看護師さんの辛い勤務環境

看護師はやりがいのある仕事!でも頑張りすぎると無気力に・・・

看護師はやりがいのある仕事!でも頑張りすぎると無気力に・・・

看護師の仕事は患者の命や健康に関わるもの。勤務時間の長さや夜勤で疲れが取れなかったり、職場によっては人間関係で悩んでしまったり、辛いと感じるときも多いですよね。

でも患者から感謝されたときや、頑張りが認められたとき、「看護師ってやりがいのある仕事だな」って思いませんか?

人によってモチベーションや目標の高さ・看護に対する考え方は違いますが、どの看護師にとっても、やりがいを感じながら仕事をすることはとても大切なことです。

しかし頑張りすぎると知らず知らずのうちにストレスを溜め、突如無気力になってしまうバーンアウト症候群(燃え尽き症候群)になり、仕事にやりがいを感じなくなることがあるんです。

この記事では、看護師が仕事にやりがいを感じるときを場面ごとに紹介します。また、看護師の職業病とも言われているバーンアウト症候群とその予防法や、やりがいを持って仕事をする秘訣もお教えします。

看護師がやりがいを感じる3つの場面!エピソードとともに紹介します

まず看護師が仕事にやりがいを感じるときを紹介します。看護師がやりがいを感じるのは大きく分けて次の3つの場面です。

  • 患者さんとの関わり
  • 同僚や先輩との関わり
  • スキルアップやキャリアアップ

それでは、それぞれの場面で感じる看護師のやりがいについて、例を挙げながら紹介していきます。自分にとって忘れられない看護エピソードを思い出しながら読んでみてください。

看護師は患者から感謝されるとやりがいを感じる

看護師は患者のためにいるようなもの。患者とどう接したらいいのかわからなかったり、なかなか心を開いてもらえず悩むこともありますが、患者からの「ありがとう」の言葉が何より嬉しいですよね。

看護師が患者との関わり合いでやりがいを感じるのは、主に次のようなときです。

・自分の休みの日に患者が退院することになったので、見送るために休日出勤したら喜んでもらえた。
・他の看護師とはほとんど口を聞かなかった患者が、自分には何でも話してくれた。
・患者だけでなくその家族にも感謝してもらえた。

認めてもらえると嬉しい!同僚や先輩看護師との関わり

同僚や先輩看護師との関わりでやりがいを感じるのは、主に次のような場合です。

・チーム全体で看護の知識を共有したり、お互いに意見を出し合ったりしてより良い看護ができるようになった。
・尊敬する先輩看護師のようになるのを目標に、頑張ろうと思った。
・自分が教育した新人看護師の成長を見て嬉しくなった。

また同僚や先輩看護師の他に、医師など病院の職員から信頼されることでやりがいを感じる看護師もいます。

意見を聞いてもらえたときや頼ってもらえたときは嬉しいですよね。

目標があると頑張れる!スキルアップやキャリアアップ

人との関わり合いだけでなく、自分自身のスキルアップやキャリアアップがやりがいに繋がることもあります。

・任される仕事が増え、以前より病院や患者の役に立てるようになった。
・医師や先輩看護師に、自分の成長を評価された。
・役職について、役職手当がついた。

このように自分の頑張りが報われたとき、看護師は仕事にやりがいを感じるようになります。

看護師によって、どの場面を特に重要視するかは違います。

目立ったスキルアップがなくても、自分なりに決めた目標をクリアすることで、仕事にやりがいを持てるという看護師もいますよ。

仕事にやりがいを求めるなら、看護師長を目指すのもおすすめ

上でも紹介したように、看護師はいろいろな場面で仕事にやりがいを感じる職業です。

その中でも特にキャリアアップでやりがいを感じる人は、看護師長を目指してみてはいかがでしょうか。

看護師長の主な役目は、看護師たちを指導することです。チーム全体のスキルを高めるために、技術的な指導と精神的なサポートをしています。また定期的に看護師全員で共有する目標を作るのも看護師長の仕事です。

