手洗い・うがいで風邪予防!温度・湿度の管理や食べ物での対策も紹介
「仕事や学校があって休めない」「予定が立て込んでいて今体調を崩すわけにはいかない」など、風邪に悩まされている人は多いのではないでしょうか。
忙しくなると、身体はウイルスに負けやすくなります。それにより、毎年同じ時期に風邪をひいてしまう人もいるのでは?
睡眠不足も風邪の原因のひとつですが、ウイルスが身体に侵入する原因はほかにもあります。
例えば風邪を予防するための、手洗い・うがいやマスクの着用。実は手洗い・うがいは正しい方法で行わないと予防の効果は低く、マスクをしているだけではウイルスの侵入は防ぐことができません。
ここでは風邪に悩む人のために、厚生労働省が紹介する正しい手の洗い方や、ウイルスの体内への侵入を防ぐスプレーを使った対策など、風邪をひかないための予防法を紹介していきます。
正しい手洗いとうがいで風邪を予防!うがい薬は風邪をひいてから
普段、手洗いやうがいは頻繁に行っていますか?自宅や職場のドアノブや手すり、エレベーターや自販機のボタンなどには、ウイルスが付着している可能性があります。
また呼吸をするなかで、どうしても喉や鼻からウイルスは体内に入り込んでしまうのです。近くで咳をした人やくしゃみをした人がいたときなど、特にその可能性が高くなります。
そんな環境の中でも風邪をひかないために、手洗いやうがいをこまめに行えるよう心がけましょう。
石鹸を使った手洗いで風邪対策!正しい洗い方で洗い残しをなくそう
手を洗うとき洗い方が間違っていると、手の付け根や指先は洗い残しが多くなってしまいます。厚生労働省が紹介している正しい手の洗い方で、洗い残しをなくしましょう。手順は次のとおりです。
手を洗うタイミングは、次のチェックリストを参考にしてください。
- <手を洗うタイミング>
- 外出後
- トイレ後
- くしゃみや咳を手で押さえたあと
- 調理の前後
- 食事前
- 動物を触ったあと
これらは特にウイルスが手に付着しやすいタイミングです。手を洗わないまま鼻や口などを触ると、手についたウイルスが体内へ侵入してしまい、風邪をひいてしまいます。それを防ぐために、こまめに手を洗いましょう。
ゴミやゴミ捨て場には、ウイルスや細菌が特に多いです。
朝ゴミ出しをしてから、そのまま出勤または外出する人もいますが、面倒でも手を洗ってから出かけるようにしましょう。
普段のうがいは水か緑茶でしよう!うがい薬は風邪をひいてから
あなたは普段うがいをするとき、うがい薬を使っていませんか?風邪が流行りだすと、私はよく母に「うがい薬を使いなさい」と言われます。ですが、うがい薬は本当に風邪の予防に効果があるのでしょうか。
一概に「うがい薬」と言っても、多くのメーカーからさまざまな種類のものが発売されています。うがい薬の種類は、大きく2つの作用で分けることができます。
- <うがい薬の種類>
- 殺菌消毒作用のあるもの
- 抗炎症作用のあるもの
風邪の予防に使われるのは、「殺菌消毒作用」のあるうがい薬です。例えば「イソジン®」ですが、この名前、少なくとも一度は耳にしたことがあるんじゃないでしょうか。イソジン®の有効成分はポビドンヨード(PVP-I)で、殺菌消毒作用のあるうがい薬です。
イソジン®の公式サイトを見てみると、次のような記載があります。
PVP-Iは一般的な消毒薬が効かない、エンベロープという膜をもたないウイルスも消毒できる点がユニークです。風邪の原因となるアデノウイルス、感染性胃腸炎を引き起こすロタウイルスなどがそれに当たります
また同サイトのQ&Aには「イソジン®を使ったほうがいいとき」について、このような記載もあります。
風邪やインフルエンザが流行しているとき、風邪をひいたとき、のどが痛いとき、体が弱っているときなどはイソジン®うがい薬でうがいしましょう。約60mlのうがい液を次のように3回に分けてうがいします。これを1日数回繰り返します。
どちらにも「風邪の予防になる」という記載はありません。そこで調べてみたところ、「イソジン®でのうがいは風邪の予防には効果がない」と仰っているお医者さんも。
