看護師の履歴書・職務経歴書の書き方徹底解説!志望動機のポイントも

転職活動を始めようとしているけれど、「履歴書や職務経歴書を書くのが大変そう…」と不安に思っている人は多いですよね。いざ書こうとしても、「どう書いていいのかわからない」、「この内容でいいのか自信がない」といった悩みも尽きないもの。
今回はそんな履歴書や職務経歴書に関する悩みを解決します!
志望動機や自己PRもスムーズに書き進めることができるよう、書き方のポイントを項目や状況別に解説していきます。また添え状や封筒の書き方も合わせて確認しておきましょう。
これらの書類は、転職活動の一次選考になります。書き方のポイントをおさえて、自信を持って丁寧に書けばきっと大丈夫!「書かなければいけない…」というネガティブな発想を捨て、「いろいろアピールしよう」という気持ちで取り組んでみてください。
看護師の履歴書は志望動機で勝負!正しい書き方とコツ
履歴書は転職活動に必ず必要な書類です。ですが、どう書いていいのかわからない人も多いのではないでしょうか。ここではそんな履歴書の書き方を詳しく解説します。
履歴書は手書きが原則!修正液は使えないので慎重に書こう
まず履歴書を書き始める前に、基本的なポイントを確認します。
- 手書きが原則
- 黒のボールペンを使う
- 修正液は使わない
特に注意すべきは「修正液が使えない」という点です。
履歴書は応募先に提出する正式な書類です。しかし修正液を使った場合、採用担当者は本人が修正したかどうかわからないうえ、いい加減な人という印象を受ける可能性もあります。
もし書き間違えてしまった場合、最初から書き直しになります。
時間がないなど、どうしても書き直しが難しい場合は、訂正箇所に定規で二重線を引いて、二重線に重なる位置に訂正印を押します。正しい文字は、その訂正箇所の上下どちらかに書きましょう。
ただしこの方法は、「修正液を使うよりはマシ」という非常手段だと考えてください。「修正する手間を省いた」と思われる可能性が高いため、書き直すことが望ましいです。
書き直す手間を省くためにも、履歴書はあらかじめ記載内容をまとめておき、慎重に書き進めていきましょう。
採用担当者は履歴書のココを見る!能力や仕事への意欲はあるか?
具体的な書き方を見ていく前に、採用担当者が履歴書から何をチェックしているのか、おさえておきましょう。
採用担当者は履歴書から、希望給与などの労働条件や身に付けたスキル、仕事への意欲などを見ます。
具体的にチェックされる項目を以下にまとめました。
-
労働条件面
- 通勤が可能か
- 志望動機から仕事への意欲を感じるか
- 求める人材を理解して応募しているか
- 希望給料に隔たりはないか
-
職歴
- 前職を円満に辞めているか
- 過去の職務経歴を転職先で活かせるか
- 職務内容の実績、評価などに信憑性があるか
- 転職回数から見る組織適応力
-
人格・能力
- 自分の強みを理解しているか
- キャリアビジョンが明確か
- 誤字・脱字がなく、丁寧な字で書かれているか=仕事が雑ではないか
- 写真から見る人となり
履歴書を書く際には、これらのチェック項目で好印象を与えるよう意識して書くことが大切です。具体的にどのように書けばいいのか、詳しく見ていきましょう。
履歴書は書ける箇所からどんどん埋めていくと楽になる
採用担当者がチェックするポイントをおさえたことで、履歴書のイメージが大分つかめたのではないでしょうか。
とはいっても、履歴書の内容のほとんどは、生年月日や住所、学歴・職歴、取得資格などの基本的な情報です。
次に紹介する各項目の書き方ポイントを参考に、書けるところからどんどん埋めていきましょう。履歴書の項目と具体例をまとめました。
項目 | ポイント |
---|---|
①日付 |
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②氏名(フリガナ) |
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③生年月日 |
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④住所(フリガナ) |
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⑤写真 |
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⑥学歴・職歴 |
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⑦免許・資格 |
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⑧志望動機 |
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⑨趣味・特技 |
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⑩本人希望記入欄 |
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志望動機は「実践力」と「即戦力」を意識すれば、どんな状況でも書ける
