産業看護師は夜勤なしで土日も休み!昇給率の高い理想の職場
「できれば夜勤がなくて、土日も休みで、給料の高い仕事がいいな」と思う人もいるのではないでしょうか。病棟に勤める看護師は土日祝日に休めない場合も多く、夜勤がないと給料が上がりにくい仕事ですよね。でも産業看護師なら、その理想を叶えられるんですよ。
産業看護師は企業の医務室で働く看護師のことで、社員の心身の健康管理や健康診断などを行います。夜勤がなく土日祝日も休みなので、プライベートを充実させたい人にぴったりの仕事です。
この記事では企業の医務室に勤める産業看護師の仕事内容やメリット・デメリット、転職やキャリアアップに役立つ資格を紹介していきます。
企業に勤める産業看護師の仕事内容や給料は?気になる情報をチェック
企業看護師と聞くと企業の医務室で働く産業看護師をイメージする人が多いのではないでしょうか。実は産業看護師以外にも企業に就職して働く看護師を企業看護師といい、大きく4つに分けられているんですよ。
新薬の開発補助をする治験コーディネーター、治験をモニタリングする臨床開発モニター、取引相手に商品説明をするクリニカルコーディネーター、企業の医務室に勤める産業看護師です。
企業看護師の1つである治験コーディネーターについては「治験コーディネーター(CRC)で看護師以上の年収を狙おう)」で詳しく説明しています。
それでは産業看護師の気になる仕事内容や給料をチェックしていきましょう。
社員の心身の健康を守る産業看護師!大切なのはメンタルヘルスケア
産業看護師の最も大切な仕事が、社員のメンタルヘルスケアを行うことです。ストレスや労働環境に悩む社員の相談に乗り、心のケアと環境改善を行います。
産業看護師の主な仕事はこちらです。
- メンタルヘルスケア
- 体調不良者の対応
- 健康診断の準備、フォロー
- 健康指導
- 健康相談
- 環境改善
- 健康指導に関する資料作成
- 健康診断のデータ入力
- 面談の記録
ある産業看護師の1日のタイムスケジュールはこちらです。
時間 | スケジュール |
---|---|
9:00 | 出勤 |
9:30 | 業務連絡 メール確認 |
10:00 | 健康相談 体調不良者の対応 |
12:00 | 昼休み |
13:00 | 健康相談 体調不良者の対応 |
15:00 | 面談結果の記録やカルテ作成 健診案内などの書類作成 |
17:00 | 翌日の準備 |
17:30 | 退社 |
意外に思われるかもしれませんが、社内の環境改善も産業看護師の仕事の1つです。
健康相談や職場巡視をして労働環境が適正に保たれているかを確認します。社員の心身の健康を守るために、産業看護師は医務室だけでなく社内全体を把握する必要があるといえます。
給料アップも夢じゃない!産業看護師の給料モデルを紹介
企業に勤める産業看護師の年収は400~700万円と幅広いです。企業規模が大きければ大きいほど、年収は高くなる傾向にあります。
実際に産業看護師を募集している二社を例に挙げて、年収を確認してみましょう。
月給 | 賞与 | 年収 |
---|---|---|
250,000円~ | 年2回(5.7ヶ月) | 4450,000円~ |
300,000~410,000円 | 年2回(3ヶ月) | 5400,000~7380,000円 |
勤務時間はどちらも9時から17時半で、夜勤なしの土日祝日休みです。
看護師の平均年収が470万円なので、給料アップにならないと感じる人も多いと思います。ですが、産業看護師は昇給しやすいので数年後には病院に勤める看護師の年収を超える場合が多いです。
プライベートを充実できる産業看護師のメリット・デメリット!
