瞬時の判断が求められる救急科!看護師が重要な役割を果たします
救命病棟は、テレビなどでも取り上げられることがあり、言葉としてはよく知られています。ですが、実際にそこで働くとなると、表面だけではわからない、ぜひ知っておくべきことがあります。
それは、救急科には重症の患者さんが運ばれてくるため、まさに命にかかわる現場だということです。救急科では、命を救うための瞬時の判断が求められ、またミスも許されないといった大変さがあります。
その一方で、消えかかっている命を救うことができるという点では、看護師としてはとてもやりがいのある職場だとも言えます。
では、実際に救急科で働くとしたら、どんな仕事をすることになるのか、メリットやデメリットは何か、詳しく見ていきましょう!
一次救急から三次救急まである?救急科を詳しく知ろう
救急科で働きたいと思った場合、まず考えなければいけないのが、どれくらいの重症度の患者さんの治療を行いたいかということです。
看護従事者の方ならご存知かと思いますが、日本の救急医療体制は重症度によって3つに分かれています。そのため、どのような所で働きたいかによって、応募先を考えなければいけないことになります。
そこで、まずは救急医療制度について詳しく確認しておきましょう。
日本の救急医療体制
日本の救急医療体制は、以下の3つに分かれています。
種類 | 特徴 |
---|---|
一次(初期)救急 | 入院の必要が無い軽症患者に対しての救急医療 |
二次救急 | 入院・手術が必要な、重症患者に対しての救急医療 |
三次救急 | 一次・二次救急では対応できず高度な処置を必要とする重篤患者に対しての救急医療 |
これを図で表すと、以下のようなイメージになります。
それでは、それぞれについて、もう少し詳しく確認しましょう。
一次(初期)救急
一次救急は、以下のような場所で行われている医療のことを言います。
- かかりつけ医
- 休日夜間急患センター
- 休日当番医
通常、体調が悪かったり怪我をしたりした時には、かかりつけ医にかかりますよね。かかりつけ医にかかる場合のように、入院する必要が無く外来診察で済むような場合が一次救急です。
ですが、かかりつけ医は休日には休診していますし、夜間も診察を行っていません。
そこで、休日夜間急患センターを置いたり、休日当番医として休みの日に患者を受け入れる病院を決めたりすることで、休みや夜に体調を崩した人が病院にかかれないという状況を減らしています。それも、一次救急に当たります。
二次救急
二次救急は、以下のような方法で行われている医療のことを言います。
- 二次救急に対応できるいくつかの病院が順番を決めて行う病院輪番制方式
- 核となる医療機関に他の医療機関から医師が集まって治療を行うセンター方式
病院輪番制方式では、その日の当番に当たっている病院が、当直の医師以外に救急搬送専用の医師も確保することになっています。
センター方式は、救急搬送に備えて、核となる医療機関に診療機能と専用病床、専用の医師を確保しておく体勢のことを言います。センター方式のことを、共同利用型病院方式と呼ぶこともあります。
先ほどの図からもわかるように、二次救急は救急車で搬送されるような患者に対しての医療ということになります。急を要することもありますので、24時間365日患者を受け入れることができることが前提です。
三次救急
三次救急は、以下のような場所で行われている医療のことを言います。
- 救命救急センター
- 高度救命救急センター
これらには、いずれも高度な診療機能がありますが、中でも高度救命救急センターは、特に高度な診療機能があると厚生労働大臣によって定められた医療機関を言います。
例えば、高度救命救急センターでは、広範囲の熱傷や四肢の切断などの患者も受け入れており、心肺停止の患者が多く搬送されるという特性もあります。
最近注目を集めている!ERシステムとは?
最近、ここまでご紹介したような従来の日本の救急システムとは異なる、ERシステムが注目を集めています。
従来の日本の救急システムでは、医療を行う側が患者さんの症状が軽度なのか、中程度なのか、それとも重症なのかを決めています。そのため、患者さん側からすれば、自分がどれくらいの重症度なのかがわかりにくく、受診すべき医療施設を選ぶのが難しいという現状があります。
そこで注目を集め始めたのが、北米で行われているシステムを参考にして作られた、ER型救急システムです。
このシステムでは、重症度によって受診先の病院が分けられているわけではなく、1つの病院で全ての患者さんを受け入れ、ERで働く専門のドクターが全ての診療科の初期診療を行う形になります。救急車で運び込まれた患者さんには、ERドクターが対応します。
救急車で運び込まれたのではない患者さん(Walk in患者と言います)については、トリアージナースが緊急性を判断します。その後、必要に応じてERドクターの診察を受けます。その後の流れは、救急車で来院した場合と同じです。
トリアージナースとは?
