるせない気持ちになりますよね。

病院が変われば自分のやりたい仕事に人手が足りていないなんてこともよくあります。さっそく求人広告を見て、そんな職場がないかチェックしてみましょう。

中でも残業や夜勤など、拘束時間が長いためにプライベートを犠牲にしなきゃいけないことが苦痛で辞めたいと思う人が多いようです。

仕事に一生懸命な時期もいいですが、自分の生活も大事に考えて欲しいですね。

看護師不足で辞めるに辞められない現状が!

看護師業界は常に人手不足が起こっているので、辞めようと切り出しても引き止められる場合があります。とくに次のような状況では、引き止めにあいやすいので注意してください。

  • 職場の看護師が人手不足で余裕がない場合
  • プリセプターや経験5年以上の中堅看護師の場合
  • 他にも辞めようと考えている人や、産休・休職に入る人がいる場合
  • 国公立や大学病院の看護師で、3月以外に辞める場合

これらの場合、辞めたいという意思を上司に伝えても、なかなか承諾してくれません。そんなときは次に紹介する引き止めにあいにくい理由を使って、上司を説得してみましょう。

引き止めにくい看護師の退職理由とは

引き止めにくい退職理由
  • 両親の看病が必要になったなど、家庭の事情を理由にする
  • 家族が自分の体調を心配して辞めるよう説得していると伝える
  • 通勤が困難な場所に引っ越す

自分だけの理由では弱いので、家庭の事情も含めた自分だけではどうにもならない退職理由を挙げて、上司を説得してみましょう。

上司ももちろん人間ですので、家族が一番大事なのはよく知っています。

家族を掛け合いに話しを切り出せば、どんなに仕事が忙しく看護師が足りない状況でも納得してくれるでしょう。

家族を理由に出してもダメなら、通勤に支障が出るくらい遠くまで引っ越すというのも1つです。そこまでバレそうな嘘はつきたくない人もいるかと思いますが、どうしても辞めれないようなら最後の手段として法律を持ち出しましょう。

最後の手段!民法第627条を盾に看護師を辞める

誰にも仕事を辞める権利があります。辞めたいと思ったら上司からどんなに猛反対されようと法律を盾に辞める権利を行使することができます。

当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

引用元:民法第627条 第1項

このように雇用契約も退職届を出して2週間もすれば終了します。

辞めたいのに辞められないというのは法律違反なんです。訴えるのは面倒ですが、労働基準監督署に相談するのは簡単ですので問題が大きくなった場合はこちらも活用してみましょう。

退職理由を素直に言ったら通じないようなところには、このような工夫も必要です。

どんな状況でも引き止められないような、漏れのない理由を伝えて、キレイさっぱり済ませましょう。

辞める時期から逆算して3ヶ月前には退職願を

次に辞めるタイミングについて考えます。

民法上では2週間前と説明しましたが、なかには1ヶ月前や3ヶ月前と予め入社時の労働契約書などで決められている病院もあります。

契約を交わしている場合はそちらが優先されるので、退職願を提出する前にもう一度自分の職場の就業規則がどうなっているか確認してください。

引き継ぎが必要な場合もありますので、社会人のマナーとして3ヶ月前には退職願を出し、上司に辞める意向を伝えましょう。

就業規則で決められていても、なるべくなら上司も早めに知らせてもらいたいものです。

退職の医師が固まってからで構いませんので、できるだけ早めに報告するようにしましょう。

メールじゃダメ!正しい退職願の書き方

退職願をメールで済ませようと考えている看護師の方がいるかもしれませんが、必ず書面で提出してください。

退職願なんて書いたことがない人ばかりだと思いますので、次に退職願の書き方の例を紹介します。

退職願の書き方

実際の退職理由については口頭で説明し、退職願の書面にはどんな理由であっても「一身上の都合により、」と書くのがマナーです。

定型文通りで失礼かな?と思う方もいるかもしれませんが、この書き方は退職願を書く際の一般常識ですので問題ありません。

また、場合によってはフォームが用意されている職場もあります。フォームがある場合はそちらを利用し、提出するようにしてください。

どんな理由があっても退職願には「一身上の都合により」と書くのは簡単でいいですね。

また、退職願用のフォームが用意されている職場は、それを利用して必要項目だけ書けばいいので、さらに簡単です。

退職願を出すときの注意点!口頭で理由を伝えよう

退職願は必ず病院の院長や理事長など最高責任者宛てで出します。

できれば口頭で理由を説明するためにも直接手渡したほうが良いですが、院長が忙しくて会えないなど状況によっては上司に渡す場合もあります。

その際は、退職願を封筒に入れて上司に渡してください。

封筒をのりづけする必要はありません。封筒の表面中央に「退職願」と、裏面の左下に自分の所属と名前を記載しておきます。

退職願と退職届の違いって!?

退職願のほかに「退職届」というものがあります。混同しがちですが、微妙に違いがあるんです。

退職願はあくまで希望であって、「退職したいのでお願いします」と相談するニュアンスがあります。一方、退職届は「退職します」と相手と相談する隙も与えず、固い意思を伝える場合に使用します。

この2つを特に区別せず、職場によってはどちらでも構わない場合も多いですが、退職願と退職届に違いがあることだけは覚えておきましょう。

退職願は正式な書類ですので、出す際のマナーは重要です。必ず手渡しで口頭での説明も添えて渡してください。

また、退職願と退職届の違いは失礼のないようにちゃんと覚えておく必要があります。

退社するまでひと踏ん張り!引き継ぎと転職活動について

退職願を出したら、あとは退職日まで自分の業務の引き継ぎや転職をする場合は転職活動を行います。

転職活動については、退職願を出す前から始める人もいますが、円満退職を希望する場合は、退職願を出したあとに行いましょう。

求人広告のなかには、「入社日相談に応じます」と記載のある職場もあります。しかし多くは今すぐ看護師がほしい職場ばかりなので、合格してから退職願を出して3ヶ月も引き継ぎをしていては、転職先も困って他にすぐ働ける看護師を採用してしまいます。

在籍している間は責任をもって、各業務を疎かにしないよう気を引き締めて働いてください。

自分が抜けて同じ職場の看護師が困らないよう自分しか知らない仕事や情報は、ちゃんと引き継いでくれる人に伝えておきます。

退職日が決まれば、それまで落ち込んでいた気も晴れて表情が明るくなる人も多いようです。

最後まで気を抜かず、引き継ぎはしっかり行いましょう。

辞めたいと思ったら看護師専門の転職エージェントに相談しよう

看護師を辞めたい理由でもあったように、人間関係や給料の問題で退職を考える人も多いようです。パワハラやイジメにあった人は一刻も早く辞めたいと思うでしょうが、円満退職ができるよう遅くとも一ヶ月前には退職の意思を伝えましょう。

病院同士のネットワークがあるかもしれないので、社会人としてのマナーが守れないまま退社をすると次の転職に響く恐れもあります。看護師は人の命を支えるお仕事ですので、それなりの責任感やマナーは守って行動してください。

退社前にいろいろ考えることも多いと思いますが、周りに相談できる人がいなかったら転職サイトの転職エージェントに相談してみる方法もあります。

転職エージェントは転職のプロですので、今まで様々な転職事例を見ています。あなたの病院が他の病院とくらべて悪い職場環境かどうかや、他にもっと条件の合う職場はないか無料で調べてくれます。

転職まできめ細やかなサポートをしてくれますので、ぜひ活用してみてください。