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初めて保険を選ぶ人が知るべき定期医療保険と終身医療保険の違い

医療保険に入ろうと検討を始めた皆さん、保険の種類が多すぎて悩んでいませんか。

ひとことで医療保険と言っても、いろんなタイプの保険がありますよね。大きく分けると、保障期間に期限がある定期タイプと、一生涯保障の終身タイプがあります。

人気なのは終身タイプで、終身タイプの中でも保険料の支払い方法に有期払いと終身払いという違いがあります。将来的に保険を見直すなら終身払いがおすすめです。

医療保険で終身タイプが人気なのはなぜか、そして終身医療保険の支払い方式として終身払いをおすすめする理由について、保険料の支払いシミュレーションを交えながらご紹介します。

どっちがオススメ?定期保険と終身保険の仕組みの違い

医療保険には保障期間に期限がある定期タイプ(定期保険)と一生涯保障の終身タイプ(終身保険)があります。

定期タイプと終身タイプは、ただ保障期間が違うだけではありません。

月々の保険料も違いますし、それぞれにメリットとデメリットがあります。詳しく見ていきましょう。

定期保険は更新するごとに保険料が上がっていく

定期タイプには保障期間があらかじめ「10年間」などと年数で決められているもの、「70歳まで」などと年齢で決められているものの2種類があります。主流なのは年数で決めるタイプで、保障期間が終わった場合には、契約を更新できます。

ただいつまで更新できるわけではなく、「70歳まで契約(更新)可能で、80歳まで保障」などの制限があるため、長生きすると保障期間が足りないという問題が起こります。

定期保険は契約時の年齢が若いほど月々の保険料が安いのも特徴です。更新するたびに契約時の年齢が上がっていくわけですから、更新ごとに保険料は高くなっていきます。

一方、メリットとしては、契約更新が定期的にやってくるので、保険の見直しや乗り換えをしやすい点があります。

また、若いほど保険料が安いので、若くて収入が少ない間は保険料を抑えたい人に適しています。「病気には保険ではなく貯金で備える」と考える人が、貯金ができるまで入っておく目的で加入する需要もあります。

<定期保険のメリットとデメリット>

  • 保障期間が決まっている(年数または年齢)
  • 若いほど保険料が安いが、更新ごとに保険料があがる
  • 保険の見直しがしやすい

保険料が変わらない!人気がある終身保険の特徴

人気があるのは、一生涯保障してくれる終身タイプの保険(終身保険)です。高齢になってからのほうが医療費がかかりますから、一生涯の保障がある方が安心だという理由で人気なんですね。

契約時の保険料が変わらないのも人気の理由です。

ただ、保険料が変わらないということは、若いうちの保険料が定期保険に比べて割高だということでもあります。若いうちに、高齢になった時の保険料を少しずつ前払いしているようなイメージですね。

<終身保険のメリットとデメリット>

  • 保障期間は一生涯
  • 保険料が変わらない
  • 若いうちの保険料が割高

定期保険と終身保険の保険料支払いシミュレーション

保障期間10年の定期保険を更新していく場合と、終身保険に入った場合の月々の保険料を比較してみましょう。

これはメットライフ生命保険株式会社の商品で、加入時30歳の男性が79歳まで生きた場合を想定しています。入院給付金5000円/日、先進医療2000万円まで保障、通院保障なしのプランです。

定期保険(10年間) 終身保険
30~39歳:1,097円/月(131,640円/10年)
40~49歳:1,437円/月(172,440円/10年)
50~59歳:2,257円/月(270,840円/10年)
60~69歳:3,287円/月(394,440円/10年)
70~79歳:5,307円/月(636,840円/10年)
30~79歳:1577円/月※
1,606,200円 946,200円

※先進医療特約のみ10年更新のため、保険料が上る可能性あり(先進医療特約は100円程度)
(「保障プランと保険料|フレキシィ [シンプルタイプ]のメットライフ生命」より算出)

保険料は、40代までは定期保険のほうが安いですが、50代を超えるとどんどん上がっていきます。そして最終的には、定期保険の保険料合計のほうが高くなります。

定期保険と終身保険の違い、わかっていただけましたか?終身保険は保険料がずっと変わらないので、家計が管理しやすいという特徴があります。

「将来的に保険を見直すならやっぱり定期保険」の落とし穴

さきほど、定期保険は保険の見直しや乗り換えがしやすいというメリットをご紹介しました。

「そもそも、保険って見直したり乗り換えたりすべき?」と疑問に思う方もいるでしょうが、時代の変化に応じて見直しは必要です。

例えば、がん保険。がんは、今では入院せずに通院で治療することも増えています。

医療の進歩によって新しい治療が開発されても、古い保険のままでは最先端医療での保証がされません。そのため数年に一度は保険を見直すことが大切です。

若いうちに保険を乗り換えるなら定期保険がお得!?