生年月日や住所、学歴・職歴などの基本事項を埋めたら、次は志望動機です。
ですが、「志望動機」をどう書いたらいいか迷っている人も多いですよね。ここでは志望動機の書き方のコツを紹介します。
意識するポイント
- 採用担当者が関心を持ち、この人材が欲しいと思わせる内容である。
- 現在の職場ではできない、もしくは実現が難しいが、転職先では可能であることが書かれている。
- 応募先の職場環境や職務内容への共感があり、即戦力として働くことができる。
NGな書き方
- これまでの職場の悪口や人間関係での不満など、ネガティブな話題を挙げる。
- 過去に勤めた会社と転職先との比較をする。
- 「給料や待遇に魅力を感じた」、「勤務場所の立地で決めた」など、勤務条件を重視した書き方。
上記のポイントをふまえて、状況別・志望動機の書き方をまとめました。
- 勤続年数が短い場合
- 勤続年数が長い場合
- 転職回数が多い人の場合
- 前職から仕事をしていない期間が長い人の場合
- 特殊な技術や専門分野、目立った成果がない場合
- これまでと勤務形態が変わる人の場合
勤続年数が短い場合
- 資格取得を目指して勉強中など、意欲を見せる。
- 「このような看護がしたい」という想いを伝える。
高齢者向けの訪問看護師として患者様と接する中で、多くの方が孤独を感じていることに気づきました。心の病を抱えた方のサポートをしたいという想いから、精神保健福祉士の勉強を始めました。
貴院では精神疾患をかかえている方に特化した医療を行っているということで、そこでの訪問看護に従事したいと思い応募致しました。
勤続年数が長い場合
- 仕事の知識量、経験値をアピールする。
- 一つの職場で勤め続けることのできた堅実さや、円満な人間関係を築いてきたことを伝える。
これまで15年にわたり、小児科病棟にて勤務してまいりました。子供やその保護者の方々との関わりを通して、コミュニケーションの大切さを実感しました。
職場でも、患者様に対しても、信頼関係を築いていくスキルを身に着けることができたのは私の強みであり、貴院でも存分に活かすことができればと思っております。
転職回数が多い人の場合
- ますは自分の転職歴を振り返ってみる。職場は変わっても職務内容などで共通点があれば、その経験をまとめる。
- 「やりたい看護や興味のある職場が見つかれば、とにかく行動に移す」といった、行動力や興味・関心の深さに結び付ける。
これまで複数の病院の産科病棟で経験を積んでまいりました。命の誕生と向き合う中で、より妊産褥婦さんをサポートしたいという想いから、助産師の資格を取得しました。
さまざまな職場を経験し、いかなる状況においても臨機応変に柔軟に対応できるようになりました。この経験を活かして、貴院での看護に従事していきたいと考えております。
前職から仕事をしていない期間が長い人の場合
- 採用担当者が、ブランクに対して不安を感じることのないように、書き方を工夫することが必要。履歴書でブランクについて書いておくことで、面接での対策を立てやすくなる。
- 仕事から離れていた時期に、学校に通ったり、資格を取得した場合はそれをアピールする。
- 退職理由が「出産・育児」「配偶者の転勤」「留学」などであれば問題はないが、自身の健康問題で休養していた場合は、現在は健康であることにもふれておく。
前職では緊張が続く状態での夜勤が多く、体調を崩して退職いたしました。その後休養を取り、改めて自分の進むべき道を考えたとき、やはり看護職に従事したいと思い、認定看護師(救急看護)の資格を取得しました。
どんな状況でも冷静に対応できる強みを活かし、貴院で改めて看護師として挑戦をさせていただきたく思います。
特殊な技術や専門分野、目立った成果がない場合
- どの分野も抵抗なく、そつなくこなすことができることをアピールする。
- 第三者の意見をもとに、自分の性格・人柄を分析し、その強みを押し出す。
(例)「常に誠実な姿勢で職務を全うする」「諦めずに最後まで課題解決のために尽力する」など。
私は常に誠実な姿勢で職務を全うすることを心がけ、看護師として患者様と向き合ってきました。そして緊迫した状況下でも諦めずに、最後まで課題解決のために尽力することが強みです。
ICUでの経験はありませんが、病状に適した処置を一瞬で判断できるよう務め、貴院での看護に携わっていきたいと思っております。
これまでと勤務形態が変わる人の場合
- パートから正社員の場合:「子供が成長して手が離れた」「キャリアアップのため」「これまでも正社員と同様の仕事量をこなしてきた」となど、具体的な理由を明記する。
- 正社員からパートの場合:結婚などライフスタイルが変化した場合は、「生活環境の変化に伴い、それに合わせた働き方をするため」「資格取得を目指し、仕事と勉強のバランスを重視したため」など物理的な条件でも可能。
出産を機にパート勤務を続けてきましたが、子供の手が離れたため長時間働ける環境になりました。常に患者様に寄り添った、思いやりのある看護を意識してきました。
今後はさらなるキャリアアップを目指して、教育制度も充実し、最先端医療について学ぶことができる貴院の下でスキルを身に着け、職務に励んでいきたいと思っております。
志望動機は、どんな状況でも前向きに伝える書き方をしましょう。
これまでの経験で、特筆すべきことは何もなかった、などと不安になる必要はありません。自信を持ってアピールしましょう。