資格取得や個人の努力次第で昇給しやすいのが、産業看護師の魅力の1つです。そのほかにもメリット・デメリットはいろいろあるので、さっそく確認してみましょう。
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産業看護師のメリット
- 夜勤がない
- 土日祝日が休み
- 重病人がいないので負担が少ない
- 社会人としてのマナーが身につく
産業看護師は夜勤がなく土日祝日が休みなので、プライベートを充実させることができます。
また、企業内医務室は病院と異なり、常にケアし続けなければならない患者や重病人がいないので心身の負担が軽くなります。さらに社員に限らず社外の人間や来客にも対応するので、敬語や名刺交換、ビジネスメールなど社会人としてのマナーも身につきます。
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産業看護師のデメリット
- 責任が重い
- 求人が少ない
- デスクワークが多い
- 医療機関に転職しづらい
企業内医務室には看護師1名しかいない場合が多いので、その分責任は重く、また求人数が少ない理由にもなっています。デスクワークが多いところはアクティブに働くことが好きな人にとってはつらいかもしれません。
産業看護師として働くと、看護スキルが落ちるなどの理由から医療機関へ転職しづらくなります。将来、病院勤務に戻りたいと考えている人は、キャリアプランをしっかり立ててから転職を考えるようにしましょう。
資格取得でキャリアアップを目指す!産業看護師におすすめの資格6選
企業内医務室で働くために必要な資格はありませんが、取っておくと転職が有利になったりキャリアアップにつながったりする資格もあります。
例えば、下記で紹介する衛生管理者は社内の労働環境や衛生安全に関する資格です。衛生管理者は一定規模の企業に必ず1人は配置しなければいけないので、企業側としても必要な存在です。看護師資格と衛生管理者資格を持っていれば転職を有利に進めることができます。
それでは転職やキャリアアップにおすすめの資格を紹介します。
転職を有利に進めたい人におすすめの資格
- 保健師
- 衛生管理者
- MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
上記で説明したように産業看護師に必要な資格はありません。しかし企業内医務室で働く看護師は保健師資格の取得者が約65%ほどいるので、資格を持っている場合は転職が有利に進みます。
衛生管理者は労働者の心身の健康を守るために、50人以上の規模の企業に配置が義務づけられています。衛生管理者の仕事は労働環境改善、安全や衛生に関わる教育の実施、健康の保持増進、労働災害防止を行うことです。
配置が義務付けられているので、衛生管理者の資格を取得していれば転職の際、大きなアピールポイントになります。
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)は、ワードやエクセルの技能を証明する国際資格です。産業看護師はパソコンを使うデスクワークが多いので、MOSもおすすめ資格の1つです。
仕事に役立ちキャリアアップにもつながるカウンセラー資格
- 産業カウンセラー
- メンタルケア心理士
- 産業保健看護専門家制度登録者
産業カウンセラーは「聞くこと」を元にして、メンタルヘルスの推進や人間関係開発など、専門知識や技能を使って労働者の問題解決を援助する資格で、実施期間は日本産業カウンセラー協会です。
メンタルケア心理士は産業や医療、公共サービス分野などで相談援助を行うカウンセリング能力があることを証明する資格で、実施期間は医療福祉情報実務能力協会です。
産業保健看護専門家制度は、労働者に質の高い保健サービスを提供すること、いかなる職場でも保健サービスの提供を行うことを目的に企業内で働く看護師の能力育成や実践能力を高めるためのものです。
産業保健看護専門家制度に登録するには、企業内での看護経験が受験資格になるので、まだ企業内で働いたことのない人は受験資格がありません。
一方、産業カンセラーや心理カウンセラーは企業内の勤務経験がなくても取得できる資格です。
産業看護師の最も重要な仕事は、社員のメンタルヘルスケアを行うこです。なので、産業カウンセラーや心理カウンセラーなどカウンセリングに関する資格を取得すれば、面談時や健康相談時に仕事に役立てることができます。
質の高いケアを提供し社員の心身の健康が促進されれば、周りからの評価を得ることができるので、キャリアアップにもつながります。
資格は転職時のアピールポイントとなりますし、キャリアアップにも役立つので、興味のある人は取得を検討してみましょう。
少ない求人数から転職を成功させるポイント!転職サイトを活用しよう
転職を成功させるためには、求人探しの他にも気をつけなければいけないポイントがあるんですよ。それではそのほかのポイントも確認しましょう。
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産業看護師に転職するために気をつけたいこと
- 転職サイトを利用
- 求人をこまめに確認
- 勤務条件を確認
個人で探すには情報を集めるのが大変なので転職サイトを利用しましょう。登録すれば非公開の求人に応募できますし、転職のプロが相談に乗ってくれます。
産業看護師の求人は8~9割が非公開なので、求人を探すのは至難の業です。
産業看護師は求人数が少ないので見逃さないように、こまめに確認するのも大切なポイントです。また勤務形態や勤務時間、給料など、勤務条件の確認もしっかり行う必要があります。
コミュニケーション能力や看護経験、外資系の場合は英語力など企業によって求められるスキルは異なります。そのあたりは募集要項の確認や転職サイトの専任コンサルタントに相談するなどしてしっかり把握しましょう。
夜勤なし土日祝休みで高給!わがままを叶えてくれる産業看護師
産業看護師は夜勤がなくて土日祝日も休みというプライベートを充実できる仕事でしたね。仕事内容はメンタルヘルスケアや体調不良者の対応など、心身の健康管理と面談の記録や健康指導に関する資料作成などの事務作業でした。
求人の少なさは、人気の高さや好条件の表れでもあります。転職を成功させるために、今までの看護経験やコミュニケーション能力、紹介したおすすめの資格を取得するなどして、転職の際は企業にアピールしてみましょう。