ER型救急システムの説明の中でトリアージナースという言葉が出てきましたが、トリアージというのは、患者さんの重症度に応じて治療の順番を決定することを言います。
つまり、トリアージナースは、患者さんの重症度を判断することによって、診察の優先順位を決める働きをする看護師のことなんですね。
災害現場で救命率を上げるためにトリアージを行うこともありますが、災害現場だけではなく、病院によってはトリアージナースを設置しているところもあります。
このように、トリアージナースというのは看護師の働き方に対する名称なので、特に決まった資格が必要なわけではないのですが、研修を受ける必要はあります。患者さんの緊急度を瞬時に判断するわけですから、トリアージナースには豊富な知識や経験が求められます。
ERシステムを採用している病院をご紹介します
それでは、ER型救急システムについてもっと深く知るために、日本でこのシステムを実際に採用している病院をご紹介しましょう。ERシステムを採用しているとして有名な病院の一つに『社会医療法人財団 慈泉会 相澤病院』があります。
この病院は、日本救急医学会認定医指定施設にも認定されていますし、中信地区新型救命救急センターにも指定されています。相澤病院の救命救急センターはERと呼ばれ診療に当たっています。
先ほどご紹介したように、まずはすべての患者さんに対してトリアージを行い、その後帰宅するのか、他医などに紹介するのか、相澤病院の病棟で受け入れるのかなどを決定しているのがおわかりいただけると思います。
相澤病院のホームページでも、三次救急が必要な重症患者さんだけではなく、一次救急から三次救急に当たる、全ての不安を抱えて来院した患者さんを受け入れることを使命と考えて治療に当たっていることが紹介されています。
図にあった相澤モービルERとは、相澤病院の救命救急センターが独自に行っている取り組みで、一刻も早い救急医療処置が必要な重症な患者さんに対して、搬送中の車内で処置を行う往診制度のことです。
緊急車両には救急医と看護師、そして病院救命士が乗っており、現場または救急隊による搬送途中から患者を引き継ぎ、搬送中の車内で治療を行います。
救急科の看護師になるには準看護師ではなく看護師資格が必要!
救急看護師は、ここまで確認してきたような救急医療施設で仕事をしています。一次救急の場合、休日に当番医として診療を行う医療施設が救急医療を担当することもありますが、二次・三次救急ともなると、重症患者の受け入れも行うことになります。
つまり、重症患者にも対応できる知識が必要だということです。
そこで、救急科の看護師になりたいのなら、準看護師資格ではなく看護師資格が必要です。
看護師の国家試験受験資格を得るためには、看護大学、看護短大、看護専門学校のいずれかを卒業する必要があります。現在、看護系の大学は増えていますので、大卒の看護師の割合が増加しています。准看護学校を卒業して知事試験に合格すれば准看護師になることができますが、救急看護師には高い知識が要求されますので、看護師資格は必須と言って良いでしょう。
引用元:一般社団法人 日本救急看護学会
このように、高い知識を求められるのが救急科です。
実は、救急看護師が働いているのは病院だけではありません。ドクターヘリに同乗して働くフライトナースもいますし、災害時に被災地で救急活動を行うこともあります。国内にとどまらず、海外の災害現場まで派遣されることもあるんですよ。
では、それを踏まえた上で、救急科で働くにはどのようなスキルが求められるのか、詳しく見ていきましょう。
重症度や緊急度を見極めることができる
救急医療施設に患者さんが運び込まれてくる理由は、様々です。例えば交通事故、突然具合が悪くなった人など、いろんな症状で訪れます。
救急医療施設では多くの患者さんを受け入れているため、医師が必ず側にいるとは限りません。そんな時、看護師の判断でできる限りの救急処置をすることが求められます。
看護師が、患者さんの緊急度によって治療の優先順位をつけること(これをトリアージと言います)もありますので、責任は重大です。そのためにも、重症度や緊急度を見極める能力が必要とされます。
的確な救急処置ができる
重症度や緊急度を見極めた後には、必要とされる救急処置を行うことが必要です。救急処置としては、以下のようなことを行います。
- 気道確保
- 血管確保
- 採血
- 酸素投与
救急医療施設には一刻を争う患者さんも運び込まれてきますので、これらの救急処置を的確に行わなければいけません。
それから、救急処置を確実に行うために、もう一つ大切なことがあります。それは、情報収集もきちんと行うということです。