健康な状態のときに殺菌消毒作用のあるうがい薬を使用した場合、刺激により、病原細菌だけでなく口腔内の正常細菌までもが破壊されてしまうようです。
正常細菌は病原細菌に対抗する細菌なので、この数が減ってしまうと、逆に風邪をひきやすくなる可能性が出てきます。
要するに「うがい薬は風邪をひき始めたら使って、ウイルスや病原細菌を殺菌消毒しましょう」ということです。
普段のうがいは水でしたほうが、風邪の予防に繋がります。ここで重要になるのは、うがいの仕方です。
<正しいうがいの仕方>
1、口をすすぐ
2、うがいをする(声を出しながら)
3、口をすすぐ
口内のウイルスを洗い流すために、まず口をしっかりすすぎましょう。口をすすがずにうがいをすると、喉にウイルスが移動してしまう可能性があります。また喉の奥まで洗浄するために、うがいは声を出しながら行うのがおすすめです。
さらに効果的に風邪対策をしたいなら、緑茶でうがいをしましょう。緑茶に多く含まれるカテキンにも殺菌作用があります。うがい薬のような刺激はないので、普段のうがいに使用することができます。
緑茶は一番茶ではなく、出がらしで作ったお茶でも十分効果があります。カテキンをより抽出するために、熱いお湯でお茶を淹れ、うがいはお茶を冷ましてから行います。
温度・湿度の管理も風邪の対策に!自律神経の乱れも風邪の原因
風邪の対策には、室内の温度や湿度のコントロールも必要です。
冷暖房が効きすぎると自律神経が乱れ、身体の体温調節の機能が衰えるので、風邪をひきやすくなってしまいます。
夏はなるべくクーラーを使わずにうちわや扇風機を使い、冬はなるべくヒーターを使わずにこたつやストーブを使うようにして、外との気温差を少しずつ減らすようにしましょう。
とは言っても、冷暖房を全く使わない、となると職場やお出かけ先との気温差が出てきてしまうので、適度に使うのがおすすめです。
設定温度は冷房なら25度~28度くらい、暖房なら20度~23度くらいにしておきましょう。
同時に夏は除湿を、冬は加湿を行い、湿度は40%~60%に保つようにしてください。
免疫力アップで風邪を予防!タバコは控えて運動や岩盤浴をしよう
免疫力の低下により、風邪をひきやすくなります。免疫力が低下する原因のひとつが、タバコやお酒です。
特にタバコの煙など有害物質が体内に入ると、身体がそれを排除しようと免疫機能を働かせる分、ウイルスや細菌に対しての免疫力が低下します。
お酒の場合は、適量以上に飲んで血中アルコール濃度が一定以上になると、免疫力が低下します。お酒を飲むのであれば、飲むペースなどにより個人差はありますが、ほろ酔い程度にしておきましょう。
免疫力を高めるには、運動や岩盤浴・サウナなどが効果的です。
ジョギングやウォーキング、スイミングなどの有酸素運動が免疫力の向上には最適です。ヨガ(特にホットヨガ)も、身体を温めながら免疫力を高めることできる運動のひとつです。
また運動が苦手な人でも、岩盤浴やサウナで体温を高めることにより、免疫力を向上させることもできます。
風邪対策グッズを紹介!マスクを着けるだけではウイルスは防げない
風邪をうつさないためにも、うつされないためにも風邪の対策にマスクは必要です。ですが、あなたがつけているマスクでは、ウイルスの侵入を防げていないかもしれません。
ウイルスのサイズは、マスクの繊維の間をすり抜けてしまうものが多く、マスクだけで全てのウイルスを防ぐことはできないのです。
またマスクの着け方によっても、ウイルスのカット率は変わってきます。パッケージに表記されているカット率は、最適な状態で着用した場合の実験結果なのだとか。
ウイルスのカット率を高めるために、マスクを着けるときは次のことに気をつけましょう。
- <マスク着用時のポイント>
- 鼻や頬に隙間なくフィットするように、金具に折り目をつける
- プリーツ部分を広げ、鼻からあごまでしっかりと覆う
- マスクの両脇を抑えて、顔に密着させる
風邪の対策グッズには、マスクにウイルスが付着することを防ぐスプレーや、顔に直接吹きかけてウイルスの侵入を防ぐスプレーなどもあります。
