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ファシリティドッグやガーデンホスピタルを導入!静岡県の病院を紹介

ファシリティドッグやガーデンホスピタルを導入!静岡県の病院を紹介

静岡県には、患者さんをさまざまな工夫で癒す病院があります。

静岡県立こども病院では、日本で初めてファシリティドッグを導入。いつも子どもたちに寄り添って、入院中の不安やストレスを軽減させています。

また、静岡県立静岡がんセンターのガーデンホスピタルを取り入れた建築は、第35回中部建築賞で入選しました。自然と一体となったガーデンホスピタルが評価されたのです。

この記事では「静岡県立こども病院」と「静岡県立静岡がんセンター」を紹介します。

日本で初めてファシリティドッグを導入!静岡県立こども病院

静岡県立こども病院は、15歳までの子どもを受診対象としている病院です。子どもたちのストレスや不安を軽減するために、日本で初めてファシリティドッグ※を導入しました。

ファシリティドッグとは

ストレスを抱えた人々に、愛情と安らぎを与えるよう専門的なトレーニングを積んだ犬のことです。患者さんと触れ合い精神的なケアを行うことで、治療が円滑に進むようにサポートします。

静岡こども病院に常勤するファシリティドッグは、ゴールデンレトリバーの「ヨギ」(6歳・2017年現在)です。ヨギの活動について、詳しく見ていきましょう。

子どもたちに勇気と希望を与えるファシリティドッグ「ヨギ」

ファシリティドッグが導入された主な目的は、患者さんの生活の質を改善して治療に役立てるためです。

静岡県立病院のファシリティドッグである「ヨギ」は、病院内では常にハンドラー※と共に行動します。

ハンドラーとは

専門的なトレーニングを積んだ、臨床経験のある看護師のこと。ファシリティドッグとチームを組んで病院で働きます。

ヨギの主な仕事内容は次のとおりです。

ファシリティドッグ「ヨギ」の仕事内容
  • 病室を訪問する
  • 子どもたちと触れ合う
  • 手術室まで同行する
  • 検査や治療時に寄り添う

ヨギがどの病室を回るかは、子どもたちの治療状況などに応じて病院と相談。病室では子どもたちが、ヨギの体を触ったりボール遊びをしたりします。

子どもたちがヨギの口の中に指を入れたり耳を引っ張ったりしても、決して怒ることはありません。とても穏やかでのんびしりた性格のため、子どもたちも安心してヨギと触れ合うことができます。

また子どもたちの治療や検査にヨギが寄り添うことで、さまざまな変化を子どもたちに与えました。

「ヨギがいれば薬を飲む」、「ヨギと一緒なら検査も頑張る」と、子どもたちが治療に前向きになるのです。

手術が怖くて泣いている子どもも、ヨギのリードを持てば笑顔で手術室まで向かいます。

ファシリティドッグとして寄り添うヨギは、子どもたちに勇気と希望を与えているんですね。

静岡県立こども病院の基本情報
住所 静岡県静岡市葵区漆山860
最寄り停留所 バス停「こども病院」
公式サイト 静岡県立こども病院
病床数 279床
福利厚生 院内保育所(24時間保育)

ファシリティドッグは病院に常勤しているため、病院の医師や看護師との信頼関係が構築されます。患者である子どもをサポートするだけでなく、病院スタッフとも関わることで病院全体の雰囲気が良くなるんですよ。

ガーデンホスピタルとして建築!静岡県立静岡がんセンター

静岡県立静岡がんセンターは、病院設計時に「ガーデンホスピタル」をコンセプトに取り入れて建築されました。

病院の敷地内には広大な庭園があり、建物内でも自然を感じられる工夫が施してあります。静岡県立静岡がんセンターの建築について、詳しく見ていきましょう。

1000本以上のバラが植えられている!静岡がんセンターの庭園

静岡がんセンターの敷地内には、緑に囲まれた広大な庭園があります。季節ごとの草花を楽しむことができるのです。

庭園内には主に3つのエリアに分かれています。3つのエリアは次のとおりです。

静岡がんセンターの庭園
  • バラ園
  • イングリッシュガーデン
  • 心の池

バラ園には、オールドローズなど700種以上のバラが植えられています。その数はなんと1000本以上。春のバラと秋のバラを楽しむことができます。

イングリッシュガーデンは、2001年に静岡県で開催された「しずおか緑花祭」のワールドガーデン・コンペティションで、金賞を受賞した作品を移設したものです。病院本棟と緩和ケア病棟を結ぶ廊下に沿ってイングリッシュガーデンが設置され、心を癒す空間を作りました。

また庭園の中央にあるハートの形をした「心の池」の周辺には、四季折々の草花や樹木が植えられています。1年を通して自然に接することができ、散策路は車イスでも通ることが可能です。

静岡がんセンターでは、庭園の小さな滝から流れ落ちるせせらぎの音や風に揺られる木々の音が聞こえてきます。

自然の音が患者さんを癒すことに繋がるのですね。

ガーデンホスピタルを実現!自然を取り入れた静岡がんセンターの施設

静岡がんセンターは、第35回中部建築賞で入選しています。

自然と一体となった「ガーデンホスピタル」を実現したことが評価されたのです。

病院内の施設を見ていきましょう。

柿田川ホール

柿田川ホールは病院の中心にあたる場所。1階の天井は吹き抜けになっていて、とても明るい広場です。静岡県駿東郡清水町にある柿田川湧水にちなみ「柿田川ホール」と名付けられました。

柿田川ホールの床に描かれている青色の流線は、外の中庭から流れてくる清流をイメージしています。ホール内にはグランドピアノが置かれていて、ピアノの自動演奏が定期的に開催されているんです。

陽だまりラウンジ

外来の待合室に隣接する陽だまりラウンジは、天井まで届く大きな窓に囲まれています。太陽の光がラウンジいっぱいに広がり、窓からは庭園を眺めることが可能です。

また陽だまりカフェが常設されており、飲食しながら一息つくことができます。

静岡がんセンターの病棟はユニークな形をしており、各階に外側に突き出たデイコーナーを設置。場所によって見える景色が異なり、富士山や駿河湾、伊豆半島などを眺めることができるのです。
静岡県立静岡がんセンターの基本情報
住所 静岡県駿東郡長泉町下長窪100
最寄り停留所 バス停「がんセンター」
公式サイト 静岡県立静岡がんセンター
病床数 615床
福利厚生 ・職員住宅
・敷地内保育所

静岡がんセンターは静岡県東部の愛鷹山麓に位置し、富士・箱根・伊豆・駿河湾の眺望に恵まれた環境にあります。窓から見えるその景色が、患者さんや病院スタッフの心を癒しているんですね。

動物や自然の景色で患者さんを癒す静岡県の病院に注目

静岡県には患者さんを癒すために、さまざまな工夫をする病院がありました。

静岡県立こども病院では、日本で初めてファシリティドッグを導入。その活躍は子どもたちに勇気と希望を与えて、入院中の辛い治療や検査をサポートしているのです。

静岡県立静岡がんセンターは「ガーデンホスピタル」をコンセプトとして建築されました。病院の敷地内にある広大な庭園や、自然を取り入れた病院内の施設は、患者さんの心に安らぎを与えています。

動物や自然の景色など、静岡県にはさまざまな工夫で患者さんを癒す病院がありますね。

ほかの病院では、患者さんを癒すためにどんな取り組みをしているのでしょうか。これからも静岡県の病院に注目です。