患者さんがどのような経緯で容体が悪化したのか、事故に遭った場合どんな事故だったのかなど、必要な情報を集めることも治療を進める上で大切なことです。既往歴がある場合は、それも聞いておいた方が処置が進めやすくなることもあります。
ですが、ご家族も気が動転したりしていますので、情報を知ることの必要性をきちんと説明し、情報を聞き取ることも治療を確実に進めるためのポイントとなります。
広い知識がある
救急科では準看護師資格ではなく看護師資格が求められることからも、また看護師がトリアージを行う可能性があることからもわかるように、広い知識が求められます。知識がないと、きちんとした判断や処置が行えないからです。
救急科には、様々な症状の患者さんが運ばれてきますので、どのような症状でも対応できるような知識が必要だということですね。
医療機器が扱える
三次医療を担当する救命救急センターでは特に顕著ですが、重篤な患者さんの命を救うために、最新の医療機器が置かれていることも多くあります。また、最新のものではなくても、医療機器を扱う場面は多くあります。
医療機器を管理するのも看護師の仕事の一部ですので、様々な医療機器を扱う能力も求められます。
家族への気配りもできる
二次救急や三次救急の場合、救急車で運ばれるほど患者さんの容体が悪いということですから、当然のことながらご家族もかなり心を痛めていますし、時には気が動転していることもあります。
そのため、一般の科で対応する時よりも、さらに患者さんのご家族に対するケアが大切になるのです。
そこで、患者さんの対応に忙しい中ではありますが、ご家族に患者さんの現状を伝え、治療方針についての説明をするなどして、落ち着いてもらうことも大切な看護師の役割です。
体力がある
先ほど確認したように、救急科では24時間365日患者さんを受け入れる必要があります。ということは、夜間だからと言って医師や看護師の人数を減らすことはできないということですね。
そのため、一般的な医療施設で働くよりも、夜勤の回数が多くなります。さらに、夜間であっても重症患者さんが運び込まれてくることもあるわけですから、入院中の重症患者さんの看護もしながら、救急車への対応もする必要があります。
つまり、かなり忙しい職場だということですね。そのため、救急科で働くには体力があることも必要です。
やる気がある
救急科で働いていると、広い知識が求められますし医療機器も多く扱わなければいけません。ですが、最初からそのすべてができる人はむしろ稀なのかもしれません。
そこで、救急科で働くには、やる気を持って新しい事を次々に覚えようとする姿勢も欠かせません。
多くの科を経験している、または一つの科を深く学んでいる
救急医療施設には様々な症状の人が運び込まれますが、自分が経験したことの無い診療科の範疇の病気の場合、なぜこのような症状が出ているのかが判断できないことがあります。
また、広い知識があるわけではなくても、特定の診療科についての深い知識があれば、その分野に関しては専門的な処置が行えるなどの強みになることがあります。
そこで、救急科を目指すのならば、多くの診療科を経験している人か、特定の診療科について深く学んでいる人かが向いています。転職先として選ぶのならいいですが、新卒の人がいきなりそこで働くのはかなり大変だと言えそうですね。
瞬時に重症度を見分ける力が必要なことや、医療機器を扱うこともあることなどから、これまでに多くの科を経験していたり、1つの診療科について深く学んでいたりする人が向いています。
忙しいので体力も必要ですし、重症度の高い患者さんに付き添う家族の不安を和らげる心配りも必要とされるなど、幅広い能力が求められるんですね。
重要な役割は救急処置をすること!救急看護師の仕事内容
救急科の看護師には、多くの能力が求められると言えますね。では、それらの能力を元に、救急科の看護師はどのような仕事をしているのでしょうか。具体的に見ていきたいと思います。
救急処置
日本救急看護学会によると、救急看護師にとって最も重要な役割は、救急処置を実施することです。
最も重要な救急看護師の役割は、救急処置の実施です。心臓や呼吸が止まってしまった患者さんへの救急蘇生処置や、出血を止める止血や包帯法、骨折時の処置などの応急処置があります。また、医師が行う様々な救急治療場面で、処置介助を行うことも多いです。
引用元:一般社団法人 日本救急看護学会
重症の患者さんが来るため、手早い処置が必要だということですね。
医師の診療の介助をする
これは、他の診療科で働く看護師と同じですが、医師の診察の介助をするのも救急科の看護師の仕事です。
ですが、通常の診療科とは違い、急を要することが多いので、的確に医師の指示を把握し、より迅速に行動をすることが求められます。