定期保険は定期的に契約更新がやってきますから、スムーズに乗り換えできますよね。

終身タイプだと見直しもせず契約しっぱなしになってしまいがちですが、定期保険のように更新があると「見直そう」という気になりやすいものです。

さらに重要なのは、さきほども見たように40代位までは定期保険のほうが終身保険よりも保険料が安い場合が多いこと。

つまり、40代くらいまでに保険を乗り換えるなら、定期保険のほうがお得なことがあります。

定期・終身からの保険乗り換えシミュレーション

では、実際に保険を乗り換える場合を考えてみましょう。さきほど紹介したメットライフ生命保険株式会社の保険から、通院給付金が出るタイプの保険に乗り換えた場合を想定してみました。

定期保険(10年)
→50歳で定期保険に乗り換え
定期保険(10年)
→50歳で終身保険に乗り換え
終身保険
→50歳で終身保険に乗り換え
30歳:1,097円/月(131,640円/10年)
40歳:1,437円/月(172,440円/10年)
30歳:1,097円/月(131,640円/10年)
40歳:1,437円/月(172,440円/10年)
30歳:1,577円/月(378,480/20年)
50歳:2,599円/月(311,880円/10年)
60歳:3,902円/月(468,240円/10年)
70歳:6,396円/月(767,520円/10年)
50歳:3,596円/月(1,294,560/30年) 50歳:3,596円/月(1,294,560円/30年)
1,851,720円/50年 1,598,640円/50年 1,673,040円/50年

※2016年自社調べ

保険料の総額が一番安いのは、50歳で「定期保険から終身保険に乗り換えた」パターンです。

若い世代が保険料を節約できる、定期保険のお得さがわかります。

健康不安があると新しい保険に加入できないかも

しかし、ここで注意点があります。それは、保険を乗り換えたいと思っても、すんなり保険料が安い保険に乗り換えができるとは限らないということ。

40歳代、50歳代になると体力も衰えてきて、病気になったりする人もいるでしょう。新しい保険に入ろうと思っても、健康状態によっては保険料が高いものにしか入れなかったり、最悪の場合には保険に入れない可能性もあります。

今は健康でも、将来何が起こるかわかりません。新しい保険を契約できず、いま入っている定期保険を更新する場合には、最初のシミュレーションで見たように、合計の保険料支払い額はかなり高くなります。

定期保険から別の安い保険に乗り換えるためには健康体でいることが大前提。しかし年を重ねた後のことは誰にも分りません。

それなら終身保険のほうが安心だと思いませんか?終身保険なら、若いうちに入ってしまえば、比較的安い保険料のまま変わりません。

終身保険も見直し前提!支払い方式は終身払いがおすすめ

終身保険が人気の理由をご理解いただけたと思います。終身保険に入ることを決めた方が次に迷うのは、「どの支払い方式にするか」ではないでしょうか。

終身保険の保険料の支払い方式には、主に以下の3つがあります。

  • 終身:亡くなるまで、一定の保険料を払い続ける
  • 終身(一定年齢以降半額):60歳など、ある年齢以降は支払い保険料を半額にする
  • 有期:「60歳まで」「65歳まで」など、保険料の払込期間を短縮する

退職後の負担をなくしたいと考えると、有期払いが良さそうに思えますが、保険を見直すことを考えると、実は終身払いがおすすめです。

その理由について詳しくご説明します。

退職後の負担を軽くしたいなら有期払い

アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)の保険商品を例にして、月々の保険料と最終的な保険料の払込額を、支払方法別・何歳まで生きるかという年齢別に計算してみました。

30歳男性が終身保険を契約した場合です。入院給付金5000円/日(限度:60日)、通院保障なし、三大疾病保険料免除特約なし、先進医療特約ありのプランにしています。

支払方法(死亡年齢) 月額 総額
終身払(80歳で亡くなる) 1,609円/月 965,400円/50年
終身払(75歳で亡くなる) 1,609円/月 868,860円/45年
終身払(70歳で亡くなる) 1,609円/月 772,320円/40年
60歳以降半額(80歳でなくなる) 1,789円/月
944円/月※
870,600円/50年
60歳以降半額(75歳で亡くなる) 1,789円/月
944円/月※
813,960円/45年
60歳以降半額(70歳で亡くなる) 1,789円/月
944円/月※
757,320円/40年
有期払:60歳まで支払 2,394円/月 861,840円/30年

※60歳以降の保険料。先進医療特約は半額にならない。
(「ちゃんと応える医療保険EVER:保険料シミュレーション|医療保険は、アフラック(アメリカンファミリー生命保険会社)」より算出)

75歳以上生きてずっと保険を変えないなら、有期払いや60歳以降半額の支払い方式にしたほうがお得だということがわかります。有期払いにすれば、退職後の保険料の負担がないのもメリットですよね。

保険を見直すなら終身払いがいい

各支払い方式の月々の保険料と総支払い額を見てみましたが、何歳まで生きるかわからない以上、「保険料の総支払額はどの方式がお得か」はわかりません。

有期払いや60歳以上半額払いにしていると、保険を乗り換える際には、終身払いに比べて損をする可能性があります。

有期払いは、将来の分を前倒しして、若いうちから割高な保険料を払う方式ですね。そのため、途中で保険を乗り換えると、払っていた割高な保険料分の損をしてしまいます。

先ほどもご説明したように、将来、保険が古くなって使えなくなるということはありえます。将来にわたって信頼できる保障内容でない限り、保険を見直すことを前提にして、終身払いにしておくことをおすすめします。

終身払いにしてもし保険を乗り換えなかったとしても、若いうちに入っておけば保険料は安いですよ。

安心感で人気の終身医療保険は支払いも終身がおすすめ

ここまで、定期保険と終身保険の違い、終身保険に人気が集まっている理由、終身保険でおすすめの支払い方式についてご説明してきました。
 
定期保険は若いうちに必ず保険を乗り換えるとか、保険を解約して貯蓄で老後の医療費に備えることが前提の人に人気です。一方の終身保険は、医療費が多くなる高齢期もしっかり保障してくれるという安心感で人気でしたね。
 
終身保険の支払い方式では、保険の乗り換えに備えて終身払いがおすすめです。
 
定期保険と終身保険の違い、終身保険の支払い方式の違いは、「知っているようで、実は詳しく知らなかった」という方も多かったのではないでしょうか。

保険の契約をする際には、ぜひこの記事の内容を思い出して、高齢期の医療費や保険の見直しのことを見据えて、保険商品を選んでくださいね。