それに加えて、誰をどの病棟で勤務させるかを決めたり、人手不足の病棟が出ないよう看護師を配置したりなどの、人事調整も行っているんですよ。

やることは多く責任重大ですが、看護師たちの成長を見られるときにやりがいを感じる役職です。責任ある立場を任されることでモチベーションも上がりますし、新しく覚える仕事も多く、気持ちを新たに仕事を再スタートさせることができます。

看護師長は年収も高くなりますし、将来転職した場合にも役に立つ経験になるというメリットもあります。

バーンアウト症候群は、突然無気力になる看護師の職業病

看護師はやりがいのある仕事ですが、中にはやりがいを感じていない看護師もいます。このような看護師はバーンアウト症候群(燃え尽き症候群)になりやすいんです。

バーンアウト症候群になると、次のような精神的な症状が現れます。

  • 今までは熱心に仕事をしていた人が、突如無気力状態になる。
  • 不安を感じたり、仕事への自信や自尊心を失ったりする。

そして最悪の場合アルコールや薬物依存、それから睡眠障害などの身体的な症状も現れ、看護師の仕事を続けるのが難しくなってしまうこともあるんです。

実はバーンアウト症候群は「看護師の職業病」と言われています。その理由は、看護師には責任感の強い人や仕事熱心な人が多いから。

辛い状況でも頑張って仕事をして、自分では気付かないうちにストレスを溜めてしまっているんです。

一生懸命やっているのに評価されなかったときや、自分で高すぎる目標を設定してしまって達成できなかったときなど、報われないと思ったときにバーンアウト症候群は発症します。

ではどうすればバーンアウト症候群を予防できるのでしょうか?その方法は大きく2つに分かれます。

    <身体的なケア>

  • 十分に休養できる時間を作る。
  • 生活リズムを整える。
  • <精神的なケア>

  • 完璧を求めすぎない。
  • 周りの評価を求めすぎない。
  • 目標設定を高くしすぎない。
  • 自分を認めてあげる。
  • 息抜きやストレス解消の時間を作る。

看護師は医療行為を行う仕事ですから、体調管理も仕事です。具合が悪く注意散漫になってしまうと医療ミスに繋がりかねないですし、ミスをすることでモチベーションも下がってしまいます。

「夜勤が多すぎる」「なかなか休めない」と感じている場合は、病院に相談してシフト調整を検討してもらいましょう。

またミスが許されない看護師の仕事ですが、「業務すべてを完璧にこなさなきゃ!」という考え方はおすすめできません。自分の心に余裕がないと、それが医療ミスを引き起こすこともあり、さらに辛くなってしまいます。

仕事にやりがいを持って働くことでも、バーンアウト症候群を防ぐことができます。その方法については次の項目で説明します。

バーンアウト症候群を予防するためにも、無理のしすぎは禁物。自分を大事にしてくださいね。

やりがいを持って仕事をする秘訣は?看護師のタイプ別に紹介

仕事にやりがいを感じない看護師には、主に次の3つのタイプがあります。

  • リスクやミスを恐れて行動に移せない人
  • 今後の目標がはっきりしていない人
  • バーンアウト症候群になる危険性の高い、燃え尽き型の人

「バーンアウト症候群になる危険性の高い、燃え尽き型の人」については先ほど書いたとおりなので、上2つについて詳しく説明します。

リスクやミスを恐れて行動に移せない人

このタイプの人は、今の仕事内容や自分のスキルなどに満足していないのに、行動を起こせないことが原因で、仕事へのやりがいを感じなくなっています。

「仕事内容に対する不満を言ってしまうと、職場での人間関係が悪くなるんじゃないか」とか、「身につけたい技術があるけどミスしたら怖いな」とか考えてしまい、なかなか行動に移すことができないんです。