マスクに吹きかけるタイプは、付着するウイルスを減らすため、ウイルスのカット率も上がります。顔に直接吹きかけるタイプは、マスクを着けることができない時に、鼻や口からのウイルスの侵入を防ぐことができるのです。
顔に吹きかけるとなると、ベタつきが出ないか心配ですよね。商品にもよりますが、水のようなさらっとしたタイプのものが多く、メイクの上からでも安心して使うことができますよ。
そのほかにも、手に塗るアルコールなどを準備しておけるといいですね。ポンプタイプや持ち運びタイプなどが販売されています。職場のデスクに置いておいたり、カバンに入れておいたりでき、こまめに除菌ができるのでおすすめです。
ビタミン・タンパク質・亜鉛は風邪対策に効果的!食べ物で風邪を予防
風邪を予防するためには、食事でバランス良く栄養をとることも重要です。特に次のような栄養素が、風邪対策に効果を発揮します。
- <必要な栄養素とおもな効果>
- ビタミンA(鼻や喉などの粘膜を保護する)
- ビタミンC(免疫力を向上させる)
- ビタミンB1(だるさを軽減させる)
- タンパク質(基礎体力をつけ、抵抗力を高める)
- 亜鉛(疲労回復や免疫機能の向上につながる)
これらの栄養素が多く含まれるおもな食材を、次の表で紹介します。
必要な栄養素 | おもな食材 |
---|---|
ビタミンA | ・ホウレンソウ ・ニンジン ・カボチャ ・ウナギ ・卵 ・チーズ |
ビタミンC | ・イチゴ ・みかん ・キウイフルーツ ・ブロッコリー ・ホウレンソウ ・イモ |
ビタミンB1 | ・豚肉 ・魚介 ・グリンピース ・納豆 |
タンパク質 | ・豚肉 ・鶏ムネ肉 ・カツオ ・卵 ・納豆 ・牛乳 ・豆乳 |
亜鉛 | ・カキ ・赤身の肉 ・レバー ・チーズ ・ナッツ ・グリンピース |
このほかにネギやニラ、にんにく、玉ねぎ、ショウガ、唐辛子など身体を温めてくれる食品もおすすめです。また鍋や雑炊、うどん、スープなどの身体を温めてくれるメニューは、血液循環が良くし、免疫機能を高めてくれるので風邪予防に効果的です。
ほかにも乳酸菌であるヨーグルトにも免疫力をアップさせる効果があります。免疫機能を維持する働きがあるハチミツと一緒に食べると、より効果があります。
焼きみかんを食べて風邪を予防しよう!果肉のビタミンCを増やす方法
風邪の予防に有効なビタミンCを多く含む食材のなかでも、ある方法によってビタミンCを増やすことができる食材があります。
焼いて食べる「みかん」です。
みかんの原産地には、みかんを焼いて食べる地域があります。ではなぜ、みかんを焼くのか。
実はみかんのビタミンCは皮に多く含まれていて、熱を加えることにより、果肉に浸透させることができます。
ビタミンCは熱に弱いのですが、みかんのビタミンCは皮に守れられているので、焼いても栄養が失われることはありません。なので通常よりも、ビタミンCの増えたみかんを食べることができるのです。
焼きみかんはガスコンロなどの直火やフライパンなどでも焼くことができますが、トースターを使えば途中でひっくり返さずに済むのでおすすめです。
下の皮に丸い焦げ目がつくよう、8~10分を目安に焼くだけで「焼きみかん」の出来上がりです。
私の場合、毎年冬頃になると風邪をひいていましたが、焼きみかんを食べるようになってから、寝込むことは滅多になくなりました。
5つの風邪対策を実践しよう!忙しいときこそ風邪を予防
・冷房は25度~28度、暖房は20度~23度、湿度は40%~60%に設定する
・運動や岩盤浴・サウナで免疫力を上げる
・ウイルスの体内への侵入を防ぐスプレーや手に塗るタイプのアルコールを使う
・ビタミン、タンパク質、亜鉛が含まれる食材を食べる
大事なときに風邪をひかないように、正しい手洗い・うがいやマスクの付け方、食生活の改善、室内の温度や湿度の見直しなど、普段からできることを一つずつ行っていきましょう。
運動や岩盤浴・サウナなどは忙しい時期には難しいかもしれませんが、基礎体力や免疫力の向上に繋がり、風邪の予防には有効です。時間に余裕があるときだけでも、無理なく行えるようにしたいですね。
普段から風邪の予防を心がけて、風邪に負けない身体を作りましょう。