また、初療室と呼ばれる、救急車で搬入されてきた患者さんが最初に入る治療室があるのですが、ここでも医師の診療の補助を行ったり、検査や手術に対応したりします。
必要な医療器具がある場合、その準備もありますし、治療記録をつける仕事もあります。
体の清潔を保ったりトイレの介助をしたりする
重症の患者さんには、自分で身の周りのことができない人も多いので、体の清潔や口腔内の清潔を保つことも行います。また、体位を整える、トイレの介助をするなどの、生活行動を援助するための仕事もあります。
痛みを和らげる治療をする
痛みを和らげる治療を行うことも、救急科の看護師の仕事です、
患者さんの全身状態を管理する
患者さんの全身状態を管理することも、大切です。これは、できるだけ早く異常に気付くことを目的としており、異常を発見したら医師に報告するなどの対処が必要です。
家族のケアをする
救急医療施設にかかる患者さんのご家族は、突然のことにとても不安な思いをしています。そこで、ご家族のケアをすることも、看護師の仕事の一つです。
状況の説明をしたり、看護師の判断ではわからないことがあれば医師とご家族が話をできるようにしたりなどの方法で、寄り添っていくことが大切です。
その際、専門用語を使って話しても、ご家族にはわからないことがあります。そのため、できるだけわかりやすい言葉に置き換えて話すといった工夫も必要です。
ご家族の心配を取り除く説明ができるようになるためには、豊富な知識が求められます。それから、看護師が動揺するとご家族の不安を煽ってしまいますので、落ち着いた態度で話をするよう心がけましょう。
医療チームの機能が円滑に行くよう調整する
救急科では、医療チームとしてまとまって治療に当たることが必要不可欠です。なぜなら、1つの診療科では対応が難しいことも多いですし、一人で対応することも難しいからです。
例えば看護師が医師とともに患者さんの治療や処置に当たる、救命救急士が医師の指示のもとで蘇生を行うこともあります。骨折の疑いがあるとわかれば放射線技師とのやり取りをする必要がありますし、看護師一人でどうにかできるものでもありませんよね。
このように、連携して治療が行われているのが救急科で、チーム医療が欠かせないと言われるゆえんでもあります。
以上のように、救急医療施設では周りと連携を取ることがとても大切です。そのことをきちんと理解したうえで、医療チームの機能が円滑に行くよう調整することも、看護師の大切な仕事です。
救急医療物資を整える
救急科では時間に追われることが多いので、医師が必要とするだろうと考えられる救急医療物資を予測して、あらかじめ準備しておくことも大切な仕事です。
現場の声
では、実際に救急医療に携わっている看護師たちが、どのような信念を持って治療に当たっているのか、現場の声を聞いてみましょう。
救急科は3次救急医療を担当するものであり、1年24時間、ひと時も休むことなく診療を継続しております。交通事故・転落などの外傷、突然の心停止(来院時心肺停止)、広範囲熱傷、重症感染症、ショック、中毒など、重傷度の高い患者さんの救急車での搬入を積極的に受け入れ、治療しております。また、他院で手に負えないと評価された重篤な患者さんの受け入れも積極的に行っております。
引用元:北海道大学病院 救急科
北海道大学の救急科では、他院ではどうにもならないと言われたほどの重篤な患者さんの受け入れも行うのですから、かなり大変な現場であることがうかがえます。ですが、受け入れた患者さんの命を救うことができたら、とてもやりがいを感じますよね。
実際に現場で働いている人の声からも、重篤な患者さんの治療に積極的に取り組んでいることがわかります。大変な分、患者さんの命が助かった時のやりがいは大きいものです。
やりがいがある半面忙しい!救急科のメリットデメリット
救急科では、他の診療科よりも広い知識や深い知識が求められ、なおかつ瞬時の判断が大切になるなどの特徴があります。
それでは、ここまでの内容を元に、救急科で働くメリットとデメリットについて考えてみたいと思います。
救急科で働くことのメリット
救急科で働くことには、以下のようなメリットがあります。
- チーム医療に関われる
- 様々な医療知識が得られる
- やりがいを感じられる
- ステータスになる
- 給料が高め
救急科では特に、それぞれの個人が自分の責任を果たし、チームの一員として機能し、他の人と連携していくことが大切になります。そういったチーム医療に関われることで、チーム医療について学ぶことができます。
また、様々な症状の患者さんを看護するという特性上、様々な医療知識を得ることができます。それによって、キャリアアップすることもスキルアップすることもできます。