解決方法は、どうしたらリスクやミスを恐れず行動に移せるのか考えること。

仕事内容に不満があるのなら、自分の希望する診療科での勤務ができるよう病院に相談してみたり、信頼できる上司に悩みを打ち明けたりしてみましょう。

また自分のスキルを磨きたい人には、教育体制が整っている病院へ転職するのもおすすめです。転職する病院選びについては、「看護師必見!転職時に病院選びで失敗しない情報収集のポイント」を参考にしてください。

今後の目標がはっきりしていない人

自分のやりたいことや今後の方向性がはっきりしていないと、仕事にやりがいを感じなくなる看護師もいます。

仕事をひととおり覚え、職場に慣れてきた看護師の中には、目標が明確になっていないことで無気力になってしまう人もいるのではないでしょうか?

もちろん今やりたいことや目標がすぐ決まれば問題ないのですが、このような人は、なかなか自分の考えがまとまらず焦っている場合が多いです。

自分が何をしたいのか、これからどうしていきたいのか考える時間も、今後の自分のための大切な時間です。無理に答えを出そうとせず、じっくり考えてみてください。

仕事だけのことを考える必要はありません。趣味など、プライベートを充実させるために仕事をするという考え方もありますよ。

看護師にオススメなやりがいのある科を条件別に紹介!

今の診療科での仕事にやりがいを感じていない看護師は、興味のある科への転職も考えてみましょう。

興味を持った診療科があれば看護師転職サイトに登録し、コンサルタントと相談しながら転職活動をするのがおすすめです。

希望する勤務条件や仕事内容、不安なことなどを伝えておくと、それを把握したうえで自分に合いそうな病院を見つけてくれますよ。

やりがいのある科は看護師のタイプによって違います。ここでは次の3つのタイプに分けて、オススメな診療科を紹介します。

・スキルアップ・年収アップが期待できる診療科
・患者とじっくり向き合える診療科
・プライベートも充実させやすい診療科

看護の技術や知識を身につけスキルアップしたい看護師や、給料アップでやりがいを感じる看護師にオススメなのは、おもに次の診療科です。

<スキルアップ・年収アップが期待できる診療科>
循環器内科
消化器内科
消化器外科
救急科

「一人ひとりの患者としっかり向き合いたい」「人の役に立ちたい」という気持ちの強い看護師は、次の診療科への転職も考えてみるといいでしょう。専門的な知識も身につきます。

<患者とじっくり向き合える診療科>
呼吸器内科
腎臓内科

このほかに老人ホームでの勤務や、患者の自宅で看護ケアを行う訪問看護師もおすすめです。

プライベートな時間も充実させたい人は、夜勤がなく残業が少ない病院・診療科を探してみましょう。趣味に没頭したり家族・友達と過ごしたりと、気分転換できる時間をしっかり確保できると、仕事も頑張れますよね。

<プライベートも充実させやすい診療科>
放射線科
皮膚科

しかしどの診療科にも、メリットがあればデメリットもあります。

看護師が仕事をするなかで、自分自身でやりがいを見つけることも大切です。

ほかにも多くの診療科があります。

診療科別の仕事内容やメリット・デメリットについては「貴女の希望が生かせるのは?診療科別の仕事内容をご紹介!」で詳しく解説しています。

まずは自分とじっくり向き合って、自分が今したいことを考えよう

看護師は体力的にも精神的にも大変な仕事ですが、その分やりがいのある仕事です。

患者や一緒に働いている看護師との関わり合いでやりがいを感じる人もいれば、スキルアップやキャリアアップがやりがいに繋がる人もいます。

やりがいを持って仕事をするためには、自分と向き合って考える時間が必要です。自分のしたいことや今後の方向性が明確になってくると、仕事にやりがいを感じられるようになります。焦る必要はないのでじっくり考えましょう。

そして仕事にやりがいを感じることができるのは、体も心も元気な状態で働けているときです。

もしあなたが今看護師にやりがいを感じられず、仕事が辛いと思っているのなら、まずは自分を大事にして、自分を認めてあげてください。