職務経歴書の書き方のポイントは見やすさ!職務内容を簡潔に伝えよう
履歴書の次は、職務経歴書について見ていきましょう。
職務経歴書を書く目的は、「これまでの職務内容を具体的・客観的に伝える」ことです。
職務経歴書は決まったフォーマットがありません。A4サイズ1~2枚に、履歴書には書き切れなかった「職務経歴」や、「取得資格」「自己PR」などについて書くことが一般的です。
- 職務経歴書の基本的な書き方
- 採用担当者のチェックポイント
- 職務経歴や自己PRの具体的な書き方
- 職務経歴書が書けない人向けの対策
添え状は人間性をアピールするチャンス!想いが伝わる書き方をしよう
ここまで履歴書と職務経歴書の書き方を見てきました。次は添え状についてです。
添え状は履歴書や職務経歴書を郵送する場合に、ビジネスマナーとして添付するのが望ましいとされています。
面接の際に、これらの書類を持参する場合は添え状は必要ありません。
添え状の目的は、履歴書や職務経歴書を読んでもらえるようにすることです。詳しくは次のとおりです。
- 丁寧に作成することで、採用担当者に人間性をアピールすることができる。
- マイナスイメージを与えない。ブランクが長い、前職を短期間で辞めているなど、履歴書でネガティブな印象を与える可能性がある場合は、今までの状況や今後の方針をあらかじめ伝えることができる。
- 送付している書類内容を明記することで、間違いを防ぐ役割がある。
非常識な添え状で不採用になることも!ポイントをおさえて丁寧に作成
では添え状の作成方法について確認していきます。まずは基本的な作成ポイントをおさえておきましょう。
- 横書きで、パソコン作成。
- 文体は敬体(ですます調)で書く。
- 応募用紙の大きさに合わせて、A4もしくはB5で枚数は1枚。
- 文章量は多すぎず、少なすぎず用紙の3分の2程度におさめる。
- 関心を持ってもらえるようなキーワードを入れつつも、シンプルにまとめる。
- 資格やこれまでの経験、自己啓発の姿勢についてふれる。
添え状に書く内容は、一般的には次の項目になります。
添え状に必要な項目
番号 | 項目 |
---|---|
① | 投函する日付 |
② | 応募先の病院・施設名、採用担当者名 |
③ | 自分の住所、氏名 |
④ | 挨拶文 |
⑤ | 応募に至った経緯(求人サイト、ハローワーク、紹介など) |
⑥ | 簡単な自己紹介、これまでの経歴を簡潔に説明 |
⑦ | 送付物内容 |
⑧ | 採用検討のお願い |
⑨ | 結びの挨拶 |
上記のポイントと項目をふまえて、作成していきます。その際の注意点として、次のような書き方はNGとなります。
(NG例)
これまで○○労災病院、社会医療法人△△訪問看護ステーションに勤めてまいりました。××科では思うような看護に従事することができず、訪問看護では残業も多く過酷な労働条件も相まって退職する運びとなりました。
貴院では精神疾患を抱えた方に特化した医療を行っているということで、訪問看護師としての経験を活かして職務に励んでいきたいと思っております。
NGポイントは次のとおりです。
- 熱意やアピールが極端で強すぎる。
- これまでの経歴について言い訳のような文章。
- 応募先に合わせた記述がなく、よくある定型文のみで構成されている。
添え状はアピールツールとして有効活用できますが、簡潔に書くことが求められています。
封筒の書き方と書類の入れ方について!郵送する時は郵便窓口で
履歴書、職務経歴書、添え状が作成できたら、残すは封筒です。
封筒は履歴書や職務経歴書を折らずに入れることのできるサイズ(履歴書は真ん中で二つ折り可)で、色は白の無地のものを選びましょう。
封筒も履歴書同様、黒のサインペンで書きます。書き方のポイントは次のようになります。
項目 | ポイント |
---|---|
①応募先の住所 |
|
②宛名 |
|
③その他 |
|
項目 | ポイント |
---|---|
④自分の住所・名前 |
|
⑤日付 |
|
⑥その他 |
|
封筒に関しては、書き方以外にもいくつか注意点があります。
まず封筒に書類を入れるときの順番があります。
入れる順番は上から、添え状→履歴書→職務経歴書→その他必要な書類、になるように重ねて入れましょう。
その時に書類一式をクリアファイルに入れておくと、雨など郵送時のダメージを受けにくく、応募先にも丁寧な印象を与えることができます。
また郵送するときは、ポストに投函するよりも、郵便局の窓口に行くことをオススメします。
料金不足のトラブルを防ぐためにも、窓口で重さを量って切手を貼ってもらうほうが確実だからです。
書類は転職活動の一次選考!採用担当者に関心を持たれるよう前向きに
履歴書や職務経歴書などの書類は、転職活動の一次選考になっています。このことを意識して、丁寧に作成するようにしましょう。
「書かないといけない」とネガティブに考えるのではなく、「アピールするチャンスだ!」という熱意を持って作成する姿勢が大切です。
転職者に求められるものは“実践力”と“即戦力”です。今回紹介したポイントをふまえて、これまでの人生と仕事の軌跡を自信を持って書けば、きっと大丈夫です。
採用担当者が会ってみたくなる書類を作成し、転職活動の成功へ向けて踏み出しましょう!