救急科で働き、その後また別の診療科に転職することを考えたとしても、救急科での経験は看護師としての自信をつけてくれるものになります。
特に三次救急ともなると、命の危険がある人が多く運び込まれてきます。その命を救うことができたとしたら、とても大きなやりがいとなりますよね。
それから、救急科は知名度も高いので、救急科に勤めているとなるとステータスにもなります。
さらに、夜勤が多くなりがちですし、残業になることもありますので、手当てがつく分他の診療科の看護師よりも給料は高めです。
救急科で働くことのデメリット
救急科で働くことには、以下のようなデメリットがあります。
- ミスが許されない
- 精神的にも肉体的にもハード
- 忙しい
- 患者さんとコミュニケーションが取りづらい
他の診療科ならミスをしていいということではないのですが、救急科は特に一刻を争い、命に直接関わる現場でもあるので、ミスが許されないことを意識して働かなければいけません。その上、迅速さも求められます。
そのため、仕事中はずっと気を張っていることになります。また、命に関わる重症の患者さんが多いということは、残念ながら命を落とす患者さんもいらっしゃることになります。それにも、精神的な辛さを感じることでしょう。
このように精神的にハードなことと合わせて、患者さんが多く運び込まれてくることもあって肉体的にもハードです。最初に確認したように、夜だからといって看護師の人数を減らすわけにはいかないので、夜勤も必然的に大きくなります。
看護する患者さんが重症だと、1人にかかる治療時間が長くなります。次々に患者さんが運び込まれてくることもあるので、とても忙しく感じられます。
それから、忙しいと患者さんとコミュニケーションが取りづらい場面があることも確かです。
また、別の視点から見ると、意識の無い患者さんも多いことで、患者さんとのコミュニケーションが成り立たないこともあります。
そういった意味では、一人ひとりの患者さんとゆっくり向き合って看護をしたい人には向かない診療科と言えます。
その反面、デメリットとしては、忙しいことや重症度の高い患者さんの治療に当たるためにミスが許されない感情であることなどから、肉体的にも精神的にもハードな職場であることが挙げられます。
実はパート勤務も存在する!救急科の勤務体制
ここまで読まれて救急科で働いて見たいと思ったあなたに向けて、救急科ではどのような働き方があるのか、見ていきたいと思います。
救急科は、ハードな仕事ながら、知名度が高いこともあって人気がある診療科でもあります。そのため、常勤での働き方しかないように思われがちなのですが、実はそうではないのです。
パート勤務という働き方も!
二次救急や三次救急に携わる医療施設は、患者を24時間365日体制で受け入れています。そのため、そこで働くとなると夜勤もありますし、かなりハードな勤務体制になることは確かです。
ですが、救急科で働く場合も、実はパート勤務を選ぶことも可能なんですよ。先ほど北米式のERシステムを採用しているとしてご紹介した相澤病院では、パートの看護師も勤務しており、パートの看護師の割合は3割程度です。
つまり、救急科だから常勤しかないと考えるのではなく、それ以外の勤務形態を選べる可能性もあるということですね。
ホームページなどで直接募集している病院も!
転職すると言えば、転職サイトや人材紹介サービスなどの利用を考えることもあると思いますが、病院によってはホームページ上などで直接応募を受け付けている場合もあります。
それらも参考にしながら、どんな職場でどのように働きたいかを考えたいものですね!
救急科だから多様な働き方ができないというわけではありませんので、あなたの働きたい形に合う病院を転職先として探すのもいいですね。
大変だがやりがいのある救急科!経験を積んでから転職しよう
救急科で働くメリットはキャリアアップやスキルアップに向いていてやりがいがあることなど、デメリットは精神的にも肉体的にもハードで忙しいことなどが挙げられます。
他の病院では治療できない患者さんも積極的に受け入れ、治療を行う救急科。求められるスキルなどは多いですが、その分命を救うやりがいも感じられます。そのためには、まず他の科で経験を積んでから転職することを考えてみましょう。
看護師の判断で救急処置を行うなど、果たす役割が大きい科でもあるので、救急科で働きたいと思うのであれば、情報を集めて自分に合った転職先を探してみてください。
それとは別に最近注目され始めたのが、北米の方法を取り入れたER型救急システムなんですよ。こちらは、重症度によって患者さんが受診する医療施設を分けるのではなく、全ての患者さんを受け入れた後、重症度を判断して振り分けるシステムです。